Photographer: Christopher Lee/Bloomberg

ロボットやAI、テーマ別ETFにゴールドマンや大手金融が参入

  • 通常の株式ファンドに比べ、比較的高い手数料が金融機関に魅力
  • 人類の進化といったテーマも-宇宙・深海やクリーンパワーに加え

3兆6000億ドル(約399兆円)の上場投資信託(ETF)の世界で、話題が先行気味で主流ではなかった分野にゴールドマン・サックス・グループステート・ストリートなどの大手金融機関が参入しつつある。

  当局への届け出によると、両社はロボット工学から宇宙・深海探査に至るさまざまな投資テーマに基づくETFを計画している。ただ、良いタイミングとは言えないかもしれない。こうしたテーマ別ETFからはここ数カ月、特に人工知能(AI)やロボット工学に焦点を絞ったものを中心に、資金が流出しているからだ。

  投資の焦点を絞ったテーマ別ファンドは長らくスタートアップ企業の領域で、目立たずともそれなりの手数料を徴収しながら運用資産を膨らませてきた。この分野に超大手が参入する背景には、通常の株式ファンドでは手数料収入が1000ドルの投資に対して最低わずか30セントと少ないほか、目新しい投資戦略が見いだしにくくなっている現状がある。

  ブルームバーグ・インテリジェンスのシニアアナリスト、エリック・バルチュナス氏は「テーマ別ETFは一笑に付す株式投資からビッグビジネスに変貌し、金もうけの機会を嗅ぎつけた大物を引き付けた」と説明した。

  世界最大の資産運用会社ブラックロックが6月に開始した「iシェアーズ・ロボティクス・アンド・アーティフィッシャル・インテリジェンスETF」の手数料は1000ドルの投資に対して4.70ドル。ステート・ストリートが昨年12月に設定した3本のテーマ別ETFは4.50ドル。同社はさらに3本を開始する予定で、7日の届け出によれば、投資先は宇宙・深海の探査に絡むイノベーションをもたらす製品・サービスを生む企業、クリーンパワー関連企業、ロボット工学・AI・自動技術を開発する銘柄。ゴールドマンは5本を計画し、3日の届け出で「データ主導の世界」や「人類の進化」をテーマの一部に掲げている。

原題:State Street, Goldman Look to Robotics as Theme ETFs Come of Age(抜粋)

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