いつもありがとうございます。林です。
今日は、失敗しないランディングページの発注方法~クラウドワークス・ランサーズでのプロとニセプロの見分け方~と題しまして、いままでランディングページを多く、クラウドワークスを経由して実装してもらったじゅくちょうが、いままで飲まされた煮え湯のことを思い出しながら書いた記事です。参考にしていただければ幸いです。
1. webライティングの原稿とどのLPのどのテイスト・パーツをモチーフにするかは発注側で決める
まず、ランディングページを依頼する上で心得ておくべき大切なことは、「世の中には真似をするのが滅法うまいデザイナーは五万といるが、自分で売れるデザインを考えることのできるデザイナーは(少なくともクラウドワークスやランサーズには)ほとんどいない」という事実です。自分で売れるデザインを作れるのであれば、そもそもクラウドワークスやランサーズで働くよりももっといい職場が五万とありますし、いままで発注した中でまれにそういう人がいましたが、そういう人は遠からずより条件の良い職場に引き抜かれていったものです。
ですから、この「世の中には真似をするのが滅法うまいデザイナーは五万といるが、自分で売れるデザインを考えることのできるデザイナーは(少なくともクラウドワークスやランサーズには)ほとんどいない」という事実を踏まえた上で、デザイナーさんに仕事を頼むという姿勢が極めて重要になります。
一つの方法としては、ランディングページのモチーフとするテイストを特定の競合他社のランディングページを指定する形で決め、エクセルには異業種のLPも含めて、こういうパーツを使いたいという参考にしたLPのパーツのスクショを貼り付けて、その上で、ここの文字はこう変える、などというような形でかなり事細かに発注書を作るということです。これができるかどうかで成否の8割は決まると言っても良いでしょう。
実際下記のように私もかなり事細かに同業他社のLPなどを貼り付けながら、勿論丸パクリにならないように意匠などは変えつつも指示を出していました。問題にならないように、一つバージョンが古いランディングページの発注書を掲載しておきますが、ここまで細かい指示がクラウドワークスで出会ったデザイナーには必要になるという一つの実例として、押さえておいていただければ幸いです。
※ ここでは著作権の問題から自社のLPを貼りましたが、実際は他社のLPのパーツをスクショして張り、意匠権を侵害しない範囲でテイストをパクるように指示しています。
2. 最低でも1ページあたり10万円弱は払う覚悟をする(初期発注額は7万円)
また、満足行くクオリティの実装を行うためには、デザインとコーディングも含めると最低でも1ページあたり10万円を払う覚悟は必要です。自前でwebライティングどかなり細かいデザインの指示をした場合にもこれぐらいはかかることは覚悟しなければなりません。デザインを人任せにするのであれば1ページ100万円、商品企画の変更も含めたwebライティング全般まで人の手を借りると300万円はかかることを考えれば、まずこの10万円に関しては惜しまないことが大切です。
きちんとしたLPをつくるのには、どうしてもそれだけのコストがかかることを説明すると多くの方が驚かれますが、考えていただきたいのは、このランディングページというのは店舗型ビジネスにおける内装と同じなのです。内装には数千万円、数億円というコストを無尽蔵に掛ける事業家がネットビジネスについてはそれをケチるのは甚だおかしなことです。
さらに言えば、材料などの誰から買っても特段品質が変わらないものについては値引きも是とするべきですが、誰がやるかが重要であるもの、人の手がそのままお金に換算されるものについては値引いてはいけません。気持ちよく10万円程度のお金を払うことが大切です。それでも効果が出なければ意味がないですから、信頼できる実績がある人であれば100万円、300万円払うことも惜しくはないでしょう。
3. 基本的に実績数十件以上、評価5.0、LP制作のポートフォリオがなければ依頼しない
ここまでが発注者側の持つべき心構えですが、ここからは受注してくださるデザイナーの見抜き方になります。クラウドワークスにいるデザイナーはそもそも仕事に困っているデザイナーさんが九割であり、相当な猜疑心を持って発注しない限りまず間違いなく失敗します。ですから、頼んでも良いデザイナーさん、頼んではいけないデザイナーさんを見抜く目が必要になります。それがなければクラウドワークスやランサーズを利用することのみならず、そもそもランディングページの実装を外注に出すこと自体おすすめしません。
クラウドワークスでわかりやすいのは、実績が数十件以上、評価5.0のクラウドワーカーはある程度信頼に値するということです。しかしそこは修羅の国・クラウドワークス。これだけで信用してはいけません。数十件ある実績のほとんどが文字起こしなどの単純作業で、ひどい場合には自作自演の場合もあります。数百円の細かい仕事をしたあとに、十万円ぐらいの仕事を取ってきて、余白などについて指示のない発注書のスキを突いてお金を払わなければならない程度(ただ実際の広告としては使えない程度のクオリティー)には仕事をしてドロンしようという不心得者も多いのです。ですから、これだけで信用してはいけません。
大切なのは「ランディングページの実績はありますか?」とまずは質問することです。驚くべきことですが、ランディングページ制作に応募してくる半分以上の方がランディングページを制作した実績のない方です。こうした方はまずお断りします。10万円ぐらいで発注を出すとこういうハイエナみたいな人はたくさん出てくるのです。
4. LP制作のポートフォリオ、ウソつきクラウドワーカー・本物クラウドワーカーはこんな人!
そして、残りの半分のうちの大半がウソつきクラウドワーカーです。これは、こちらがポートフォリオですといって見せてきたランディングページのほぼすべてが自分の作ったものではないという人です。こういうデザイナーさんも残念ながらめちゃくちゃ多いのが現状です。
違和感を感じ取る上で大切な点としては
・ ランディングページのポートフォリオにデザインの統一感がない
(テイストが違うサイトでも同じデザイナーがつくったのであればクセが出るのです
が、そういう匂いが全くしないのです)
・ ランディングページ集めてみましたなどのサイトで掲載されている有名ランディ
ングページばかり
・ やりとりをしているときの日本語がおかしい
(中国や台湾からやり取りをしているケースがあります。中国人がすべてクオリティ
ーが低いわけではないですが、日本市場を狙ってくる人間は本国で通用していない
ケースも多くクオリティーに相当のばらつきがあります。そもそも日本市場向けの
ランディングページ制作には向いていません。)
・ 情報商材のランディングページがある
(そうじてこの業界の人は倫理観が低いので仕事上の付き合いは控えたいところで
す)
これらの点を重視した上で、できれば地方の商店のサイトなどで、かつデザイン品質が良い場合はかなりお手頃なデザイナーといえます。東京に来れば単価が高くなるデザイナーであるにもかかわらず、地方だからこそ安く頼める可能性が高くなるからです。
5. HTML5,CSS3,JQuery,Photoshop,Illustratorができることがとりあえずの発注の条件
ここでいうデザイン品質の良さというのは、この場合だとモノマネを頼んだ時に完コピができるかどうかぐらいの基準で構いません。
ここで10万円を損してしまうと元も子もないので、わかりやすい例を出すと、チップスターでもなんでもいいので近くにある商品を写メで取って、ロゴを完コピできたら1万円という仕事をまず発注してみます。そこで完成度高く完コピができればランディングページの仕事を頼むという方法もあります。また、ファーストビューだけ作ってもらってみて、そこでの完成度を見て引き続き仕事を頼むかどうかを決めるのも有りでしょう。
実装段階でモメないようにするには、
HTML5,CSS3,JQuery,Photoshop,Illustratorができることを一つの条件にするでしょう。このうち、Photoshop,Illustratorのスキルは先程の完コピテストでどうにかなりますが、HTML5,CSS3,JQuery,についてはポートフォリオでいただいたサイトのソースコードなどを総合的に評価して決める必要があります。また、このあたりに関しては細かく指示できるように毎日プログラミングなどで一通り勉強しておいたほうが良いでしょう。
6. 発注は一度までであれば失敗もできるように、作業進捗を随時確認しよう!
また、ランディングページを実装する際にライティングでもデザインでもコーディングでも問題になるのが、その長さゆえに、途中でだらけてしまうということです。そのためにライティングのクオリティーが落ちたり、デザインのクオリティーが落ちたり、コーディングのクオリティーが落ちるということがあります。まあ、コーディングについてはちゃんとコーディングしないと動かないので、レスポンシブ対応ができているか否か、あらゆる環境できれいに表示されるかを除けば問題ないですが、ライティングとデザインについてはこの息切れが大きな問題になりえます。
このうちライティングはあなたの気合でどうにかなるにしても、デザインは人に頼むわけでそうはいきません。ですから、10万円で頼むにしても、ファーストビュー、悩み訴求、商品紹介&ラスト、PC実装完了、レスポンシブ対応でそれぞれ2万円ずつに区切って支払うなどのなにかしらの工夫も必要でしょう。
7. 途中で「失敗した!」と思ったら、作業途中で高額の違約金が発生しても解約しよう!
また、ここから先も大切なことをまだまだ書いていきますので最後まで読んでいただきたいのですが、仕事している中で一瞬でも「失敗した!」と思ったのであれば即解約すべきです。発注している側というのはたいてい冷静な判断能力を失っていますが、それでも違和感を感じるぐらいの失敗というのは、お客様側から見れば致命的な失敗だからです。
ただ、この時の注意点ですが、おそらく高額な違約金を求められますが、これはちゃんと払いましょう。だいたいすでに進んでいる部分の代金の二倍、つまりあなたの想定の二倍は支払ったほうが良いです。これはあなたの発注の仕方が悪かった可能性があるという部分もありますし、「六次の隔たり」という考え方に由来する部分もあります。
「六次の隔たり」というのは、人間は6人を介すると人類の誰とでもつながるという考え方です。デザイナーに限って言えばもっと狭い世界だと思います。ですから、誰であれ、どんなに能力がなくとも、一度仕事を頼んだら無礼な態度を取ってはいけません。礼儀正しく、あくまでもしていただいた仕事には感謝しながら、やむを得ない理由をつくり解約するべきです。
8. できる人は余白に違和感がなく、超一流デザイナーは細部に神を宿らせる
違和感を感じるための要素の一つとして、「余白」についても勉強されることはおすすめします。いわゆるレタリングといわれる部分については気にしすぎても気にしすぎることはありません。字体がもたらすブランドイメージへの影響は限りなく大きいからです。そのことを認識した上で、とくにロゴなどは細部にまで気を配る必要があります。
できるデザイナーのデザインには違和感がありません。余白に違和感がなく読みやすいからです。そして超一流のデザイナーは細部に神を宿らせます。字体の微調整でブランドイメージまで作ってしまうのが超一流のデザイナーです。
9. ディレクションに疲れても、絶対に絶対に絶対に使いやすいデザインを妥協してはならない
こういったことを認識した上で、私達が求めるべきなのは一流のデザイナーです。超一流のデザイナーはなにしろ高い。webサービスなどで圧倒的に革新的なサービスを頼むのであれば頼む価値はあると思いますが、そうでもない限りはやはりなかなか難しいかなというところが実際のところです。ですから、私達が頼むべきなのはあくまでも一流のデザイナーです。
しかし、一流のデザイナーとて人間です。やはり疲れることもありますし、手を抜きたくなるときもあります。ですが、妥協してはいけません。ディレクションに疲れても、絶対に絶対に絶対に使いやすいデザインを妥協してはならないのです。それをするとそのランディングページが完成してから、それランディングページを引退させるまでずっと後悔します。
一番よくありがちな失敗は、レスポンシブ対応の際の失敗です。レスポンシブ対応はどうしてもコーディングの都合上、一番最後になり、デザイナーもディレクターもエンジニアも疲弊しているため余計な仕事はしたくないという本音を抱えながら作業に挑むことになりますが、その一方でユーザーの70%~80%はスマホでランディングページを見るのです。ですから、ここで気を抜いたらランディングページの成果は一気に下がり、改善のための暗中模索が始まり、余計な仕事が増えてしまいます。レスポンシブ対応こそ気を抜いてはならないのです。