【8月10日 AFP】北朝鮮は9日、5月以来となる韓国との南北首脳会談の開催を目指す動きを見せる一方、米国が圧力政策によって朝鮮半島の安定を危険にさらしていると非難した。

　南北の関係改善が進むなか、韓国政府は9日、文在寅（ムン・ジェイン、Moon Jae-in）大統領と北朝鮮の金正恩（キム・ジョンウン、Kim Jong-Un）朝鮮労働党委員長による会談を準備するため、両国が13日に高位級協議を行うと発表した。

　一方、北朝鮮外務省はその数時間後に声明を発表し、米政府が北朝鮮に対する制裁強化の圧力をかけることにより、朝鮮半島の非核化が滞ると警告。怒りをあらわにした。

　さらに同省は「ようやくつかんだ朝鮮半島の安定した雰囲気が持続する保証はない」と表明した。

　韓国政府によると、高位級協議は北朝鮮側が9日に申し出たもので、4月の南北首脳会談以降の「進展状況を振り返る」ことが目的。文大統領と金委員長は5月にも会談を急きょ行っており、次の会談が実現すれば、両者による3回目の首脳会談となる。

　4月の南北首脳会談は、6月にシンガポールで行われた米朝首脳会談につながり、金委員長はドナルド・トランプ（Donald Trump）米大統領に対し、あいまいな表現ながらも非核化に取り組むことを約束した。

　ドナルド・トランプ米大統領はこの会談を歴史的な成果と自賛したが、北朝鮮側は、米政府が「完全かつ検証可能で不可逆的な」非核化を求めていることを「ギャングのような」要求だと批判している。

　北朝鮮は9日の声明で、トランプ政権の振る舞いは不誠実だと非難。米国が「対話相手への基本的な礼儀」すら示さないのであれば、「非核化を含む朝米共同声明の履行において進展は望めない」とした。(c)AFP/Sunghee Hwang