「フリーズドライ食品」は意識すると身の回りに結構ある。カップラーメンに入っているえびや肉、ネギなどの具材などがそうだし、スーパーではフリーズドライのスープも手に入れることができる。お湯をかければ食べられる手軽さで、きっと多くの人が日常的に口にしているんだと思う。
先日、そのフリーズドライについてすごい体験をしてしまった。 「チキンカツカレー」はフリーズドライにできるのだ。
1986年生。大人げない大人を目指し、日夜くだらないことを考えています。ちぷたそ名義でも活動しています。
前の記事:「幽霊を怖くなくしたい」 人気記事:「約55%の人が卵かけごはんを混ぜて食べている」 アマノ フリーズドライステーション横浜店へそんなフリーズドライ食品を専門に扱うアマノフーズのアンテナショップ、アマノ フリーズドライステーション横浜店へ来た。店内にはずらりとフリーズドライ商品が並んでいる。こちらでは、常時100種類以上、スーパーなどで見かける一般流通の商品以外にも、通販限定の商品も購入することができる。
商品の案内をしてくれるアサヒグループ食品株式会社 広報・CSRグループの土屋さん
スーパーなどでよく見かけるおみそ汁のパッケージをかたどった看板の隣にいるのは、今回案内してくれるのアサヒグループ食品株式会社 広報・CSRグループの土屋さんだ。
アマノフーズは2008年にアサヒグループ入りしており、現在はベビーフードの和光堂、「ミンティア」や「エビオス」のアサヒフードアンドヘルスケアの3社でアサヒグループ食品株式会社になっている。 横浜店ではお店で買ったフリーズドライ食品をその場で食べられる
アマノフーズのアンテナショップは横浜以外にも東京、そして福山(広島県)にも店舗があるのだが、今回訪れた横浜店はイートインスペースがあるのだ。お店で買ったおみそ汁やスープ、パスタなどをその場で楽しむことができる。
定番のおみそ汁も種類が豊富
人気商品だけあって、みそ汁のラインアップもすごい。こだわりのナスのおみそ汁は、なすと焼なすで2種類ある!アマノフーズではなんと全部で12種類のなすを使ったおみそ汁があるらしい。(このお店には8種類置いてあった)
「焼なす」「なす」のおみそ汁
このなすのおみそ汁、両方体験したが、なすのおいしさには驚いた。
このふたつ、だしの味も入っているなすの形状も違くて、「なす」の方は1口大の大きさのなすがごろごろ入っているのがうれしい。焼なすの方はちょっと香ばしさを感じるスープに、大きめのなすが食べ応えがある。アマノフーズではなすにめちゃくちゃこだわりを持っていて、このなす、人の手でひとつひとつカットして素揚げしているのだそうだ。
フリーズドライってどうやって作っているの?こんな小さいパッケージにスープとか食べ物が入っている……と思うともはやフリーズドライは宇宙
そもそもこのフリーズドライってどうやって作っているのかよく知らなくないですか。土屋さんに聞いてみた。
土屋:フリーズドライ食品はどういう食品かという話ですが、食品をフリーズ、つまり凍らせて、ドライ・乾燥させています。 井口:本当に字のまんまなんですね! 土屋:食品の中に含まれている水分が、凍らせることにより固体になります。それを真空状態で乾燥(昇華)させます。すると水分があったところが空間になり、食品はスポンジ状になります。そこにお湯を入れることによって空間に水分が戻り、元のおいしい作りたての味が再現できるのです。 井口:調理して出来上がった食品を、それぞれ小さく分けてフリーズドライをさせてることを考えるとかなり手間かかってますよね。
土屋: そうなんです。フリーズドライのみそ汁を作る際にも、約-30℃の凍結庫で8時間以上凍らせた後、フリーズドライ機(真空凍結乾燥機)に入れて約24時間かけて乾燥させます。商品の素材や大きさによって、それ以上かかる場合もあります。 井口:一個作るのにすごく時間がかかっている。今まで意識してなかったんですけどフリーズドライ、ものすごい技術ですね……。 フリーズドライ食品実食横浜店の給湯スペース
そんなアマノフーズ自慢のフリーズドライ食品を、横浜店のイートインスペースで実際に食べさせてもらった。計量カップとかコップ類も用意されてるからラクラク調理できる。
にゅうめん(すまし柚子)と3種のチーズのクリームパスタは……
お湯をかけたらこの通り!
にゅうめんは飲んだ後にもよさそうなあっさりした味わいで、量も小腹満たしにちょうどよさそう。パスタはインスタント食品とは思えない濃厚さ。でんぷん質の多い素材は戻りにくく、フリーズドライには向かないという特性を持っているため、実現するまでに色々苦労があったのだそう。例えば、100mlのごく少量のお湯をかけてショートパスタを戻るようにしたり、60秒でソースが絡んだパスタ料理を完成させたりとか…。開発から商品化までに実に2年もかかっているんだって。
フリーズドライ食品、普通にスーパーで手に入るけど、聞けば聞くほどすごい手間のかかっている食品なんだなあ。 しじみのおみそ汁
しじみのおみそ汁はお湯を入れたら殻ごと出てきたぞ……。どうなってんだフリーズドライ、すごすぎる。
いろんなスープを試食した。これは「トムヤンクン」をいただいている時の写真
味もおいしくて、みんなこういう顔になる。ちなみに林さんはアマノフーズのおみそ汁を自宅にストックしているそうだ。
ナスの揚げ浸しのおろしソースかけ
あとすごかったのがこれ。フリーズドライを使ったアレンジレシピだ。このなすの揚げ浸しのなすは実はフリーズドライ。通販専用商品で「まるごと素材」シリーズから発売されている「フリーズドライのなす」だ。試食しながら、全員で「店でこのメニューがお通しで出たら当たりの店」と連呼していた。ちなみに揚げ浸しにかかっているのは「フリーズドライの大根おろし」(8月20日より通信販売から発売予定)をめんつゆで溶いたもの。
そんなアマノフーズがこだわっているなすは「フリーズドライのなす」としても売っている。うっかり取材後、私も橋田さんも林さんも買っていた。
小さめどんぶり 中華丼
お湯をかけて30秒でできる中華丼の具(ごはんは別)は想像以上に大きいエビが出てきた。一体どこに隠れてたんだ。
技術に感動しながら夢中で食べてしまう
フリーズドライすごい……。今までスープ類ばかりでそれ以外に手を出してこなかったことを悔やむレベルだ。どれも想像以上においしくて驚いた。
チキンカツカレーがすごいフリーズドライの匠 チキンカツカレー(通販専用商品・数量限定)
そして表題のチキンカツカレー……チキンカツカレーをフリーズドライにしようって発想がまず面白い。
お湯をかける前
袋から出した状態。他よりは大きく、カツが入ってるだけあって重さもある。でもチキンカツカレーの重さを考えると軽い。本当にこれがチキンカツカレーに……?
お湯をかける前
個体の状態を並べるとそれぞれが何の食べ物だかわからない、味気ない感じだ。
おいしいチキンカレーセットに
お湯を入れて60秒かき混ぜるとチキンカツカレーになる。ごはんは別で用意して、あとでかけて食べる。すごい、コールスロー(こちらも通販専用商品・数量限定)もあるし、一緒に作ったのもカレーだったけど、これをスープに変えたら完全に「チキンカツカレーセット」だ。フリーズドライで一食まかなえてしまう。
フリーズドライのチキンカツカレーがチキンカツカレーに戻るまでを動画で見ていただこう。最初は「本当にとろみが出るの?カツに戻るの?」と不安になったがあれよあれよという間にカレーになってしまった。
チキンカツ部分
味は……うまい! とろみのあるカレーとサクッとしたチキンカツ。これがお湯をかけるだけで食べられちゃうのちょっとすごい。お湯をかけてもカツのサクッと感は感じられる。それでいてチキンの肉感もある。
おいしかった
その他いろいろ試させてもらい、フリーズドライを使ったアレンジレシピなども楽しませてもらった。ごちそうさまでした。次のページからはフリーズドライできる食品と出来ない食品など聞いていきます。
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