カリフォルニア州最大の山火事、8月いっぱいは燃え続ける=当局
米カリフォルニア州森林保護防火局は7日、同州メンドシーノ郡で拡大している山火事について、8月いっぱいは鎮火の見込みがないと発表した。
「メンドシーノ・コンプレックス」と名付けられたこの山火事は6日、同州史上最大規模になったと発表されたばかり。すでにロサンゼルスとほぼ同じ広さの約1180平方キロメートルに延焼しているが、このうち消火されたのは3分の1程度だという。
強風と乾燥した気象が続く中、カリフォルニア州の消防隊は18件の大きな山火事の消火に当たっている。
当局は当初、8月半ばまでの鎮火を目指していたが、現在は9月初めまでかかる見込みとしている。
火は主に農村地域に燃え広がっているが、これまでに75件の建物が破壊され、数千人が避難を余儀なくされた。
さらに北部で燃え広がっている別の山火事「カー」では少なくとも7人が亡くなり、1500件以上の建物が破壊されている。
「カー」はすでに約650万平方キロメートルを焼いており、6日夜までに47%が鎮火された。
カリフォルニアではさらに山火事が発生しており、消防隊に重労働を強いている。
同州南部で発生した山火事「ホーリー」は6日に大きく拡大し、ハイキングを楽しんでいた2人が空から救出された。
クリーブランド国立森林公園の当局はツイッターで、「山火事ホーリーが拡大し、周辺からもよく見えるようになった。トラブコ渓谷とホーリー・ジム渓谷には強制避難勧告が出ている」と説明した。
消防隊の活動状況は?
少なくとも1万4000人の消防士が同時発生している山火事の消火に当たっている。
消防士に加え、米陸軍兵士と、1000人以上の服役囚も消火に駆り出された。凶悪事件で服役しているのではない、危険性が低いとされる服役囚らはボランティアとして活動しているが、日当2ドル(約222円)に加え、時給1ドルの報酬を得ている。
また、オーストラリアとニュージーランドの消防士もカリフォルニア州へ派遣され、山火事対策の知識を共有している。
山火事の発生原因は?
メンドシーノの山火事の原因については分かっていない。
一方、山火事「カー」については、タイヤのパンクが原因だと判明した。当局によると、7月23日に自動車のホイールがアスファルトに当たった時の火花が山火事へと発展し、2週間たった現在も燃え続けているという。
山火事の命名方法
米国では、ハリケーンには上陸前にアルファベット順のリストから名前が付けられる。一方、山火事は行き当たりばったりに命名される。
消防署や、時には最初に現場に着いた消防士が、近くのランドマークから名前の発想を得る。
例えば「カー」は、カー・パワーハウス・ロードの近くで発生したためこの名前が付けられた。
「メンドシーノ・コンプレックス」は、メンドシーノ郡で発生し、2つの山火事が組み合わさったことから、複数のものが組み合わさったものという意味の「コンプレックス」と呼ばれるようになった。