第7節 勇者召喚の儀
今日の夕食はピザでした。
馬車が出発してから3時間15分45秒。天才の俺の体内時計が間違っているはずがない。
そろそろ目的地であるアレクシア剣王国の中央、聖都アレクシアに着きそうだ。
「そういえば、ミリエ。あなたの能力ってどんなものなの?」
なんかおっぱいでかいしメイドだし勝手に強いと思っていたが、これまで聞く機会がなかった。
今回は護衛をしてくれるのだし、この機会に聞いてみることにした。
「能力、ですか?えーと、ちょっと待ってくださいね…ステータス!」
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ミリエ・マナテリア 810歳 ランク:C
レベル:23/100
体力:4700/4700
魔力:11999/12000
攻撃:263
防御:325
敏捷:634
ー所持スキルー
炎魔法
水魔法
風魔法
エルフの加護
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…………………………?
「………え、どうやって出したのそれ?」
「へ?魔力を1消費してステータスって言えば出るって神託の時に女神マビエル様が教えてくれたじゃないですか、もしかして忘れちゃったんですか?」
「忘れてないわよ!ちょっと自分で使わなさすぎて驚いてつい言っちゃっただけよ!」
「はぁ…そうですか。」
天才的口テクでなんとか誤魔化しきれたようだ。
しかし、どういうことだ?俺そんなの教えてもらってないし。てか、魔力0だから使えないし。
神は死んだ!
大方、女神マビエルが天才的才能を持つ俺に嫉妬して教えなかったというところだろう。
そして、おそらくは俺のステータスが最低値なのもそんな感じだろう。
愛い奴め。
寛大で天才な俺はマビエルとかいう凡女神を許してやった。
「あ、そろそろ到着しそうよ。」
俺の視線の先には城があった。とても大きな城があった(天才並感)
「確かに王城が見えますね。」
今回の目的地は城のすぐそばにある広場だ。
召喚魔法の魔法陣があまりにも大きすぎたため、そこくらいしか魔法を発動させられる十分な広さを確保できなかったらしい。馬鹿でしょ。
まあそのおかげで勇者召喚とやらを生で見れるのだが。
そうこうしているうちに、ついに到着した。
「………人が多いわね。」
「まあ、伝説の勇者召喚を生で見れるのですからこの人だかりも納得できます…。」
しかし、こうも人が多いと気が滅入ってしまう。
というわけで天才の俺は儀式が始まるまで馬車の中で待っておくことにした。
「フォルテ様、そろそろ始まりそうですよ!」
寝てた。
起きた。
外に出た。
「これより勇者召喚の儀を始める!!!!!!」
始まった。
いくら私が天才美少女だからって求婚するのはやめてください。