リニューアルしたばかりのGoogle広告の使い方 ~設定をしないと、無駄に広告予算が消えてしまう可能性も!~

1. Google広告とは? ~Google広告を有名女優に例えると「沢尻エリカ」?~

Google広告とは、ある特定のキーワードでGoogleで検索したときに、広告主が指定した広告を掲載することができるGoogleの広告主向けの機能です。このような広告のことをリスティング広告といいます。あなたがGoogleにこのリスティング広告を掲載したい時には、必ずこのGoogle広告を使うことになります。もともとはGoogle Adwordsという名前でしたが、最近リニューアルしました。(なので、Google Adwordsの使い方の記事を書いてたのですが、8/10にすべてGoogle広告に合わせた形で書き直しました。)

このGoogle広告ですが、有名女優に例えると「沢尻エリカ」さんのような性質を持ったサービスです。つまり、きちんと対応すれば気分よく成果を出してくれるのですが、きちんと対応ができないと「別に……」という感じで、ユーザーがあなたの広告に対してウンともスンとも対応してくれなくなります。これが、出しては消えていく、成果がほとんど上がらないリスティング広告が世の中にたくさん存在する理由の一つです。

2. Google広告の設定の背景にあるGoogleの思想

では、このようにGoogle広告に適切な対応ができない、つまりGoogle広告で初期設定のまま広告を配信すると、結果として無駄に広告予算が消えてしまうことがあるのはなぜなのでしょうか?

その根本的理由としては、Googleの思想にあります。Googleの代表的な思想の一つとして、「徹底したユーザーファースト、収益はその後についてくる」という考え方があります。ここで言う「ユーザー」とはあなたのような広告主のことではなく、なにかしらの検索キーワードで日々検索をする一人ひとりのユーザーのことを指します。つまり、Googleはあなたのような広告主よりも、キーワード検索をする一般ユーザーにとっての使いやすさを最優先してサービスを設計しているという側面がまず第一にはあります。

第二には、Googleが「徹底したユーザーファースト」という背景思想の観点から、広告主にもより高いレベルのマーケティングを求めているという側面があります。マーケティングにはいくつかのレベルがあり、大きく分けると

(1). 「いますぐ客」向けのマーケティング
(2). 「そのうち客」向けのマーケティング
(3). 「なにそれ客」向けのマーケティング

の三種類があります。

まず、(1).「いますぐ客」向けのマーケティングについてですが、これは私は慶應受験向けのネット家庭教師の事業を運営していますが、この場合だと「慶應 小論文」「sfc 小論文」と検索してきてくださった方向けのマーケティングです。正直言ってこれほど簡単なマーケティングはなく、大きなROI(投資収益率:投資に対するリターンの割合)が期待できます。私達のマーケティングの大部分がこの1.「いますぐ」客向けのマーケティングで、実際大きなROIを出しているのですが、この「いますぐ客」向けのマーケティングに対してGoogle広告の初期設定は必ずしも親切とは言い難い現状があります。

一方、(2).「そのうち客」向けのマーケティング、あるいは(3).「なにそれ」客向けのマーケティングについてですが、これは難儀を極めます。こういったマーケティングが得意なのは、慶應受験向けの同業者だと「早稲田塾」や「AO義塾」などの会社があり、これらの企業はいずれも我々のサービスより規模が大きくなっています。だいたい私が経営しているネット家庭教師事業の生徒数はせいぜい受験期でもせいぜい100人前後で推移していますが(それでも単価が高いので十分な利益のあるビジネスができますが)、彼らの生徒数はその十倍は有に上回ります。彼らがそうした成功を手にすることができた理由としては、様々な分野(経済、経営、政治、生物、医療など)でトップレベルの有識者を招いた大規模なイベントを開催する中で慶應受験を始めとする難関大学受験の可能性をPRし、それを集客に結びつけることができたためで、こうした2.「そのうち客」向けのマーケティング、あるいは3.「なにそれ」客向けのマーケティングはマーケティング巧者の戦略であるといえます。うしたマーケティング巧者にとっては、現在のGoogle広告の初期設定は親切なもので、この種の事業者の場合には、そのままサイトのコンテンツを紹介するだけでほぼ成約に結びつきます。

ここで、あなたがどちらの事業者であるかを考えていただきたいのですが、たいていの企業のたいていの商品は、1.「いますぐ客」に売り込むことしかできない程度の商品力しか持ちえません。そこで今回は、Google広告を用いてこの1.「いますぐ客」向けのマーケティングをいかに成功させていくか、そのためにはどのような設定変更が必要かについてお話したいと思います。

3. Google広告の各種設定に見る効果的な設定変更の方法

A. Googleのキャンペーン追加画面

まず、こちらがGoogleのキャンペーン追加画面ですが、この画面を見るとたいていの方は「検索ネットワーク(ディスプレイ ネットワーク対応)」を選んでしまいがちです。しかし、これこそがよくあるワナです。私は、基本的に初めてリスティング広告を使う方には、ディスプレイネットワークによる広告はおすすめしません。

そもそも、ディスプレイネットワークとはなにかというと、みなさんがネットサーフィンなどをしているときによく見る、下記のような広告です。

こうした広告は、私が経営しているネット家庭教師の会社でも出していますが、そもそも興味がある人は、検索連動型広告であるキーワードを検索してサイトに来た時点でお問い合わせをしているものであり、かならずしもサイトに来た人に再びこうしたディスプレイ広告を出すリタゲティング広告と言われる広告の効果はそれほど高いわけではありません。(いくつかの例外はありますが、先輩の有名上場企業の経営者たちと呑んでいた時に伺ったのは、サーバー系の会社や雑誌系の会社など少額商品でかつ契約期間が長い場合にはこういった広告の効果が極めて高いことはあるようです。私は比較的高額な商品を6ヶ月~1年弱契約していただくモデルですが、少なくともネット家庭教師の場合はリタゲティング広告の効果はないとまではいわなくても、それほど大きくはありません。)

そこで、私がこうしたディスプレイ広告を出すときに心がけていることは、
(1) ディスプレイ広告はリタゲティング広告以外は出さない
(2) ディスプレイ広告の単価は一般的な検索連動型のリスティング広告の単価の
1/3~1/4程度に抑える
という二点です。それぞれ解説していきたいと思います。

まず、(1) ディスプレイ広告はリタゲティング広告以外は出さないという考え方についてですが、このGoogleの初期設定画面で「検索ネットワーク(ディスプレイネットワーク対応)」を選んだ場合に最も大きな問題になるのが、自分たちの商材がターゲットとするキーワードを一度も検索したことがない人にも自分たちの商材の広告を打ってしまう可能性が極めて高いということです。Googleは独自のアルゴリズムに基いて、「こういうキーワードを検索した人はこういう商品にも興味がある可能性が高い」という理論の下で広告を打つのですが、それが必ずしも商品の購買に結びつくものでは現状ないという問題点があります。このことから、私達は基本的にディスプレイ広告は一度弊社のサイトにご訪問いただいた方に限って出稿するリタゲティング広告に限定したディスプレイ広告の展開を行っています。

(2) ディスプレイ広告の単価は一般的な検索連動型のリスティング広告の単価の1/3~1/4程度に抑える、という考え方については、ディスプレイ広告というのはとかくいたずらにクリックされがちなので、検索連動型広告よりは成約率が低く出てしまうことが多いため、一般的な検索連動型のリスティング広告の単価の1/3~1/4程度に抑える運用をしています。実際これぐらいの運用だと、ひたすらあちこちに広告が出るということはなく、何回も訪問してくださっている熱心なユーザーにしか広告が出ないためディスプレイ広告でもある程度の成果を出すことができます。

いずれにせよ、初期設定で、「検索ネットワーク(ディスプレイ ネットワーク対応)」を選んだ場合には、単価設定も検索連動型広告と変わらない単価になりますので、初期設定で「検索ネットワーク(ディスプレイ ネットワーク対応)」を選ぶことは全くおすすめしません。

B. 機能を選ぶ画面

また、細かい話ですが、Google検索ネットワークに広告を掲載することは良しとしても、検索パートナーも含めるかどうかは慎重に検討する必要があります。なぜなら、GoogleとGoogleが提携している検索パートナーの媒体としてのユーザーの質は大きく異なるためです。たとえば、GoogleであればGoogleを利用しているユーザーは比較的検索リテラシー・ITリテラシーのあるユーザーです。モバイルからのアクセスに関して言えば、iOSの方が少し多くなることさえありますし、そもそもPCとモバイルのアクセスでいうと、モバイルのアクセスが高いこともある。PCのアクセスでもMacOSの方が一般的な水準よりは多く、比較的ITリテラシーが高い層であるといえます。一方で、もうすでに検索パートナー提携は解除されていますが、一時期Googleと検索パートナー協定も結んでいたYahooは、(弊社の場合ですが)いまだにPCからのアクセスも多く、PCもWindowsユーザーが一般的な水準よりは多いです。またスマホユーザーの場合には大半がAndroidユーザーという結果が出ます。

このようなユーザー層の違いは、広告の費用対効果(ROI)に大きな影響を及ぼします。例えば、私が経営しているネット家庭教師の事業に関して言えば、Googleで検索される方は大学受験を控えた受験生「本人」が多く、Yahooで検索される方は大学受験を控えた受験生の「親御さん」です。また前者は首都圏在住者が多く、後者は地方在住者が多いのも特徴です。私達のサービスの場合だと、受験生本人がやる気になって親御さんに受講をお願いするケースと、親御さんがやる気になって受験生に受講をお願いするケースでは前者のほうが成約率が高くまた顧客生涯客単価(LTV)も高いため、前者に焦点を当てたマーケティングをするためにはとにかくGoogleに焦点を当てた出稿をするつ必要があります。

また、地域についても物理的な商品を販売するECサイトを念頭に、標準の設定では出稿対象を日本のみとしていますが、これは占い・ネット家庭教師などなどのサービスECでは大きな機会損失につながる可能性があります。現に、私が運営するネット家庭教師事業では、海外からの受講者も多く、ここですべての国と地域に設定を変更していることがそうした受講を増やすのに一役買っています。

C. 入札戦略を選ぶ画面

また、入札戦略を選ぶ画面についても、一工夫を加える必要があります。ここで「自動入札戦略」を選ぶと、クリック単価がコントロールできず、結果として無駄な広告費を空費することになりかねません。「検索ページの目標掲載位置」を重要な指標として広告を掲載することができると判断すると反射的に「自動入札戦略>検索ページの目標掲載位置」を選んでしまいがちですが、リスティング広告全体の仕組みを理解した上で冷静に考えると、この選択は必ずしも合理的なものであるとはいえません。

なぜなら、ここで「検索ページの目標掲載位置」を選んだ場合には、上位掲載を実現したいex1)「慶應 小論文」のキーホードで上位掲載が実現するのみならず、(後述する通りキーワード指定が部分一致になっていた場合ですが)たとえばex2)「慶應 偏差値」やex3)「sfc 偏差値」など冷やかしや嘲笑目的のキーワード検索でも上位表示が実現してしまうだけです。また、目標掲載位置をターゲットとした単価設定をすると不必要に高額での落札を行われる事例も経験則的に散見されます。ですから、ここでは、「個別クリック単価」を設定したほうが良いでしょう。

D. 広告出稿時間の設定

こうした顧客ターゲティングを考える上で大切なのは、広告の出稿時間です。顧客の行動パターンというものは、実はそれぞれの顧客セグメントによってかなり異なってきます。たとえば、「受験生」と「受験生の親御さん」であれば、受験生は朝早く高校や予備校に行き、夜になると帰宅しパソコンやスマホをいじるのが典型的な行動です。一方、受験生の親御さんは、特にお母様が専業主婦の場合には、パソコンやスマホを操作しているのは昼ごろであることが多いです。先程も述べたように私が展開している大学受験向けのネット家庭教師では、親御さんが受験生に受講を薦めるよりも、受験生本人が親御さんに受講をお願いするほうが成約率(CVR)と顧客生涯価値(LTV)が高いため、受験生からのお問い合わせが多くなるように心を砕かなければなりません。それを考えると、広告出稿時間の設定は大切です。私の会社の場合だと、18:00~翌2:00まではクリック単価が高くなるように設定したり、あるいは資金に乏しいスタートの時期には18:00-翌2:00までしか広告を出稿していなかったこともあります。それでも大半の受験生顧客はもれなく獲得することができるので少ない予算であるにもかかわらず大きな問題なく事業を推移させることができました。

E. 広告表示オプションの設定

また、広告表示オプションの設定にも気を配らなければなりません。なぜなら、クリック保証型広告であるリスティング広告の設定をする時に私達がまず考えなければならないのは、「いかにクリックを無駄にせず、成約にむすびつけていくか」だからです。そのために、顧客を目標となるランディングページに誘導し、ランディングページにおいては別の記事で紹介する「ワンページ・ワンゴールの原則」に沿って、顧客をお問い合わせ行動にまで誘導しなければなりません。そのために必要になることが、とにかく無駄なクリックを徹底して排除することです。その観点から考えると、下記の広告表示オプションには大きな問題点があります。

まず、一番問題になるのがサイトリンクについてです。これは設定しておかないと、Googleが勝手にサイトのあらぬ場所に誘導してくるので成約率の向上を考えると強敵です。そもそもGoogleにとっては広告主の都合など先に述べた思想背景から知ったことではなく、むしろユーザーにとっての利便性を高めることが第一という信念体系があるため、本当にいきなりサイトのあらぬところに広告段階から飛ばしてくることがよくあります。私のサイトでいえば、お客様は当然価格が気になりますから、価格のページを念入りにご覧いただく方が多いのですが、広告の一番最初から価格に飛ばされるような形の表示をされた時には難儀しました。ネット家庭教師のような高額商品については、十分な説明をしたあとに最後に価格の話をするのが業界のセオリーだったためこれには頭を悩まされたものです。

こうした自体を防ぐために常日頃からやっておかなければならないこととしては、ランディングページとは別に十分なディレクトリ構造を持ったオウンドメディアを兼ね備えることです。そうすれば、それらのオウンドメディアを回遊するユーザーの動きをGoogleが判断した上で、リスティング広告でも結果として適切なページに顧客が誘導されるようになります。また、指導料について広告の一番最初からそこに飛ぶように設定されることについては、サイトリンクを各々設定してもいかんともしがたいことでしたので、開き直って明瞭会計を心がけ、競合他社より圧倒的にお手頃な価格で、かく明瞭な価格設計を行ったことで、ランディングページを十分読まずとも、指導料のページを見ただけで成約に至るケースを生み出すようにしてきました。そもそも、最初から指導料のページを読むお客様は相当強い成約意向を持っていることも多いので、広告でいきなり指導料を出すことは決して悪いことではないのだということにも後から気付きましたこれはGoogleの判断が正しく、業界の旧来からの慣行が間違っていた例の一例といえるでしょう。

また、電話番号についても考えものです。しっかりとした対応がいつ何時もできるのであれば電話番号の公開もありだとおもいますが、24時間シフト管理をして顧客対応ができるなどの特殊な事情がないかぎり、ネットビジネスで電話番号の公開は控えたほうが無難です。平日の10:00-19:00と指定していても、いつ何時もコールを掛けるのがネットのお客様の習性ですし、そこで対応できないと相当なお怒りを被る可能性も多々あります。また、電話代行業者に24時間365日の対応を任せるのも辞めたほうが良いでしょう。やはり自社サービスの対応は自社でしかできません。自社で24時間365日の対応というまれなケースを除いては、基本的に電話番号の公開をすべきではありません。そもそもネットサービスの場合、電話で来たお客様にネットサービスを使っていただくのには相当な対応労力を必要とし、そのことが利益を圧迫するという問題もあります。

また、アプリの利用へと誘導する広告についても、そのアプリ自体が相当に操作性が高く、ダウンロード数だけでなく月あたり・週あたり・一日あたりの稼働実績も高く、反復した自社サービスの宣伝が可能であるなどの特殊な例を除いては基本的に出すべきではないと考えます。そのための一つの目安となりうるのは、アプリのロイヤリティーの高い自社エンジニアによる内製開発を実現できているかがあるでしょう。少なくともこの条件が整っていれば、いまはともかくとして将来的にはアプリが大きな宣伝媒体として機能しうる可能性はあります。なぜなら、顧客の動きに合わせてアプリの操作性を改善していくことができるからです。しかし、そう
いった特殊な状況になければ、基本的に貴重な広告クリックをアプリのDL数を上げるために空費することはおすすめしません。

レビューに関しては、無駄なクリックの空費にはつながらないので、別に設定すること自体は悪くありません。むしろ設定すべきだと思いますが、設定したからといって必ずしも広告表示がなされるわけではないということはしっかり認識してお
く必要があります。そもそもGoogle広告は、コールアウトなどもそうですが、

(1) 相当量の出稿がある
(2) クリック率・クリック後のユーザーの滞在時間などのクオリティーが高い

などの条件を満たさない限りは、それほど多くの情報量が掲載されるわけではないということは十分に認識する必要があります。

そうした背景を認識した上でのコールアウトの話になりますが、これは無駄なクリックを生むものではないので、どんどん設定していったほうが良いでしょう。いろいろなコールアウトを設定した上で、最終的にはGoogleがユーザーの動きに合わせて適切なコールアウトを表示してくださるため、我々は設定さえしたら「良きに計らえ」でただユーザーの動きを追って、適切な施策をするだけで大丈夫です。えてしてユーザーのニーズというのは、我々の当初の仮説とは違う方向に動くものですから、かといって仮説を構築しないことが大切というわけではなく、仮説を構築した上で、その妥当性を検証していくことで仮説の解像度と精度を高めていくことが重要になります。

また、広告掲載についてはそうしたことも踏まえると最適化を選択しておけば間違いありません。

4. Google広告における広告作成とその配信に際しての戦略と諸注意

また、Google広告における広告作成とその配信についてはそれほかにも様々な注意点があります。

A. 広告の作成に際して

広告の作成に際してまず考えなければならないことは、ターゲットはどこにあるのかということです。失敗する広告、もっと広く言うと失敗するオウンドメディア全体に言えることですが、ターゲットをごく一部のユーザーに絞って展開してしまい、大きなマーケットからのチャンスを逃すことが多々あります。ユーザーというものを考えた時、その分布はピラミット型であり、レベルを下げれば下げるほどその裾野は大きくひろがっているものです。それを考えると、広告のターゲットもレベルをいかにさげるかを考えてみることが大きなクリック率の向上につながることがあります。

たとえば、下記の広告は、私達が新しく参入する九州大学のAOについての広告ですが、私達は慶應・上智などの大学ではAOでの合格実績がありますが、九州大学についてはまだないため、無料で多く添削することを訴求ポイントにしています。これは一人でも合格者が出たら本当は、「2018年度も逆転合格者輩出」と書いたほうがクリック率が良くなります。三人以上合格者出たら「2018年度も逆転合格者続出」と書けばクリック率はもっと上がります。AOは形式によっては10人前後しか合格者が出ないこともあるので3人で続出と書くのは必ずしも誇大広告とはいえませんし、Googleの審査も通ります。また、広告のターゲットについては説明の部分で、「自宅浪人・仮面浪人・不登校・引きこもりからの」と書くことで、いわゆる下位層に位置するターゲットを根こそぎ確保する戦略を取ります。

多くの方は、「自宅浪人・仮面浪人・不登校・引きこもり」なんてマイナーユーザーなのでは?と考えがちなのですが、実際のところはそうでもなく、統計的にも仮面浪人・自宅浪人はいまや予備校に通っている浪人生よりも多いのです。また、不登校・引きこもりもネットサーフィンをしている高校生に限って言えば決して少なくない比率であり、またそうした層をターゲットにすることで現役の高校生の大半を占める落ちこぼれ層からの共感を得られます。かくして顧客数の最大化が実現可能になるのです。

B. キーワードの選択

また、キーワードの選択についてですが、これには一工夫必要です。キーワードの選択については、主だった検索キーワードを入れて、そのキーワードと部分一致するキーワードについてはすべて出稿するというアプローチを採用すれば特段頭を使わずに行うことができるのですが、このアプローチを採用するとほとんど関連性がないキーワードや、関連性があるにせよ顧客の目的が違うキーワード(前述した「いますぐ客」ではなく「そのうち客」「いずれは客」「なにそれ客」に加えて「嘲笑客」「冷やかし客」)にまでアプローチしてしまう危険性があり広告費を空費します。このことを考えると、キーワードについては過不足無くターゲットとするものを検討した上で、その全てを「完全一致」「フレーズ一致」で登録する必要があります。「完全一致」とはそのキーワードと完全に一致するものにしか出稿しない方法で、「フレーズ一致」は表記の揺れなどはあってもおおよそそのキーワードと一致するものにしか出稿しない方法です。

Google広告では初期設定の段階では部分一致が標準の設定になっているた
め、

(1) キーワードを全て選択する
(2) マッチタイプを変更する
(i) 部分一致マッチタイプのキーワードをすべて完全一致マッチタイプのキーワ
ードに変更する
(ii) 完全一致マッチタイプのキーワードを複製し、フレーズ一致マッチタイプの
キーワードを追加する

という処理を行う必要があります。

5. 最後に

ここまでが、効果的に「いますぐ客」からの反響を手にするためのGoogle広告の使い方でしたが、いかがでしたでしょうか?

蛇足ですが、新規事業を立ち上げるときに効果的なのは、とにかくニッチなマーケットを狙って、「完全一致」「フレーズ一致」でクリック率・問い合わせ率・成約率の高い広告を多数生み出し、その中で成約者や合格者などのなにがしかの成果が出た広告については、「部分一致」キーワードでも出稿を試みるというアプローチを行うことです。このアプローチを行うことができれば、少なくとも自由に使えるお金が月100万円ほど出てくるビジネスを立ち上げるのは個人であれさほど難しいことではありませんし、中小零細企業の経営改善を図ることも難しくはありません。

ここまでの中で、紹介できたテクニックもあれば紹介できなかったテクニックもありますが、なるべく出し惜しみをせずにすべて書ききったつもりです。しかし、一ついえることがあるとすれば、業界業態を問わず通用するリスティング広告のテクニックはさほど多くはないということです。私が専門としている教育業界に限って考えても、親御さん向けのマーケティングをする場合と受験生向けのマーケティングをする場合、あるいは中学受験・高校受験のマーケティングをする場合と、大学受験・資格受験のマーケティングをする場合、また大学受験・資格受験のマーケティングでもハイレベル大学・ハイレベル資格向けのマーケティングとそうではない大学・資格向けのマーケティングでは、その出稿先から広告の書き方まですべてが大きく異なります。

 

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