サマータイムに賛成多数という風潮、さっぱりワケがわからない

本当にやれば、大混乱確実なのに…
長谷川 幸洋 プロフィール

もっといい案がある

このコラムを書きながら、私はいまでもスッと飲み込めずに、頭が混乱する。サマータイムを実施したとして、新しい時刻で活動するシステムと、そうでないシステムが混在したら、いったいどれほど混乱するだろうか。

まして東京五輪・パラリンピックのために実施して、終わったら「やっぱりやめた」となったら、混乱が残るだけではないか。定着するまで相当、時間がかかるのは間違いない。あと2年で始まる開会式までには事実上、間に合わない可能性が高い。

 

時間を有効活用したいという話なら、サマータイムよりもっといい案がある。

それは、たとえば東京の地下鉄を24時間運行するのだ。自民党の時間市場創出推進議員連盟(河村建夫会長)は昨年、夜間の観光振興策として、地下鉄24時間運行や月曜午前を休みにする提言をまとめた(https://www.nikkei.com/article/DGXMZO25029220V21C17A2MM0000/)(http://www.mlit.go.jp/common/001222523.pdf)。

ニューヨークの地下鉄はとっくに24時間運行である。そうなれば、夜の時間をもっと活用できて、経済活性化効果もある。しかも、東京メトロや都営地下鉄、国土交通省、東京都など関係機関がその気になれば、実現できる。時計の針を動かして、社会全体を巻き込む話より、よほど現実的ではないか。観光客にも喜ばれるに違いない。

その前に「自分だけのサマータイム」で早起きすれば、もっと簡単だ。この猛暑である。早く出社した人には、会社も柔軟になって、ぜひ早い退社を認めるべきだ。私も今日は早起きして、このコラムを書き上げた。