ラヴァート・バイオグラフィー

No.11 『使者』~4神に仕える4姉妹


異黒は神々により退かれ自分達の世界へと戻された。
だが、ラヴァートの神々もその力を使い果たしていた。
神々は再び異黒が現れた時に備え、真なる神の世界へと帰る事を決めた。
そして、ラヴァートを監視するために神々は最も力のある4人の神を残した。
また、彼らに代わり世界を動かすため、ひとりの神の子を作り出した。
神の子は4人の神の意思を伝える手足となる存在を作る事を最初に考えた。
そこで、神の子は4人の神を呼び出し、話を聞く事とした。


久しぶりだな!クロウ・オーベルだ。
今回は『使者』について語ってみようと思っている。 最初の文は、神の子『カリテ』が生まれた時の話なんだがよ。
この話の中でカリテが生み出すのが、“神の使いの4姉妹”こと『使者』だ。 使者たちは、全部で4人居るって事は知っているかな?

長女“悲しき夜と魂の使者”ノワールヴァイデ
次女“光へと先導する太陽の使者”ヴァイスフォーゲル
三女“奉納の大地と情熱の炎の使者”ルージュエーステ
四女“すべてを包む空と生命の海の使者”ブルーリジット

それぞれ、アルテイルに力を与える4人の神に仕えているんだ。 ノワールヴァイデはローティア神。 ヴァイスフォーゲルはリフェス神。 ルージュエーステはゴウエン神。 ブルーリジットはファルカウ神。 何となくそれぞれがその神に仕えているイメージが合っているよな。これがカリテ最初の仕事、使者創造の話にかかわって来るんだ。

《長女・ノワールヴァイデ》

4人の神は一同に集まり、カリテの話に耳を貸した。

『4人の神々よ。私の元にお集まりいただきありがとうございます。
  さて、今回お集まりになっていただいた理由はひとつでございます。
  みなさんの手足となる僕をひとりお作りしましょう。
  神の意思をラヴァートの人々に正しく伝えるための貴方達の僕を』

すると、興味が無い様な素振りで話を聞いていたローティア神が話し出した。
『カリテ。我ら神々の子よ。僕を作り出すと言ったな? ならば、我と同じ姿をした僕を所望しよう。
  黒き翼を持った魂の管理者。そして、死の支配者を』
『承りました。では、ローティア様。貴方の所望するのは同じ姿を持った使者でよろしいのですね?』

『その通りだ。神の子よ』


さて、一番最初に生み出されたのはモチロン長女・ノワールヴァイデだ。
長髪と長い槍、夜に現れ魂を誘うと言われる使者だ。 彼女は自殺を試みる者の前に現れて、命の大切さを問い自殺を食い止めるとも言われている。
一番最初に生み出されたためにその力は強く、また決して死ぬ事のない不死の力をも有しているって話だ。 この物語の中ではローティア神と同じ姿を模して作られたとなっているが、実はこのノワールヴァイデ。彼女は様々な姿を持っており、その姿は一定でないんだ。知ってたか?
最も有名でラヴァートの人々が良く知っているのは、長髪の美女だがこれ以外にも“金髪の少年”、“翼の生えた狼”、“両目のない老婆”といった姿で伝承に現れる事もある。
どの姿が本当の姿なのか?ってのは良くわからねぇが本当の姿は隠さなければならない理由とかあるのかもしれねぇな。


《次女・ヴァイスフォーゲル》

カリテはローティア神の姿を模して最初の使者を作り出した。
『貴方の名前はノワールヴァイデ。ローティア神の使者として生み出されました。
  今後はローティア神とこれから生まれるであろう自分の妹たちと共にラヴァートを正しく導いてください』

ノワールヴァイデはカリテからの言葉を聞き、ゆっくりと頭を下げた。
『解りました。神の子カリテよ。私の主はローティア神。このラヴァートの夜と魂を司る神でございます』
そういって、ローティア神の元へと向かった。
ノワールヴァイデが近寄るとローティア神はその会合から席をはずした。
ローティア神が姿を消し、ノワールヴァイデがその場所に跪き残った。
すると、リフェス神がカリテに話しかけた。

『カリテよ。私たちの可愛い子よ。私の使者も貴方は作ってくれるというの?』
『もちろんでございます。母なるリフェス神よ』
『では、輝く光の力。私が司る太陽の力を崇める気高く汚れのない乙女を私は使者として選びたい』
『承りました。 リフェス神よ。貴方の望む使者を私は創造いたしましょう』
『よろしく頼むわ』

んな訳で2番目に使者を望んだのはリフェス神って事で、次女・ヴァイスフォーゲルが誕生する事になった。
あらゆる人々が彼女の姿を見るとその心の醜さを洗い落とされるといわれる汚れ無き力。 それを行使して、リフェスの信者を増やすのが彼女の仕事だ。
なんつーか、神懸りな力を使って信者を増やすってのはインチキな気がするんだがオレの気のせいか? また、悪魔を打ち滅ぼす神の使者として現れる物語も多く、リフェスはこのヴァイスフォーゲルをまぁこき使ってたみたいだな。

ついでに、手に持った剣と盾はラヴァートの物語の中でも有名な『フォーディーン英雄譚』に出てくる白王『アィギーナ』が使っていた聖剣と聖盾だ。よく物語や伝承に姿を現す使者といえばこのヴァイスフォーゲルだろう。 話によっては融通の利かない存在として悪役的に扱われているものあったりするんだがな。

《三女・ルージュエーステ》

そして、2番目の使者が生まれた。
『貴方は気高く汚れ無き魂を体現した乙女。名前はヴァイスフォーゲル。
  母なるリフェス神の手足となり人々を導くのです』
ヴァイスフォーゲルはその手に持った剣を掲げ声を上げた。
『私は誓います。主人であるリフェス様を永劫に護り、
そしてその意思のすべてをラヴァートの方々に伝えるという事を!』
するとリフェス神はヴァイスフォーゲルを呼び寄せ、何かを伝えた。
リフェス神の話を聞いたヴァイスフォーゲルは残された3人の神に頭を下げ、その場から姿を消した。
『ヴァイスフォーゲルには早速仕事を頼んだわ。さて、私も用は終ったので戻らせていただくわ』
そして、リフェス神もそこから姿を消した。

『あのふたりに遅れをとってしまうとは……このゴウエン不覚であったか』
と、ゴウエン神が喋った。その声を聞いたカリテは、ゴウエン神の方へと向き問いかけた。
『父なるゴウエン神よ。次は貴方の使者をお作りすればよろしいか?』
カリテの問いかけにゴウエン神は答えた。
『うむ。我が僕を創造してもらうとしよう。大地の力、自然の力を持った
力ある者を集める目をもち、彼らを捕らえる弓を持つ。そんな使者を我は欲する』
『承りました。ゴウエン神よ。貴方の望む使者は、力を見抜く目を持ち、
彼らを狩人のように狩る事が出来る使者ですね?』
『そうだ』

ゴウエン神ってのはあんまり頭が良いイメージがオレの中にはねぇんだが。そんな、ゴウエンが欲した使者ってのが、三女・ルージュエーステだ。 彼女の姿は可愛らしい女の子の姿で書かれ、またやかましいくらい良く喋る使者として表現されるな。

使者ってのは本来自分が仕える神の言葉を伝えるだけの役目でいいんだろうが、ゴウエンが望んだのは狩人のような使者。ってことで、わりと野放しにされている場合が多いみたいだ。
そんなもんだから、誰からも躾けられる事もなくて自由奔放に主の仕事を護っているのがこのルージュエーステだな。
ついでに、ルージュエーステの弓は願いがかなう弓とも言われててな。まぁなんだ。恋愛成就のお守りなんかのデザインによく使われてるのを見るな。

実際のルージュエーステは恋愛とは無関係なんだが……ま、そういうのは若い連中にはかんけーねーってことか。


《四女・ブルーリジット》

ゴウエン神の呼びかけに答え、3番目の使者は誕生した。
『大地の化身たるゴウエン神の使者。 その名前はルージュエーステ。
  貴方は主人が望んだ力を見る目がある。それを使い人々を導くのですよ』
生まれたてのルージュエーステは元気に周囲を飛び回った後、カリテの前にやってきて答えた。
『うん!わかったよ、カリテ様!ゴウエンさまのためにエーステがんばっちゃうんだから!』
それを見たゴウエン神は、カリテに問いかけた。
『これが我が僕か?』
『左様でございます』
カリテはまったく何も疑問に思わずそう答えた。
『ねー、ゴウエンさま。どうします?地上でゴウエンさまが好きそうな人探してきた方がいいのかな?
  うーん、エーステ地上行くね!』
そういって、ルージュエーステはゴウエン神の答えも聞かず地上へと飛び去っていった。
その後、ゴウエン神もその場から姿を消した。
そして、そこにはファルカウ神だけが残った。

『では、最後でございます。ファルカウ神よ。最後の使者をお作りいたします』
状況を思料深く見ていたファルカウ神はゆっくりと答えた。
『朕が欲するは、先の見えぬ力。人と同じく移ろい悩み答えを探す使者を』
『承りました。人と同じ未来ある成長する使者。それをお望みですね』
『うむ』

つーことで、無口だったせいで最後まで取り残されたんじゃないのか?って思うファルカウ神の使者。四女・ブルーリジット。 彼女はとにかく小さな子供として表現され、物語などでは悩み間違った答えを繰り返すのだが最後に正解を発見する。
そんな人間の子供のような使者として書かれる場合が多い。
ファルカウ神がなんでこんな使者を選んだのか?まったくもって謎だ。謎過ぎる。

だが、その使者としての力は恐るべきモノがあり、とある暴君の住む都を水没させたって伝承がある。怒らせたら怖いってことか。 幼いからなのか、主人に似たのかあまり話をしている事はなく、その問いかけはまるで謎かけのようである。と言われている。

《使者たちとは》

ファルカウ神の望んだ最後の使者が生まれた。
『幼い使者よ。貴方はファルカウ神の使者として人々を見守り、そして更なる繁栄を望むのです。
  貴方の名前はブルーリジット。』
そこに現れた最後の使者はカリテに向かい答えた。
『わかりました。わたしはファルカウさまのために人々を調べ、
彼らがより良き方向へと進むようかんしさせていただきます』
そうするとファルカウ神はブルーリジットに語りかけた。
『ブルーよ。お前は人々を良く見て学ぶのだ。
  我ら神ではわからぬ人々特有の力をしっかりと見極めるよ』
『わかりました』
『では、我らの寝床へと帰るとしよう』
そういってファルカウ神はブルーリジットをつれてその場から姿を消した。
4人の使者を作り出したカリテもそこから姿を消した。

んな訳で、あの糞師匠が見つけた過去の物語をベースに使者の話をさせてもらったがどうだった?
まー、神の時代の存在だから明確な事が言えないんだが。こういうやり取りがあったんだろう。っていう読み物だと思ってもらえばいいと思ってるぜ。 さーって、師匠がそろそろ帰ってくるらしいがなげーっていうの!
そういう訳で次回からはオレが書かなくてもよさそうだ。 ……って何?師匠が入院したって?
なにやってんだ!あのばか! くそぉ……んじゃまぁまたオレか。とほほ。

ダメ師匠の看病もかよ!「クロウ(九朗)・オーベル」

 

次回ラヴァートバイオグラフィーは『竜族』。