登録会員限定記事 現在はどなたでも閲覧可能です

 安倍晋三首相は2018年8月7日、サマータイム(夏時間)の導入を検討するよう自民党に指示する意向を表明した。同日、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の森喜朗会長と会談し、森会長が開催期間中の暑さ対策として要請したのに応じた。複数のメディアが報じた。

Windows 7の「日付と時刻」画面。日本では「夏時間は実施されていません」と出る
(出所:日本マイクロソフト)
[画像のクリックで拡大表示]

 夏場の数カ月間、時計の針を2時間進める案が出ている。午前7時に開始予定の五輪男子・女子マラソンの開始時刻は平年の午前5時に当たり、早朝の涼しいうちに競技できるメリットがある。

 夏時間は早ければ2019年6月ごろから導入される可能性がある。導入が決まった場合、日本ではコンピュータシステムが普及してから初めてのことになる。日付・時刻に関わる全てのシステムに影響し、設定変更作業を間違えるとシステム障害を誘発する懸念がある。

 日付や時刻に関わる2000年問題や元号の変更などのたびに、IT業界はシステム改修や動作検証に追われた。サマータイムは2時間のズレが年に2度発生するためシステム内の時計を変更する作業も1年に2回必要で、より大きな影響が出るとみられる。サマータイム開始日はその日だけ1日22時間になり、夜が2時間短い。1日24時間を前提としたシステムが普段通り動作しなかったり、夜間バッチ処理が朝までに終わらなかったりする恐れがある。