スポンサーリンク
この章の目次と概要です。
- リモート デスクトップ サービスの前提条件
リモート デスクトップ サービスをセットアップするサーバーは、ドメインに参加している必要があります。 - リモート デスクトップ サービスのインストール
リモート デスクトップ サービスのインストール手順を記述しています。 - RemoteApp の作成と動作確認
RemoteApp を作成し、実際に使用する手順を記述しています。
以下の資料を参照しながら、Windows Server 2012 で RemoteApp 環境を構築してみました。
http://technet.microsoft.com/ja-jp/virtualization/dd297510
Windows Server 2012 機能評価ガイド リモート デスクトップ サービス (VDI および RDS) (PDF: 4.75 MB)
リモート デスクトップ サービスの前提条件
リモート デスクトップ サービスをインストールするには、そのサーバーが Active Directory のドメインに参加している必要があります。
またインストールを実施する際は、ドメインの管理者ユーザーでログインする必要があります。
リモート デスクトップ サービスをインストールする手順として、役割と機能の追加ウィザードの「インストールの種類の選択」画面にて、「リモート デスクトップ サービスのインストール」を選択しますが、サーバーがドメインに参加していない場合、以下のエラーダイアログが表示されます。
ドメインに参加していても、ローカル管理者ユーザーでログインしている場合は、以下のエラーダイアログが表示されます。
整理すると、リモート デスクトップ サービスをインストールする際は、そのサーバーはドメインに参加している必要があり、ドメインの管理者ユーザーでログインする必要があります。
今回、検証した環境は以下の通りです。
コンピュータ名 | 役割 |
---|---|
WIN2012 | OS は Windows Server 2012。ドメイン参加済み。 今回、リモート デスクトップ サービス (セッション ベース)をインストールするサーバー。 |
WIN2012R2 | OS は Windows Server 2012 R2。 Active Directory サーバー。(ドメイン名は tdomain.local) |
クライアントPC | OS は Windows 7 SP1。 ドメイン不参加 (WORKGROUP構成) RemoteApp にアクセスするクライアントPCとして使用。 |
リモート デスクトップ サービスのインストール
Windows Server 2012 にて、リモート デスクトップ サービスをインストールした手順は以下の通りです。
- サーバー マネージャーから “管理” → “役割と機能の追加” を選択。
- 「役割と機能の追加ウィザード」が開始される。
「開始する前に」画面にて、”次へ” を押す。
- 「インストールの種類の選択」画面にて、”リモート デスクトップ サービスのインストール” を選択し、”次へ” を押す。
- 「展開の種類の選択」画面にて、”標準の展開” を選択し、”次へ” を押す。
- 「展開のシナリオの選択」画面にて、”セッション ベースのデスクトップ展開” を選択し、”次へ” を押す。
- 「役割サービスの確認」画面にて、”次へ” を押す。
- 「RD 接続ブローカー サーバーの指定」画面にて、サーバー プールから “WIN2012.tdomain.local” を “選択済み” にして、”次へ” を押す。
- 「RD Web アクセス サーバーの指定」画面にて、”RD 接続ブローカー サーバーに RD Web アクセスの役割サービスをインストールする(I)” にチェックを入れ、”次へ” を押す。
- 「RD セッション ホスト サーバーの指定」画面にて、サーバー プールから “WIN2012.tdomain.local” を “選択済み” にして、”次へ” を押す。
- 「選択内容の確認」画面にて、”必要に応じてターゲット サーバーを自動的に再起動する” にチェックを入れ、”展開” を押す。
※自動的に再起動する、にチェックを入れないと “展開” が押せません。
- 「進行状況の表示」画面が表示され、インストールが開始されます。
インストールが完了すると自動的に OS が再起動されます。
- OS再起動完了後、ログインすると以下のようにインストールが正常終了していることが確認できます。
- サーバー マネージャーを表示すると、左側の一番下に “リモート デスクトップ サービス” が追加されていることが確認できます。RemoteApp の作成や変更は、こちらで実施することができます。
RemoteApp の作成と動作確認
役割の追加が完了しましたので、早速、RemoteApp を作成したいところですが、その前にコレクションを作成する必要があります。
コレクションの作成手順は以下の通りです。
- サーバー マネージャーにて “リモート デスクトップ サービス” を選択。以下の画面が表示されるので、”リモート デスクトップ サービス展開の設定” 内にある “セッション コレクションの作成” をクリック。
- 「開始する前に」画面にて、”次へ” を押す。
- 「コレクション名の指定」画面にて、名前に “テストコレクション” と入力し、”次へ” を押す。
- 「RD セッション ホスト サーバーの指定」画面にて、サーバー プールから “WIN2012.tdomain.local” を “選択済み” にして、”次へ” を押す。
- 「ユーザー グループの指定」画面にて、コレクションにアクセスできるユーザーグループを指定。ここではデフォルトであるドメインの User グループを指定したまま、”次へ” を押す。
- 「ユーザー プロファイル ディスクの指定」画面にて、ユーザー プロファイルを保管するフォルダを指定。ここでは “C:\RemoteAppProfile” と入力し、”次へ” を押す。
- 「設定内容の確認」画面にて、”作成” を押す。
- 「進行状況の表示」画面にて、成功を確認して、”閉じる” を押す。
以上で、コレクションの作成は終了です。
それでは、早速、RemoteApp を作成してみます。
- 先程作成した “テストコレクション” を選択し、サーバー マネージャー画面の中央付近に表示される “RemoteApp プログラムの公開” をクリック。
- 「RemoteApp プログラムの選択」画面にて、公開するプログラムを指定。ここでは “サーバー マネージャー” を選択して、”次へ” を押す。
- 「確認」画面にて、”次へ” を押す。
- 「完了」画面にて、”閉じる” を押す。
以上で RemoteApp の公開は完了です。
それでは早速 Windows 7 の PC から使用してみます。
と、その前に、
Windows 7 はワークグループ (ドメイン不参加) であるため、win2012.tdomain.local にアクセスできるように、C:\Windows\System32\drivers\etc\hosts に以下の行を追記します。
(192.168.xx.yy は win2012 サーバーの IP アドレスです)
192.168.xx.yy win2012.tdomain.local
hosts に追加したら、ブラウザを起動して RemoteApp を使用します。
手順は以下の通りです。
- ブラウザを起動して、”https://win2012.tdomain.local/RDWeb” にアクセス。
自己署名証明書であるため、以下の警告画面表示されますが、”このサイトの閲覧を続行する (推奨されません)。” をクリックする。
※ ブラウザによって表示が異なる。以下の画面は Internet Explorer の場合。
- ログイン画面が表示される。画面下部にアドオンの許可確認が表示されたら、”許可” を押す。
- ドメインのユーザーとパスワードを入力し、”サインイン” を押す。
※ここではドメインの admninistrator を入力。
- ログインが完了すると、ログインユーザーに公開されている RemoteApp の一覧が表示されるので、”サーバー マネージャー” をクリック。
- ログイン画面が表示されるので、再度、ドメインの Administrator とパスワードを入力。
※ Windows 7 がドメインに参加していれば、再度のパスワード入力は不要。
- Windows 7 にて、サーバー マネージャーの画面が表示される。
一見、Windows 7 の画面のようだが、ローカル サーバーが WIN2012 となっており、リモートサーバー WIN2012 の画面であることが確認できる。
ちなみに、一般ユーザー “testuser01″ を作成して、RemoteApp にアクセスしたところ、リモート デスクトップ サービスを提供する WIN2012 サーバーの C:\Users フォルダに testuser01 ユーザーのフォルダが作成されますが、実体は C:\RemoteAppProfile\UVHD-S-1-5-21-3130283205-3115218353-4097855683-1105 というファイルになります。
コレクション作成時に “ユーザー プロファイル ディスク” を有効にしたため、新規にユーザーがログインする都度、C:\RemoteAppProfile フォルダに *.vhdx が作成されます。
以上、RemoteApp の検証でした。
スポンサーリンク