モモンガ様自重せず   作:布施鉱平
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 ツアレが攫われた。
 セバスは怒り、ソリュシャンは激怒し、そしてアインズ様は────


モモンガ様、王国で自重せず下(後)

◇攫われたツアレ────

 

 

「どうやら、ツアレは囚われていた娼館の上位組織である八本指に攫われたようです」[セバ]

 

「どうされますか? セバス様」[ソリュ]

 

「無論、助けに行きます」[セバ]

 

「はい、それがよろしいかと。アインズ様がその尊い御名の下に庇護を約束された存在が攫われたのです、許す訳にはいきません」[ソリュ]

 

「…………随分とツアレに対する認識が変わったようですね、ソリュシャン」[セバ]

 

「ツアレそれ自体はどうでもよいのです。アインズ様の庇護下にあるものを攫った、その愚劣極まりない行為が許しがたい! そして何より、何より…………!」[ソリュ]

 

「何より?」[セバ]

 

「私が受けるはずのご寵愛が先延ばしにされたことが、何より許せない!!!」[ソリュ]

 

「……………………」[セバ]

 

「アインズ様にメッセージを送ります!!」[ソリュ]

 

「あっはい」[セバ]

 

 

 

◇ツアレ攫われるの報を受けたナザリックでは────

 

 

「なんだと!?」

 

「アインズ様? どうかされたのですか?」[アル]

 

「ソリュシャンからの伝言(メッセージ)だ。ツアレが攫われた」

 

「まあ。ツアレというのは確か、セバスが拾ったという人間でございましたね」[アル]

 

「そうだ。しかも、私がこの名の下に庇護を約束した存在。それを攫うとは…………!!」

 

「直ぐに殲滅の準備を! …………あっ」[アル]

 

「どうした? アルベド」

 

「先ほど頂いたお情けが、外に溢れてしまいました…………////」[アル]

 

「…………あ、ああ、そうか」

 

「で、す、の、で、もう一度お願いします!!」[アル]

 

「え、今?」

 

今すぐにです!」[アル]

 

「あっはい」

 

 

 

◇悪魔と愉快な仲間たち(レベル100多数)────

 

 

「と、いうわけで、動けないアルベドの代わりに今回の全権指揮を任されました。なにか異論のある者は?」[デミ]

 

「ございません」[セバ]

 

「もちろんないよ!」[アウ]

 

「あ、ありません!」[マレ]

 

「ございません」[ソリュ]

 

「ございませんわぁ」[エン]

 

「異論はありんせんが…………『と、いうわけで』と言いつつ説明は何もなし…………なぜアルベドは動けないでありんすか?」[シャル]

 

「あ、それはあたしも気になった」[アウ]

 

「ぼ、ぼくも…………」[マレ]

 

「大人の事情です」[デミ]

 

「「……………………」」[ちびっこ三人]

 

「アルベドは今頃ナザリックで逆立ちをしている、とだけ言っておきましょう。さ、他に質問がなければ説明に移りますよ」[デミ]

 

「「……………………?」」[男胸二人]

 

「……………………////」[マーレ]

 

「お願いします、デミウルゴス」[セバ]

 

「では…………さて今回の目的は、第一にアインズ様の庇護下にある人間、ツアレを愚かにも攫った八本指という組織への誅殺。第二にその攫われたツアレの奪還。第三に王国で進行中の計画を一手先に進めることです」[デミ]

 

「王国で進行中の計画、とは一体何なのでしょうか。デミウルゴス」[セバ]

 

「ふむ…………まあ、伝えてもいいのですが、今回ツアレの奪還に関してはあなたに一任するつもりなのです、セバス。ツアレがアインズ様の庇護下に置かれた存在である以上、暴行や殺害といった手段を取られる前に迅速に奪還したい。彼女が復活に耐えられる強さを持っているとは思えないのでね」[デミ]

 

「それについては全面的に同意いたいします」[セバ]

 

「なのでセバスとソリュシャンには、一足先にツアレの救出に向かってもらいたいのだよ。手遅れになる前にね」[デミ]

 

「了解いたしました。私とソリュシャンは先行させて頂きます」[セバ]

 

「お願いするよ。そして、君たちはツアレを確保しだいナザリックに戻ってくれ。セバスにしろソリュシャンにしろ、その方が都合がいいだろう?」[デミ]

 

「「ご配慮頂き、ありがとうございます! では、行ってまいります!」」[セバ、ソリュ]

 

「……………………な、なんでありんすか? あの二人の気合の入りよう…………」[シャル]

 

「う、うん。すごい速さで消えていったね」[アウ]

 

「び、びっくりしました…………」[マレ]

 

「二人とも、早くナザリックに帰りたいのですわぁ」[エン]

 

「なにか知っているでありんすか? エントマ」[シャル]

 

「セバス様はぁ、ツアレのことをすごく心配してましたから、取り返したらすぐに安全な場所に連れて行きたいのだと思いますぅ。そしてソリュシャンはぁ、アインズ様のご寵愛を頂けるはずだったのがお預けになっているのですぅ。身を清めるのにも時間がかかりますし、早く帰りたいのは仕方ないと思いますわぁ」[エン]

 

「ああ、それなら仕方ないね。セバスの気持ちは全然分からないけど、ソリュシャンはそりゃ早く帰りたいよ」[アウ]

 

「そ、そうです。ぼくだってそんなことになったら、は、早く帰ってアインズ様に甘えたいと、お、思います////」[マレ]

 

「い、いつの間にソリュシャンがご寵愛を受けることが決まったでありんすか?」[シャル]

 

「つい数時間前ですよ。王都での働きと、セバスのことで苦労を掛けた分だと仰って、アインズ様のご寵愛とは別に幾人かの人間も与えられることが決まっています」[デミ]

 

「羨ましいですわぁ」[エン]

 

「それはどっちに対して?」[アウ]

 

「もちろん、どちらもですわぁ」[エン]

 

「エントマも今回頑張れば、アインズ様からご褒美を頂けるかも知れませんよ」[デミ]

 

「頑張りますぅ!」[エン]

 

「わ、わたしは!? わたしの活躍の場はどうなっているでありんすか!? デミウルゴス!」[シャル]

 

「ああ、シャルティア。申し訳ないんだが今回君は遊軍だ。あまり暴れないように気をつけながら遊んでいてくれ」[デミ]

 

「な、なぜ!?」[シャル]

 

「いやなに、君の〈血の狂乱〉が心配でね。今回の作戦は非常にデリケートな部分が多いから、リスクは避けさせてもらう。悪いね」[デミ]

 

「う、うぅ…………わたしの活躍…………アインズ様からのご寵愛…………」[シャル]

 

「大丈夫! アンデッドだし時間はいくらでもあるんだから、そのうち活躍する機会もあるよ!」[アウ]

 

「上から目線!!」[シャル]

 

「では話を進める。今からエントマに幻術で作り出してもらう人物は殺してはいけない。絶対にだ。重要事項なので見逃さないように。エントマ、お願いできるかな?」[デミ]

 

「畏まりましたわぁ」[エン]

 

「…………うん、よく出来ている。ありがとうエントマ。さて、先程も言ったがこの人物の殺害は厳禁だ。手傷を負わせるくらいは構わないが、手加減が苦手な者は手を出さないで欲しい。分かったかい、シャルティア」[デミ]

 

「結局名指しにするなら、最初からそう言えばいいでありんす!」[シャル]

 

「あ、あの、セバスさんにはお伝えしなくても、えっと、よろしかったんですか?」[マレ]

 

「大丈夫だよ、マーレ。セバスはこの人物と面識があるし、彼の性格上傷つけるようなことはしないだろう。…………だが一応伝言(メッセージ)は送っておくことにするよ。ありがとう、マーレ」[デミ]

 

「い、いえ。きっとアインズ様の計画に必要な人、なんだと思いますから」[マレ]

 

「その通りだ。だから繰り返し言うが、この人物には極力手を出さないように。特にシャルティア」[デミ]

 

「りょうかいでありんす!! あ、り、ん、す!!!」[シャル]

 

「(これぐらい念を押しておけば、さすがに大丈夫でしょう)では、これからそれぞれに作戦を指示していくから、各自忘れないように。アインズ様のご計画の一端だ。間違いがあってはいけないからね」[デミ]

 

「「はい!」」[アウ、マレ、シャル、エン]

 

「ああ、シャルティア、君には特に指示することはないから、ぼんやりと聞き流しておいてくれたまえ」[デミ]

 

「りょ、う、か、い、で、あ、り、ん、すーーーーー!!!!」[シャル]

 

 

 

◇六腕と童貞と剣士と竜人(あとショゴス)突入前────

 

 

「これはお二方。こんなところで会うとは奇遇ですね。どうされました?」[セバ]

 

「セ、セバス様? 貴方こそ、どうしてここに…………」[クラ]

 

「お恥ずかしい話なのですが、先日話したツアレという女性が、少し屋敷を留守にしている間に攫われてしまいまして…………これから取り返しに行くところなのです」[セバ]

 

「よし。計画変更だ。セバスさんがいるなら俺たちも突っ込むぞ」[ブレ]

 

「ちょ、ちょっと待て、さっき一旦引き返そうっていう話になったばかりだろうが」[ロック]

 

「大丈夫だ。セバスさんがいるからな」[ブレ]

 

「はい、大丈夫です。行きましょう」[クラ]

 

「え、えー…………なにその自信…………なんなのこの人、強いの?」[ロック]

 

「ああ。俺とガゼフとガガーランが三人同時に掛かって、五秒もてばいいほうだな」[ブレ]

 

「…………嘘だろ?」[ロック]

 

「いや、そんぐらい強い。…………五秒は盛りすぎたか、三秒かな…………」[ブレ]

 

「さらに減った!?」[ロック]

 

「申し訳ありません。時間が惜しいので突入します。では」[セバ]

 

「…………正面から突っ込んで行った……………………ん? あの空に舞ってるのは、ペシュリアン? あ、マルムヴィストとエドストレームも。……………………は、はは、人間って、あんなに飛ぶんだぁ」[ロック]

 

「おい、何してるロックマイヤー。今のうちに行くぞ」[ブレ]

 

「そうです、この機に潜入しませんと」[クラ]

 

「お前らにとってあれは驚愕に値しないことなのか!? 人が飛んでるんだぞ!?」[ロック]

 

「セバスさんだからなぁ」[ブレ]

 

「セバス様ですから」[クラ]

 

「…………あぁ、そうかい。世界は広いんだなぁ…………もう一度冒険者になって、世界を旅してみるのもいいかも知れないなぁ…………」[ロック]

 

「それはこの作戦が終わってからにしろ。ほら、行くぞ」[ブレ]

 

「へいへい。なんかもう、緊張感とかどっか行っちまったなぁ…………」[ロック]

 

 

 

◇六腕と童貞と剣士と竜人(あとショゴス)突入後────

 

 

「ふふふ。俺と同じモンクの爺は、見せしめとして俺が無残に殺す。まあ、うちには血の気の多い奴らが多いからな。もしかしたら今頃やりすぎて殺してしまっているかもしれんが…………」[ゼロ]

 

「…………知らないって」[ブレ]

 

「…………哀れ」[ロック]

 

「…………ですねぇ」[クラ]

 

「? な、なんだお前ら、その態度は!」[ゼロ]

 

「あのな? お前のお仲間は、俺らが突入する前にもう全滅してたぞ?」[ブレ]

 

「バカなことを言うな!」[ゼロ]

 

「いや、ほんとだって、俺もこの目で見たし」[ロック]

 

「は、ははは! そうやって俺の動揺を誘って逃げ出そうったって…………」[ゼロ]

 

「いえ、生き残ってるのはもう多分あなた一人ですよ? そこで伸びてるサキュロントは別にして」[クラ]

 

「…………お前ら、マジで言ってんのか?」[ゼロ]

 

「ああ」[ブレ]

 

「うん」[ロック]

 

「はい」[クラ]

 

「……………………」[ゼロ]

 

「おや、こちらでしたか」[セバ]

 

「(ビクゥ!)」[ゼロ]

 

「お、セバスさん。どうやらツアレさんとやらは無事に助け出したみたいだな」[ブレ]

 

「ええ、おかげさまで。で? そちらが六腕とやらの首魁ですか?」[セバ]

 

「はい、そうですセバス様。ゼロという名前のモンクです」[クラ]

 

「サキュロントはこっちで捕らえましたから、そいつで最後ですよ」[ロック]

 

「それは重畳。ではゼロとやら、選ばせてあげます。大人しく死ぬか、暴れて死ぬか、どちらでも好きな方を選んでください」[セバ]

 

「な…………舐めるなよ、この爺がーーー!! へぶぅ!!」[ゼロ]

 

「…………俺の刀を弾いたんだがなぁ」[ブレ]

 

「頭蓋骨が陥没してますね。それに背骨も飛び出てます」[クラ]

 

「あ、なんだか俺も麻痺してきたかも。この光景が普通に思えてきた」[ロック]

 

「あとあと苦労するぜ? あのガガーランすら、か弱い女に見えてくるからな」[ブレ]

 

「…………俺は童貞じゃないが…………一応気を付けておくことにするよ」[ロック]

 

「俺はラナー様一筋なので問題ないです」[クラ]

 

「おっ、言うようになったじゃないかクライム君」[ブレ]

 

「なに、クライム君ってラナー様狙いなのか? ヒュー、命知らずー」[ロック]

 

「セバス様の前に立つことに比べたら、世の中の大体はなんとかなる気がします」[クラ]

 

「それは危険な兆候かも知れないぞ? セバスさんの強さを知っているってだけで、別に俺らが強くなった訳じゃないからな」[ブレ]

 

「勿論です。容易なことだとは微塵も思っていません。ただ、覚悟ができただけです」[クラ]

 

「男だねぇ、クライム君。おじさん応援するよ」[ロック]

 

「ありがとうございます、ロックマイヤーさん」[クラ]

 

「皆さん、ご歓談中のところ申し訳ありませんが、私はツアレを早く安全なところまで連れて行かなければならないのでこれで失礼いたします」[セバ]

 

「「あらーっしたっ!!(最敬礼)」」[ブレ、クラ、ロック]

 

 

 

◇悪魔と吸血鬼と筋肉とレズ(あと蟲っ娘)────

 

 

「おい、ありゃなんだ。イビルアイの親戚か?」[ガガ]

 

逃げろ、今すぐに。どれだけ持つか分からんが、数秒は稼いでみせる」[イビ]

 

「おいおい、マジかよ。イビルアイが数秒って…………」[ガガ]

 

でかい声を出すな。実際にはその数秒すら怪しいんだ。無駄口叩いてないで今すぐ逃げろ」[イビ]

 

ガガーラン、行こう。イビルアイはマジ。あれは相当ヤバイ相手らしい」[ティア]

 

「…………っち。死ぬなよ、イビルアイ」[ガガ]

 

当たり前だ。お前たちが逃げたら、すぐに私も転移で逃げる。…………行けっ」[イビ]

 

 

 

「大丈夫ですか? ここからは私が代わりますので、先に戻って休んでいてください」[ヤル]

 

「ウゥ…………ゴ寵愛ガァ…………」[エン]

 

「…………心中お察ししますよ。さ、私たちの全てはアインズ様のもの。それを傷つけたままにしてはいけません。早く戻りなさい」[ヤル]

 

「申シ訳アリマセン…………」[エン]

 

「かまいませんよ。お行きなさい、アレらには私がしっかりと灸を据えておきますから……………………さて、お待たせしましたね。彼女と約束しましたし、しっかりと灸を据えさせていただきますよ? 少し熱めのやつをね…………」[ヤル]

 

 

 

◇王都は晴れ、時々空からモモン────

 

 

「漆黒の英雄! 私は蒼の薔薇のイビルアイ! 力を貸してくれ!」[イビ]

 

「────承知した」

 

「これは、これは、よくぞいらっしゃいました、漆黒の戦士殿。私の名前はヤルダバオトと申します。そちらのお名前をお伺いしても?」[ヤル]

 

「ふむ…………ヤルダバオトか。わかった。私の名前はモモン、アダマンタイト級冒険者、漆黒のモモンだ」

 

「アダマンタイト? おやおや、貴方がアダマンタイトということは、先ほどの者たちは身分を詐称していたと考えた方がよいのでしょうか」[ヤル]

 

「貴様…………私の仲間をどこまで侮辱すれば…………!」[イビ]

 

「事実、でしょう? 貴女の仲間は手加減された炎でゴミのように死に、貴女自身も強者であるモモン殿の後ろから吠えるだけ…………その姿を見て、どうして私が貴女たちをモモン殿と同級の存在だなどと信じられるでしょうか?」[ヤル]

 

「くっ…………」[イビ]

 

「────それぐらいにしておいてもらおう」

 

「モモン…………様…………」[イビ]

 

「お前の相手は私だ、デ────モン。お前たちは、いったいなんの目的があって王都で騒ぎを起こしている?」

 

「私たちを召喚、使役する強大なアイテムがこの都市に流れ込んだみたいでしてね。それを回収するために参った、ということになっております」[ヤル]

 

「なるほど。人間同士の争いに巻き込まれたから、と言いたいわけだな? 大体は理解した。ならば、私がそのアイテムを探し出し、お前たちに渡せばそれでいいか?」

 

「モ、モモン、様! なにを!」[イビ]

 

「なるほど、なるほど、モモン殿は強い上に聡明でいらっしゃる。本当に、なぜそこにいる頭の悪い女が貴方と同じアダマンタイト級であるのか、理解に苦しみますね」[ヤル]

 

「なら答え合わせでもしようか? ヤルダバオト。私が本当にお前の意図を理解しているのかどうか…………」

 

「不要でしょう。()()()()必ず理解してますよ」[ヤル]

 

「…………そうか?」

 

「はい」[ヤル]

 

「そうか…………」

 

「疑う余地もなく」[ヤル]

 

「…………では、最後にひとつ聞こう。戦いは避けられない、という認識でよいのだな?」

 

「ええ、私はそう思っております」[ヤル]

 

「なるほど。ならば、私はアダマンタイト級冒険者として、お前を倒す」

 

()()()倒される訳には行きませんので、抵抗させて頂きます」[ヤル]

 

「そうか────行くぞ」

 

「がんばれ…………ももんさま…………」[イビ]

 

 

 

◇イライラナーベ────

 

 

「モモン、様。なぜ先程はあいつと交渉しようなどとしたのですか?」[イビ]

 

「それは────」

 

「馴れ馴れしくモモン様に話しかけるな、大蚊(ガガンボ)」[ナベ]

 

「な…………っ!」[イビ]

 

「よせ、ナーベ」

 

「はっ、畏まりました。モモン様」[ナベ]

 

「……………………(このナーベとかいう女の態度…………もしかして、モモン様はどこかの王族か? じ、じゃあ、さっき私が抱えられたのは、正真正銘のお姫様抱っこ!?)」[イビ]

 

「私の連れが失礼を────イビルアイ殿?」

 

「あ、ああ、いえ、よいのです、モモン様。それと、私に対して敬称や敬語は不要です。モモン様は命の恩人なのですから(本物の王子様かもしれないし!)」[イビ]

 

「そう、か? うむ、わかった。ではイビルアイと呼ばせてもらう」

 

「はい! モモン様!」[イビ]

 

「……………………(イライライライラ)」[ナベ]

 

「…………ちょっと離れて仲間と話してくる」

 

「…………えっ?」[イビ]

 

 

 

◇スッキリナーベ────

 

 

「申し訳ない、話が長引いてしまった」

 

「…………(ツヤツヤ)」[ナベ]

 

「い、いえ、いいんです…………そんなことよりモモン様、あれを」[イビ]

 

「ん? あれは────〈ゲヘナの炎〉…………?」

 

「なにかご存知なのですか!?」[イビ]

 

「あ、ああ…………! そ、そう、あれこそ私が危惧し、ヤルダバオトに交渉を持ちかけようと思った理由の一つ」

 

「そ、そうなのですか? あの炎は一体…………」[イビ]

 

「あれは〈ゲヘナの炎〉という、高位の悪魔が使用可能な魔法の一つだ。幻術にも似た炎で、あれ自体には熱なく、触っても問題はない。だがあの炎に囲まれた空間には、魔法の効果が切れるまで延々と低位の悪魔が召喚され続けるという性質がある」

 

「そんな…………!」[イビ]

 

「放って置けば、王都に悪魔が溢れかえることになるだろう」

 

「そ、それなら、尚の事さっき倒してしまったほうが良かったんじゃ…………」[イビ]

 

「! い、いや、そうではない。あの〈ゲヘナの炎〉の効果が終わっても、召喚された悪魔自体は残り続けるのだ。私がヤルダバオトなら、あらかじめ王都の外であれを発動させ、別働隊として無数の悪魔を王都周辺に配置させておくだろう」

 

「…………な、なるほど。つまり不用意にヤルダバオトを倒せば、その悪魔の群れが流れ込んでくるかも知れないと、そういうことですね?」[イビ]

 

「う、む。そういう、ことだ」

 

「ようやく、理解できました。…………私は、あのヤルダバオトという悪魔の言う通りだな。頭が悪く、そして弱い…………モモン様にそのようなお考えあるとも知らず、責めるようなことを…………」[イビ]

 

「いや、いいんだ。私とイビルアイの違いは、知っていたか知らなかったか、ただそれだけのこと。これでイビルアイもあの悪魔の恐ろしさを知っただろう? もう私とお前に大きな違いなどないさ。そう自分を卑下するものじゃない」

 

「モ、モモン様…………」[イビ]

 

「モモン様、そろそろ」[ナベ]

 

「うむ。ではイビルアイ、私たちはもう行くが、もし普通の悪魔とは違う見た目のものが現れたのなら、不用意に近づかないことだ。君の倒せる相手ではないからな」

 

「えっ、モモン様…………行くとは、どこへ?」[イビ]

 

「決まっている。あの炎の中心────ヤルダバオトを倒しにだ」

 

「……………………はっ!(なにやってる! 見とれてる場合じゃないだろ!)お、お待ちくださいモモン様! 私たちに…………いえ、この国にぜひ協力していただきたい!」[イビ]

 

 

 

◇対ヤルダバオト作戦会議後、最終確認にて────

 

 

「姫、口を挟むことをお許し下さい」[クラ]

 

「どうしましたか? クライム」[ラナ]

 

(やじり)となる人物ですが、もうお一人、凄まじい戦闘能力を持つ御方を存じております。その方を探してお願いしてはどうでしょうか? おそらくあの方がいれば、作戦の成功は確実かと」[クラ]

 

「なんだ、クライム。私が推薦するモモン様では不足だとでも言うつもりか?」[イビ]

 

「いえ、そうではありません。矢の数は一本より二本。その方が確実だろうと申し上げたかったのです」[クラ]

 

「しかし、先ほどの言い方では、そのセバスとかいう人物がいればモモン様はいらないようにも聞こえたぞ?」[イビ]

 

「そのような意図はございません、イビルアイ様。ただ…………ただあの方は本当に、想像を絶する強さなのです」[クラ]

 

「モモン様以上に強い戦士などいるわけがない。私はこの目で直にその強さを見ているのだからな。断言してもいい」[イビ]

 

「いや、そうとは言い切れないぜ? 世の中には俺たちの想像もつかないような強さを持つ存在が、案外隠れているもんだ。俺は二度もそれを体験してる」[ブレ]

 

「お前がブレイン・アングラウスか。ガゼフ・ストロノーフと御前試合で互角に戦ったという」[イビ]

 

「昔のことだ。今の俺は分を知っている。強さでガゼフと互角、というのは、それほど誇るべきことでもないということもな」[ブレ]

 

「むぅ…………クライムが推薦するその人物は、お前にそこまで言わせるほどの存在なのか」[イビ]

 

「ああ、セバスさんは強い。俺の知る強さの頂点は、セバスさんと────」[ブレ]

 

「セバス?」

 

「ええ…………もしかして、モモン様はセバス様をご存知ですか?」[クラ]

 

「あ、ああ。もし私の知っているセバスが、君の言うセバスと同じなのであれば」

 

「鋼のように靭やかな肉体。銀色の髪と髭。柔らかな物腰────」[ブレ]

 

「…………猛禽のような目つきで、執事服を着た?」

 

「こいつあ驚いた。いや、逆に納得したぜ。蒼の薔薇のイビルアイが一目置くあんたなら、セバスさんと知り合いでも不思議はない」[ブレ]

 

「む、モモン様もそのセバスという人物をご存知なのですか? それはいったいどのような────」[イビ]

 

「それは私も気になるわね。イビルアイより強いモモン殿が知る人物、興味があるわ」[ラキュ]

 

「俺もぜひ聞きたいね。多分あんたは俺たちよりもセバスさんのことを知っているんだろ? なあ、あんたとセバスさん、どっちが強い?」[ブレ]

 

「当然モモン様です」[ナベ]

 

「ナーベ…………」

 

「ほぅ…………で、あんた自身はどう思うんだ?」[ブレ]

 

「…………そうだな。単純な殴り合いなら、圧倒的にセバスの方が強いだろう」

 

「「モモン様!?」」[ナベ、イビ]

 

「…………それはつまり、単純な殴り合いじゃなければ?」[ラキュ]

 

「私が負けることはない」

 

「…………っ、おいおい、マジかよ。あんたの言葉を信じりゃあ、これで三人目だぜ」[ブレ]

 

「(三人目? 俺、セバス、あと一人は誰だ?)その三人というのは────」

 

「だが、話だけで信じるわけにもいかねぇな。あんたも相当強いんだろうが、俺も念の為にセバスさんを探した方がいいと思う」[ブレ]

 

「この最下等生物(オオゲジ)が…………! 今すぐ焼き尽くして…………」[ナベ]

 

「やめろ、ナーベ。…………さて、ブレイン殿。セバスの強さを知る貴方が、私の強さを信じられないのも当然かと思う。だが、セバスは今王都にはいないのだ。捜索に人員と時間を割くのは無駄というもの────なので、私の強さを貴方が認めれば、この話はこれで終わりということでいいかな?」

 

「ああ、もちろんだ。どうする? 庭に出て────」[ブレ]

 

「いや、その必要はない(〈絶望のオーラ:レベル1〉)」

 

「うぉおおおおおお!?」[ブレ]

 

「こ、これは、あの時セバス様から感じたものと同等…………!?」[クラ]

 

「モ、モモン様…………! これほどとは…………!」[イビ]

 

「す、すごい! これが漆黒の英雄の力…………」[ラキュ]

 

「あぁ…………モモン様…………!」[ナベ]

 

「(〈絶望のオーラ:レベル1〉解除)…………どうです? 普段は抑えている私の力の一部を開放しました。これで信じて貰えましたか?」

 

「…………これで一部とか…………ははっ! いや、失礼した。上には上が居ると理解したつもりだったが、まだ認識が甘かったようだ。先程までの言葉と態度を謝罪する」[ブレ]

 

「ふぅ…………あれと同じ恐怖は、そうそうないと思っていたんですが…………はっ、ラナー様! 大丈夫ですか!?」[クラ]

 

「え、ええ、私は大丈夫よ、クライム。でもすごかったわね。あれが英雄の持つ覇気とでもいうものなのかしら?」[ラナ]

 

「ももんさま…………すごい…………」[イビ]

 

「か…………かっこいい…………(漆黒の英雄という二つ名、それを体現する全身鎧、普段は封印している力…………! こ、これは是非参考にしないと!)」[ラキュ]

 

「ふむ、どうやら認めていただけたようだな。では、私とナーベは一旦下がって準備をさせてもらう。出番が来たら呼んでくれ。その時は────闇を貫く一本の矢として、一直線にヤルダバオトのもとへ向かわせてもらおう」

 

「……………………はっ! モモン様、待ってください、私も────」[イビ]

 

 

 

◇決戦! 自作自演!(戦闘開始から数分後)────

 

 

「さて…………この部屋は安全、ということでよいのかな?」

 

「はっ、アイテムと魔法により遠視、盗聴などは完全に遮断しております。この部屋で話した内容が外に漏れるということはありません」[デミ]

 

「うむ。ならよい────そうだ、私が通ったルートは把握しているな?」

 

「はっ。既に配下の悪魔たちに、アインズ様に助けられた人間は八割以上残すように命じております」[デミ]

 

「ふっ、流石はデミウルゴス。私の考えはお見通しというわけか」

 

「とんでもございません。これも全てはアインズ様の計画の一部。私などは盤面を動き回る駒に過ぎません」[デミ]

 

「謙遜するなデミウルゴス。私は今回、お前の策を読みきれていない。それだけの計画をお前は立案したということだ、誇りに思うがいい」

 

「おお、なんと! 初めてアインズ様に知恵比べで勝てた思いです!」[デミ]

 

「ふふふ、お前であれば、いずれ私を完全に超える日が来る。期待しているぞ、デミウルゴス」

 

「ア、アインズ様…………」[デミ]

 

「それで、デミウルゴス。今回お前が立てた作戦について詳しく話してくれ」

 

「はい、畏まりました、アインズ様。まず今回の作戦には五つの利点があります」[デミ]

 

「(五つも!?)…………ふ、ふむ、そこだデミウルゴス。私は今回の利点を四つ考えていた。その残り一つが読みきれなかった分だな」

 

「なるほど、そうでございましたか。ではご説明させていただきます。私たちが『悪魔を召喚するアイテムを探す』という目的で襲撃した場所はこの王都の倉庫区となっているのですが、その倉庫区には商人たちが一時的に保管している交易品や、徴兵された民へ貸し出すための武具、八本指によって密輸された禁制の品、腐敗した貴族たちによって集められた金銭や美術品などが大量に保管されています。それをこの混乱に乗じて全て奪い、ナザリックの財とすることがまず一つ」[デミ]

 

「ふむ(すばらしいじゃないか!)」

 

「二つ目は、被害範囲を拡大させることにより『八本指襲撃も目的の一つだった』という事実から焦点を外すことが出来る、ということ」[デミ]

 

「そうだな(なるほど、なるほど)」

 

「三つ目は、ヤルダバオトという存在が人類にとって脅威であると認識させることができることです。このゲヘナの炎に囲まれた地域にいる人間の大半は、すでに倉庫区の資源と共に回収済み…………王都の人間は、間違いなくそれもヤルダバオトの仕業であると考えるでしょう」[デミ]

 

「ああ、そうだ(なるほどねー。悪名は全部ヤルダバオトが被ってくれる。そして、それを倒すことでモモンの評価は上がる…………いいこと尽くめじゃないか!)」

 

「四つ目。ヤルダバオトをモモン様が退けることで、モモン様は王国一の英雄として崇められることになるでしょう」[デミ]

 

「…………その通り、だ(あれ? 倒すんじゃなくて退けるなの?)」

 

「そして五つ目。ヤルダバオトとの決着を()()()()つけないことによって、以降もヤルダバオトという存在を利用し、人間に敵対するあらゆる行動を気兼ねなく行うことができるようになります」[デミ]

 

「…………なるほど(すごい…………! 確かにヤルダバオトが存在する限り、完全な自作自演(マッチポンプ)を何度でも繰り返すことができる!)」

 

「五つ目の利点により、ヤルダバオトは人間から魔王として認識されることになるでしょう。ただ、その強さを印象づけさせるためにも、アインズ様には最後の戦いがなるべく派手になるようご協力頂きたいのですが…………」[デミ]

 

「ああ…………それなら問題ないだろう。ここに来る前に、私の強さをこの国の主要な人物に見せつけてきた。蒼の薔薇のリーダーと…………ラナーという姫に対してな」

 

「…………! (アインズ様…………私の計画を読みきれていないなど、やはりご謙遜だったのですね。私が秘密裏にラナーと会っていたことも、おそらくご存知なのでしょう。…………ふ、ふふ、このデミウルゴス、まだまだ貴方様の足元にも及ばぬようです)」[デミ]

 

「さ、あまり時間を開けても不自然だ。そろそろ行くとするか、デミ…………いや、ヤルダバオト」

 

「はっ!」[デミ]

 

 

 

◇決戦! 自作自演!(アイ・デミ会議の裏でプレアデスたちは)────

 

 

「〈電撃(ライトニング)〉」[ナベ]

 

「ぐわぁーっす」[ルプ]

 

「…………おのれよくも、わたしのなかまをー。ダンッ! ダンッ! ダンッ!(空砲)」[シズ]

 

「きゃあー」[ナベ]

 

「…………! ナーベ、大丈夫か!?」[イビ]

 

「よそ見をしている暇があるのですかっ!? ドゴォッ!(腹部に正拳)」[ユリ]

 

「ぐはあっ!」[イビ]

 

「……………………よし、あの小さいのは遠くに吹き飛ばされていったっすね」[ルプ]

 

「ユリ、なんか張り切ってない?」[ナベ]

 

「…………ユリ、アインズ様からのご寵愛、まだだから」[シズ]

 

「私もまだっす」[ルプ]

 

「私は…………ふふっ」[ナベ]

 

「あぁあああああっ! ナーベラルが勝ち誇った顔してるっす!」[ルプ]

 

「…………わたしも、まだ…………(ギリギリッ)」[シズ]

 

「ソリュシャンはこれからご寵愛を受けるって身を清めてるし…………うぅ、経験豊富っぽい言動をしていた自分が恥ずかしいっす…………」[ルプ]

 

「…………ドンマイ」[シズ]

 

「ところで…………エントマは?」[ナベ]

 

「ああ、エントマはアインズ様に伝言(メッセージ)で療養するよう命じられたから、体を休めているっす。優しいっすよねーアインズ様」[ルプ]

 

「…………それに、すごく強いし、すごく頭がいいし、すごくかっこいい」[シズ]

 

「…………ふふっ」[ナベ]

 

「また勝ち誇ったっすね? 戦う演技とはいえ、少し力が入っちゃうかも知れないっすよ?」[ルプ]

 

「…………実弾に、交換しておく」[シズ]

 

「…………それは勘弁して欲しいわ」[ナベ]

 

「…………だいじょうぶ、峰撃(みねう)ちだから」[シズ]

 

「いや、銃で峰撃ちってなんすか!? …………あ、そろそろ戻ってくるみたいっすね」[ルプ]

 

「じゃあ、適当に攻撃してくれるかしら? 流石に無傷って訳にもいかないから」[ナベ]

 

「…………任せて」[シズ]

 

「…………あなたはいいわ、シズ。ルプスレギナ、お願い」[ナベ]

 

「任せるっす! どかーんとやるっすよ!」[ルプ]

 

「…………さっきのは謝るから、手加減してよね」[ナベ]

 

「( ・◡ु< ) 」[ルプ]

 

「ごめんってば、ねぇ、ちょっと、聞いてる?」[ナベ]

 

「あんまり痛くないようにしたいんすけど、許してほしいっす( ・◡ु< )」[ルプ]

 

「さっきからその顔はなんなの!?」[ナベ]

 

「どりゃぁあああああっす!」[ルプ]

 

「痛ぁあああああっ!」[ナベ]

 

「…………峰撃ち。ダゥンッ! ダゥンッ!(実弾)」[シズ]

 

「痛っ! ちょっ! 痛っ!」[ナベ]

 

 

 

 

◇英雄の誕生────

 

 

「やった、モモン様の勝利だ!」[イビ]

 

「…………いや、私だけの勝利ではないとも、イビルアイ。あれを見るがいい」

 

「? …………あっ、ラキュース、ティナ…………それにガガーランとティアも? そうか、皆も戦ってくれていたんだものな」[イビ]

 

「そうだとも。この場で私が心置きなく戦えたのは、他の敵を皆が引きつけてくれていたからだ。イビルアイ、もちろんお前もな」

 

「モ、モモン様…………!」[イビ]

 

「ナーベもよく頑張ってくれた」

 

「勿体無いお言葉でございます」[ナベ]

 

「────────モモン殿ーー! ヤルダバオトは!?」[ラキュ]

 

「ヤルダバオトなら、先ほどモモン様が見事に撃退された!」[イビ]

 

「…………なぜイビルアイが自慢気に言うのだ?」[ラキュ]

 

「へー、あんたがモモンってやつかい。童貞…………じゃあなさそうだな」[ガガ]

 

「私はそれよりも隣の美人が気になる」[ティア]

 

「その二人はいっぺん死んでおけ。…………あっ、もう死んでたか」[イビ]

 

「おいおい、体がダルいのを押して来てやったってのに、随分な言い草だなイビルアイ! そんなんだから()()()()()()()()処女なんだぜ!」[ガガ]

 

「ひんぬーは心も小さいのか」[ティア]

 

「お…………お前ら…………っ!」[イビ]

 

「…………すいません、モモン殿」[ラキュ]

 

「皆さん、仲がいいのですね」

 

「あはは…………ん、コホン。モモン殿、この度の働き、誠にお見事でした」[ラキュ]

 

「いえ。先ほどイビルアイにも言いましたが、これは皆の勝利。決して私だけが讃えられるべきではありません」

 

「おぉ…………流石はモモン殿! ですが、あれをご覧下さい」[ラキュ]

 

「ん…………? あれは…………」

 

「見えるでしょう、皆の誇らしげな顔が。聞こえるでしょう、貴方を讃える声が。騎士や冒険者、街の衛士、この戦いに参加した全ての者が、モモン殿のその強さと気高さに感銘を受けたのです。もちろん、私たちも例外ではありません。ですから是非我らの、そして彼らの期待に、声に、応えてやってください」[ラキュ]

 

「…………少し、恥ずかしいですね」

 

「ふふ、そういったところもモモン殿の魅力だと思いますよ」[ラキュ]

 

「(ギロリッ)きさ…………」[ナベ]

 

「コホンッ! ええ、はい、そういうことであれば、応えない訳にはいきませんね!」

 

「はい! お願いいたします!」[ラキュ]

 

「では…………うぉおおおおおおおおおおおおおお!!」

 

「「うぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」」[その場にいた全員]

 

 

 

 

 

 




◇おまけ────


「俺は、あいつの爪を切ったんだ!」[ブレ]

「えっ! セバス様やモモン様に匹敵するという存在の爪を!?」[クラ]

「おいおい、まじかよアングラウス! やったじゃないか!」[ロック]

「ああ、あの技は〈秘剣:爪切り〉と名付けよう! そしてこの刀の名は【名刀:爪切り丸】と改める!」[ブレ]

「か、かっこいいです! ブレインさん!」[クラ]

「おう! 流石はブレイン! いや、爪切り職人!」[ロック]

「よせよ、おまえら…………////」[ブレ]

「「ブレイン! ブレイン! ブレイン! ブレイン!」」[クラ、ロック]

「オオオオォォォォオオオオン!!」[スケイル・デーモン]

「やべっ! 騒いでたら悪魔に見つかった!」[ブレ]

「大丈夫です! 僕らにはブレインさんがいる!」[クラ]  

「そう! そしてブレインには【名刀:爪きり丸】と〈秘剣:爪切り〉がある! あの程度の悪魔に負けるものか!」[ブレ]

「へっ、おまえら…………よおし! 見とけよ! これが俺の、新たな力だ! 〈秘剣:爪切り〉ぃぃい!」[ブレ]

「ギヤァァァアアアアアアッ!」[スケデモ]


 ────みたいな。

 なんだかこいつらを書くのが楽しくなってしまった。

 
 あとガガーランの略で[ガガ]って書くとレデ〇ガガを想像してしまう。






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