第2節 異世界はスマートに。
日間1位狙ってます。
光が俺の目に差し込む。
どうやら無事異世界転生できたようだ。
もっとも、転生魔法を極めた俺が失敗するはずがないのだが。
しかし、この身体の感じ…やはり赤子になっているようだ。それがこの魔法の欠点だな。
まあ異世界には来ることが出来たんだ。これくらいのことは我慢してやろう。俺は天才だからな。
「産まれました!かわいい女の子ですよ!」
!!!!?!?!!?!?w
やれやれ、天才の僕は神に嫌われているらしい。
「頑張ったな、ファンネ!」
「ええ、トム!この子は私たちの宝物よ!」
どうやらこの2人が俺の両親らしい。
前世の俺に負けず劣らずの美形っぷりだ。
今世の俺は成長したら美少女になること間違いなしだろう。
「本当におめでとうございます!トム様!ファンネ様!」
俺を女の子宣言した女。こいつは格好からしてこの家のメイドだろう。こいつも中々の美少女だ。
それに胸がでかい。
さて、そろそろ産声を上げてやるか。
赤子が黙ってるのもおかしいしな。
「おぎゃおぎゃおぎゃあああああああああ!」
天才的センスが見事に光った我ながら完璧な産声だ。
「ふふっ、こんなに泣いちゃって。」
「そうですね。見事な泣きっぷりです!」
「ハッハッハ!そうだな!きっとやんちゃの子になるだろうな!ハッハッハ!」
凡人の評価など天才の俺には関係ないが中々良かったらしい。
うれしい。
「そういえばファンネ、この子の名前は何にするんだ?」
「安心して、トム。もう決めてあるの。」
「おお、早く聞かせてくれ!」
「大きく、そして強く育って欲しいという意味を込めてフォルテ、フォルテ・レインよ!」
「フォルテ…フォルテ・レインか…いい名前だ!」
どうやら今世の俺はフォルテ・レインという名前らしい。
ちなみに言い忘れていたが今彼らが喋っているのは日本語ではない。
俺っちが天才すぎて秒でこの世界の言語をマスターしてしまったせいでつい言いそびれてしまった。
「それではファンネ様、フォルテ様にお乳をあげてください。」
「分かったわミリエ。この子もお腹が空いてるでしょうしね。フォルテちゃ〜ん、お乳の時間でちゅよ〜。」
どうやらこのメイドはミリエというらしいな。それよりおっぱいだと?
確かに今の俺は赤子だ。だが赤子である前に天才なのだ。母乳を飲んでは天才が廃る。意地でも飲んでやらんぞ。
「クリエイト・ミルク!」
フォカヌポゥ!?
はぁ…魔法かいな…ニーズを分かってないやつやなぁ…。
というよりも魔法だ。
異世界に転生したことは分かっていたが、剣と魔法の世界だとはまだ確定していなかった。
しかし、それもファンネが魔法を使ったことで確信した。間違いない、と。
やはり俺は天才のようだな。ごくごく。
「あら、いい飲みっぷりね。見てたらこっちまでお腹いっぱいになっちゃいそうだわ。」
あんたさんの乳、うまいで。
というか、ミルクを飲んだら眠くなってきてしまったな。やはり、精神がいかに天才でも肉体には逆らえない、か。
いいだろう。この肉体、立派な天才ボディにしてやろう。
そのために…今は寝るとしよう。
明日には書籍化決まってると思うんで今のうちにサイン貰っといたほうがいいですよ。