ソフトバンクおよびウィルコム沖縄は、ワイモバイルの新商品として「かんたんスマホ」(705KC)を本日(8月9日)発売しました。
カラーはライトブルーとライトピンクの2色。公式オンラインショップでの価格は一括6万156円、料金プランは既存のスマホプランS/M/Lから選択できます。さらに60歳以上の人が同端末を購入した場合は、すべての国内通話が話し放題になるキャンペーン「60歳以上 通話ずーっと無料キャンペーン」に加入できます(詳しくは後述)。60歳以上は通話無料に。ワイモバ「かんたんスマホ」は誰にオススメか
このタイミングでシニア向け市場に参入する理由とは
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製造元は、auブランドでタフネススマホ「TORQUE G03」や「かんたんケータイ」を展開している京セラです。
サポート機能が充実
「かんたんスマホ」は、わかりやすい独自のホーム画面に大きな文字表示、押しやすい3つの物理ボタンを備えたシニア向けスマホ。ネットにつながらなくなったり、着信音が鳴らなくなるなどの不具合が発生した際、押すだけで自動で症状を診断し、解決してくれる「押すだけサポート」機能を搭載します。それでも問題を解決できない場合は、専用のカスタマーセンターに電話で問い合わせが可能。
60歳以上は通話がずっと無料に
「かんたんスマホ」の目玉的なキャンペーンが、60歳以上の人が同端末を購入した場合、固定電話や他キャリア宛てを含むすべての国内通話が話し放題になるという「60歳以上 通話ずーっと無料キャンペーン」です。具体的には、国内通話かけ放題の「スーパーだれとでも定額」の月額料1000円が無料になるというもの。「スーパーだれとでも定額」への申し込みが別途必要となります。
対象外になるのは、国際ローミングや海外への通話、留守番電話センターへの通話、着信転送サービスにおける転送先への通話料、ナビダイヤル(0570)などです。
なぜ今ワイモバからシニア向けスマホ?
2018年8月1日に開催された記者発表会で、ソフトバンク Y!mobile事業推進本部 本部長の寺尾洋幸氏(以下、寺尾氏)が「かんたんスマホ」を取り扱う理由を説明しました。ワイモバイルは2014年8月1日からサービスを開始。前身となるイーモバイルの安価な通信価格設定を引き継ぎつつ、さらにGoogleのNexusシリーズをいち早く国内で取り扱った点などで、通信料に敏感なユーザーのみならず、開発者や先進性を求める人もターゲットにしていました。
最近ではGoogle純正アプリだけを厳選して搭載するAndroid Oneシリーズや、アップルのiPhoneシリーズを取り扱うなど、ターゲット層を着実に広げている印象があります。
寺尾氏は、ワイモバイルの取り組みはまだ「道半ば」であり、2018年8月1日で4周年を迎えることを機に、料金プラン内容や既存サービスの内容を見直すと同時に「かんたんスマホ」の取り扱いに踏み切った、と述べました。
寺尾氏は、総務省やネオマーケティングの調査データを紹介し、60代のスマホ利用率が4割を超えていることや、実際にスマホを利用した60歳以上の約8割がスマホの操作で悩んだ経験がある、と回答していることを指摘しました。
また、2018年4〜6月間において、ワイモバイルカスタマーセンターへかかってきた技術的な問い合わせは60歳以上が多いという調査結果も開示しました。
寺尾氏はこうした点から、シニア層からの問い合わせが少なくなるような端末、誰でもかんたんに使える端末を作りたく、今回、「かんたんスマホ」企画・開発するに至ったとしています。
お得感で攻めるワイモバ
発表会では、ワイモバイルの特徴であるお得な回線使用料という点をさらに強化する施策も発表されました。これは2018年9月1日から料金はそのままで、スマホプランの月間データ容量を増量するというもの。
ワイモバは従来より、1回10分以内の国内通話であれば何回かけても通話料0円となり、なおかつ基本使用料に組み込まれているという、お得感が高く、かつシンプルな料金システムで支持を集めてきましたが、今回の施策でお得感をますます強めることととなります。
その上で「かんたんスマホ」を取り扱うことは、格安スマホサービスを展開する競合他社にとっても脅威になりそうです。
さらにワイモバが力を入れるサービス連携も、Tポイントが通常よりも多く貯められたり、「Yahoo! JAPAN」のサービスを使えば使うほどデータ容量が翌月にプラスされるなど、強化していくとのことなので、この点からも消費者から注目されそうです。
もちろん秋冬商戦の新端末も、ワイモバブランドのiPhoneシリーズの動向も含めて気になりますね。
こんな人にオススメ
このように、ワイモバ版「かんたんスマホ」は、ワイモバの強みである回線料のお得感をさらに強めつつ、サポート面にも配慮したスマートフォンとなっています。スマホに高額な料金を払いたくない人や、使い方に不安があるなどの理由でスマホデビューをためらっている人はもちろん、やっぱり携帯は通話がメイン......という60代の方にとって、非常に魅力的な選択肢となる1台と思います。