
「コーヒーはぼくの杖〜発達障害の少年が家族と見つけた大切なもの」感想
本を読んで久しぶりに泣きました。
ぼくは 、自分が 〝ふつう 〟じゃないことを受け入れることにした 。まだすこし不安だけど 、コ ーヒ ーがあれば 、転びながらでも 、なんとか歩いて行けるような気がする 。
(引用:コーヒーはぼくの杖~発達障害の少年が家族と見つけた大切なもの)
私はやはりアスペルガー傾向があるのかも知れない。
ADHDではあるんだけどアスペルガーの傾向もある。しかしどれも軽いものだ。
重度となるとこんなにも大変なのか?!ということがこの本には綴られていた。
それと同時に、なんと読みやすい文章なのだろうかとビックリした。
この本は岩野響くんとご両親のインタビューを元に書籍化されたものだそうだ。それにしても読みやすい。プロの文章とはこういうものなんだろう。
目の前でリアルに香り立つコーヒーやコーヒー豆の焙煎の香りを文章だけで表現している。そして響くんとご両親の想いも読者の心に見事に伝わって来る。
スラスラと読み進めた第3章の「自分らしくどう生きるか」の最後で私の涙腺は遂に破壊されてしまった。
ぼくは 、自分が 〝ふつう 〟じゃないことを受け入れることにした 。まだすこし不安だけど 、コ ーヒ ーがあれば 、転びながらでも 、なんとか歩いて行けるような気がする 。
(引用:コーヒーはぼくの杖~発達障害の少年が家族と見つけた大切なもの)
普通じゃないことに苦悩し続けて、普通なフリをし続けた末に、とうとう普通じゃない自分を受け入れたのだ、響くんとご両親は。幼い頃からご両親と一緒に探し続けた「自分らしさ」をとうとう見つけたのだ。それが伝わって来て思わず目から涙が流れ落ちた。
岩野響くんはホライズンラボというコーヒー豆焙煎のお店をやっている。
発達障害、アスペルガー症候群だそうだ。本を読んでみての判断だが、かなり重度だ。発達障害でも軽度なら学校に行ったり会社に行ったりもできる。
そういえば私は会社勤めは出来なかったな。すごく好きな業種の時だけ一年間無遅刻無欠勤で勤めたことがあったが、興味があまりない業種ならいつも遅刻ギリギリで出勤していた。上司にもっと早く来いと言われても出来なかった。早く出勤するよりも夜中までパソコンでインターネットをしたり絵を描いたりしていた。私はサラリーマンにはなれなかったけど、インターネットや絵でお金が稼げるようになった。
「会社」というところにしか収入を得る糧がなかった時代から切り替わる時代に私はいた。そして、興味があるまま遊ぶようにインターネットをしていたら「ホームページを作って欲しい」と仕事が舞い込んで来た。私にとってインターネットやデザインが「ぼくの杖」であったのと同じように、岩野響くんはコーヒーを杖として見つけた。
たまたま社会で生き辛い生き物として生まれただけで、得意分野でなら誰よりも才能を発揮することができたりする。そんな杖をこれからも大事にしたくなる本でした。
本当に感動したし涙が出ました。どうもありがとう!
- 著者岩野 響,岩野 開人,岩野 久美子
- 出版日2018/01/12
- 商品ランキング502位
- Kindle版149ページ
- 出版社三才ブックス
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