今月の相場考察
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日本市場
何をやっても伸びない消費
賃金はリーマンショック後から上昇してきており、可処分所得も上昇しています。しかし 消費支出は弱い状況が続いています。
日銀が行なっている "異次元の金融緩和" を持ってしても、消費を増やすことができないことが明確になりました。消費税増税など、日本経済の先行
きに対する不安が常に国民の消費を抑制する足かせとなっているということでしょうか。
在庫が積み上がるハイテク部品
企業の生産動向に目を向けると「在庫積み増し局面」から「在庫積み上がり局面」に移行しています。鉱工業生産指数を見ると、鉱工業全体の在庫指数の水準はそれほど高くありません。ですが、電子部品・デバイスの在庫の積み上がっているため、受給バランスが崩れています。特に、半導体、パソコン、カメラ類などの在庫が多くなってきています。
概ね景気は良いけれど
日本は東京オリンピックを控え、国としては景気が概ね良い方向へ向かっています。しかし、そのぬるま湯な表面からは見えないところで 経済を押し下げる要因が膨らんできているのかもしれません。
米国市場
FANGは過去のものとなるか
先日、Facebookの大規模な個人情報流出事件をきっかけに、長らく米国株式を牽引してきたFANG のうち、 Amazonを除く3社の株価に曇りが。過去を振り返ると、こういったきっかけは 投資家の "マインドが変わりつつある" という兆候であり、警戒が必要と言われています。
とはいえ、事業の強さというのは変わらないため 今後どうなるかに注目が集まります。とってかわるサービスや対抗企業が現れたというわけではないので、冷静な判断が必要となりますね。
住宅市場はテッペンか
米国の、"住宅着工件数" と "着工許可件数" が減少し始めています。住宅着工件数は2017年9月以来 9ヶ月ぶりの低水準をマーク。
中古住宅販売件数も3ヶ月連続で減少中。新築住宅販売も2017年10月以来、8ヶ月ぶりの低水準となっており、住宅市場の成長が鈍化してきています。今が売り時と考えている人も多いそうですが、実際のところはどうなのでしょうか。
貿易戦争の見通しが不透明すぎる件
貿易戦争の火蓋が切って落とされたので、振り返っておくと。米国は、中国からの輸入品340億ドル分に対して25%の関税を適用。さらに160億ドル分を追加する用意があると牽制。そしてさらに、2,000億ドル分にまで関税の対象を広げる用意があると警告。
これに対し、中国が報復措置をとる可能性もあるため、まだまだ終わらないという予測が有力です。
ですが、実際 米国は中国からの輸入品が多く、関税によって輸入品価格が上昇すれば、結局は米国企業や消費者の首を絞めることになります。そうなれば米国の景気悪化材料になりため、どこかで折り合いをつけなければならない、そこに全世界の注目が集まっています。
欧州市場
移民難民問題が再び
6月のEU首脳会議では移民・難民対策が最優先議題でした。これはドイツの内紛が原因です。不法な移民問題についてEU全体で対策を講じるべきと主張する独メルケル首相と、ドイツ単独でも移民・難民の入国阻止を目指す独ゼーホーファー内相の対立が激化。政権崩壊が危惧されています。
独メルケル政権の崩壊はひとまず回避できましたが、EUにおける移民・難民対策への不満は根強く、しばらくこの問題は引きずることでしょう。
貿易摩擦は一時解消か
アメリカはEUから輸入する鉄鋼製品に25%、アルミ製品に10%の制裁関税を発動していました。7月25日にトランプ大統領との首脳会談が行われ、『関税も非関税障壁もゼロ』を目指す貿易協定の協議を行うことで合意しました。
協議中は鉄鋼アルミへの制裁関税を控えることも合意されたため、アメリカとEU間での貿易摩擦の激化は一時的に止まっています。
上を向かないドイツ
先月に引き続き、欧州の中心であるドイツの景況感は冴えません。欧米間の貿易摩擦だけでなく、米中の貿易摩擦などによる中国経済の減速は、対中貿易の割合が大きい欧州景気の下押し要因になるためです。不透明感が続くことを考えると、しばらくこれは続きそう。
新興国市場
中国
2018年4~6月期の実質GDP成長率は、3四半期ぶりに低下。今後も緩やかな減速がアナリストの中で想定されています。
中国政府は2018年に入ってから、米国を除いた輸入関税の引き下げ、企業減税、所得減税などを既に実施していて、貿易戦争による経済への影響を限定的にしています。ですが 景気が減速基調にあることは変わりはないため気をつけなければなりません。
インド
政府は、不良債権処理を進め 企業向け融資を増加させるために、銀行への資本注入策を打ち出しています。実質GDPは2017年後半から引き続き上昇傾向にあり、良好な企業業績見通しを背景に、今後も景気拡大が続く見込みだと言われています。
しかし楽観視は出来ません。インフレ抑制のための利上げを行っており、これらの影響は今後も続きます。インド準備銀行(中央銀行)は8月1日、予想通り政策金利を0.25%引き上げをアナウンスしました。
ロシア
高かったインフレ率がようやく2~3%程度で推移するようになってきており、経済が緩やかに成長。2018年4~6月期のGDP成長は加速。2018年上半期(1~6月)の新車販売は84万9,221台となり、前年同期比で+18.2%を達成しました。
経済の見通しは良いものの、株価指数は急落。米国へ報復を警告したことがきっかけで、通貨が下落しました。
ブラジル
米EU首脳会議を経て貿易戦争懸念が一時的に落ち着きをもたらしたこと、原油価格の持ち直したことがプラス材料となっています。
しかし、経済成長のペースは依然として鈍化しています。消費者信頼感指数などはむしろ悪化傾向にあるため、安定した成長は 今の段階では難しいです。
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