最近の日経平均の動き ―― 《カナル24》は語る (最近日の1日分の記事)

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■■  条件表の使い方・設定のしかた の連載に当たって  ■■

《Qエンジン24》Ver.6の仕事がひと区切りついたので、《Qエンジン》で条件表を設定する過程でわかったことを述べていきます。今回のバージョンアップは《Qエンジン》の最後のバージョンアップです。すでに《カナル24》などのソフトのバージョンアップはもうしないと決めているので、今後大規模なプログラムを組むことはありませんが、最後の最後に条件表はこうやって作ればよいのだということが解ったのは、天啓というか僥倖であったとしか思えない。

わかったことを箇条書きにすれば、
  1. 条件表の勝率を高めようとする努力は無駄である。高い勝率は利益を上げることには繋がらない。
  2. 重要なものは「平均利益率」である。平均利益率を高めるための努力をするのが正しい。
  3. 平均利益率を高めるには、ある程度の利益(例えば20日間で+20%の利益)が出るような条件表を目標にすべきである。
  4. 平均利益率を高くするには(2日間で2%の利益)だとか(5日間で3%の利益)だとか(10日で5%の利益)といった小幅な利益を目指してはならない。
  5. よい条件表を作るには、よいトリガーを見つけ、最適化することが重要である(しかしそれには時間がかかる)
  6. トリガーはそれぞれ違う目的をもったものを数多くそろえるのがよい。《Qエンジン24》では31本のトリガー を定め、そのトリガーにオートマが局面を絞るためのチャートを付け加えることで、31本のトレード用の条件表ができた。
  7. 未来に起きることは誰もわからない。AIでも知ることはできない。だから条件表がはずれる時期は必ずでてきます。だが31本のトリガーを選択し、組み合わせることによって、損失の拡大は防げます。いくつかの条件表をまとめることによって全体の成績が安定し、損失を小さく抑えることができる。そのキーはよいトリガーである。
といったことをVer.6にのために作った条件表を題材にして述べていきます。おそらく10回くらの連載になろうかと思います。


(2018.8.7) TOPIX 1746P (+13) 日経平均 22662円 (+156) 13.2億株 (2兆1525億円)


昨日の海外株は、

(1)中国上海 -1.29%
(2)英FT100  +0.06%
(3)独DAX  -0.14%
(4)NYダウ  +0.16%
(5)ナスダック  +0.61%

海外は中国を除いて小高い。

ナスダックは小波動のボトムを表示して、小波動は上昇波動に転換した」kとを表現する。前回の下げは3日間という超短期間で終わった。

押し目買いの意欲が強かったということだが、押し目買いの気分にさせているのも、米国の中間選挙までではあるまいか。

日経平均は小反発し、株価は4平均線の上にでたけれど、出来高が13.2億株、売買代金が2.1兆円では、保合いの域を抜け抜け出たとは思われない。


【 1 】 《Qエンジン24》Ver.6 に付随しているトレード条件表の検証のしかた    ・・・1



2018年7月28日に《Qエンジン24》Ver.6をリリースしました。今回のバージョンアップの内容はこれまでとはうんと違っています。Ver.5までは《Qエンジン》を使って、ユーザーが自分の希望に沿うようなトレード条件表を設定できるようにすることを目的としていましたしたがってヘルプ゚の説明も多岐にわたる複雑なものになっていた。。

だが、今回はユーザーに、トレード条件表を一から設定してもらうことは諦めました。どうしたかというと
  1. トレードして利益がでるトレード条件表を提供する。日頃はこのトレード条件表を使って、買いがでれば買い。売りがでれば売ればよい。

  2. 明日のことがわからない相場を相手にしているのだから、負けることも多くあるが、半年くらいのトータルでは勝てるトレード条件表を提供したい。

  3. それでも時間が経過するごとに、提供したトレード条件表の成績は悪化していきます。手本にした時期の現象とは違った現象が間違いなく発生します。手本にないことが多発するようになると、提供した成績はしだいに低下していきます。

  4. このとき、ユーザーがその時期に当てはまるようなトレード条件表ができるようにしておく必要があります。だがユーザーが自分でトレード条件表を設定するには、多大な時間が必要となるし、頭がついていかないこともあるし、根気が続かないことがあるでしょう。

  5. 永遠に当たるトレード条件表はありません。熱意をもってトレード条件表を進化させていかねば、持続的に相場で勝つことはできません。しばらく(あと2~3年くらい)は、私がトレード条件表を設定して、定期的に提供する予定ですが、いつまでもできるものではありません。最終的にはユーザーの頑張りでレード条件表を作らねばなりません。
ということでVer.6は2つの目的を持っています。1つ目はすぐに使えるトレード条件表を提供することです。《Qエンジン》Ver.6には、完成しているトレード条件表が入っています。2つ目はトレード条件表をつくるためのパーツ(トリガー条件表や計算用条件表」)を揃ておくことです。これは(拡張4)に収めています。また今後有用なyトリガー条件表を多くそろえる予定です。

まず、すぐに使えるトレード条件表についていうと、
  1. 一般銘柄のトレード条件表としては、①(20日間で20%の利益)をあげることを目的とした31本の条件表。(拡張4)No.102~No.132まで

  2. ②(10日間で10%の利益をあげることを目的とした31本の条件表。(拡張4)No.142~No.172まで

  3. ③日経先物用として(5日間で2%の利益)をあげることを目的にした28本の条件表。(拡張4)No.182~No.209まで

    全部で90本のトレード条件表が入っています。

  4. だが90本のトレード条件表のすべてについて、毎日検索し、売買マークがでた銘柄をチェックすることはできません。そこで、①②③のrトリガー別のトレード条件表のなかでよい成績をあげている条件表をまとめました。「まとめ①」「まとめ②」と名づけています。1本の「まとめ①」または「まとめ②」で毎日検索すれば、翌日仕掛ける銘柄がわかります。

    ①(20日間で20%の利益)をあげる条件表にはNo.101「まとめ①」とNo.100「まとめ②」が追加されています。同じく②(10日間で10%の利益)をあげる条件表にもNo.141「まとめ①」とNo.140「まとめ②」があり、③日経先物用の条件表にもNo.181「まとめ①」とNo.180「まとめ②」があります。
右図は(20日間で20%の利益)のトレード条件表の一覧です。図のNo.100は「まとめ②」、No.101は「まとめ①」です。No.102~No.132はトリガー別のトレード条件表です(トリガー+オートマで作った条件表であり、トリガーだけが設定されている条件表ではりません)。

追い追い提供した(20日間で20%の利益) のトレード条件表はどのような成績をあげているのかなどを紹介しますが、その前にトレードのしかたについて重要なことを2つほど述べておきます。

(1) 1日に1トレードしかしない

この場合のトレードとは仕掛けのことです。(1日に1銘柄しか仕掛けない)といっても同じことです。(1日1トレード)は、1日に1回だけ仕掛ける。同じ日に複数の銘柄が同時に売買マークをだしていたときは、株価が最も高い1銘柄をトレードする、という制限です。よく勝率が95%であると 自慢する者があるけれど、同じ日に100銘柄が買いマークを出していても100銘柄全部を買うことはできません。そのうちの1銘柄を買うのが現実的なトレードです。 売買マークが出たら全部を仕掛けるという仮定は「絵に描いた餅」です。例えば
  1. 1年間に売買マークが1000個でた。(全部仕掛けるとトレード数は1000回)

  2. ある日に大震災が発し発生し。200銘柄が一斉に買いマークを出して、全部が利益をだした。(勝数は200回)

  3. また別の日に経済政策が突然に変更され、100銘柄が一斉に買いマークを出して、全部が利益をだした。(勝数は100回)

  4. 1000回のトレードのうち、その他の日(トレード数は700回)に250回は損失がでた。700回のトレードの勝数は450回です。(=1000-100-200-250=450)

  5. このときの勝率は1000回のトレードで750回利益をだしているので75%です。
(1日1トレード)の制限がついているときの勝ち数は452回です。(震災)で1勝、(政策変更)で1勝、(その他の日)に450勝。全部で452勝です。トレード数は(震災)の1回、(政策変更)の1回、(その他の日)の700回、です。勝率は64.3%(=452÷702×100)です。「絵に描いた餅」は勝率75%であったが、現実のトレードの勝率は64%です。勝率は大きく水増しされています。
    ■(1日に1トレード)の制限をつけた成績を知るには、

    1) 検証が終ったら「損益経過」にいき、
    2) 「仕掛ける銘柄数の制限」で、(銘柄数は1銘柄まで)と指示します。
    3) これで①トレード数、②累計利益、③平均利益率、④勝率などの成績は(1日1トレード)をしたときの数字になります。

(2) (建玉を決済するまで次の仕掛けはしない)

例えば「25日順位相関が-80以下のとき買い」という条件表でトレードしたとき、1)初めて-80以下になったので買い、2)翌日も-80以下だったので買い、3)その次も-80以下であったので買い、・・・と、買いマークが連続する場合があります。このとき買いマークが出るたびにトレード(仕掛け)をしていては、何度買わねばならないのかの予想がつきません。買い過ぎて仕掛ける資金が無くなることがあります。こういう仕掛けはしてはならない。

仕掛は1)初めて順位相関が-80以下になった日だけにします。この例では後に出る買いマークほど勝つ確率は高くなりますが、何度続けてマークがでるのかは予想できないので、初回のマークによって仕掛けるだけです。その後、①20日間の時間切れになったり、②20%の利食いをして、建玉がなくなったら次の仕掛けができます。要するに建玉はいつでも1銘柄、1回きりで、2つ3つと建玉を増やすことはしません。これが現実的なトレードです。
    ■(建玉を決済するまで次の仕掛けはしない)を守るには、

    実は《Qエンジン24》や《カナル24》の検証では、はじめから(建玉を決済するまで次の仕掛けはしない) というルールのもとで、トレードしています。だから、特に何かの指示をする必要はありません。

    買いの建玉があるときは買いの仕掛けをしないし、売りの建玉があるときは売りの仕掛けはしません。買いの建玉があって売りマークがでたときは、売りの仕掛けをします。(買いの仕掛けと買いの建玉)と(売りの仕掛けと売りの建玉)はセットで考えます。(買いと売り)の組み合わせでは(1日に1トレード)の制限はありません。

(3)「 ランダム200銘柄」を対象にした

    なおここで対象にした銘柄は「ランダム200銘柄」です。「ランダム200銘柄」を対象にしてトリガーを最適化し、オートマでチャートを追加しているので、「ランダム200銘柄」を対象にして検証するときが一番よい成績になります。

    「ランダム200銘柄」の結果ファイルは《Qエンジン24》の「アップデート」からダウンロードできます。
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【2-1】 No.101 まとめ① (20日間で20%の利益:利益率5%以上) の検証 ・・・2



( 1 ) No.101 「まとめ① (20D20%)」の2007年1月~2016年12月 (10年間)の成績

No.101 「まとめ①(20D20%)」は、2007年~2016年の10年間の成績がよかった9本の条件表をNo.101にまとめたものです。

成績のよい条件表とは次図の赤色〇がついているものです。No.102、No.103、No.107、No.109、No.113、No.115、No.117、が買いの条件表。No.128、No.132、が売りの条件表で、合計9本あります。これらは、2007年1月~2016年12月の10年間の検証をしたときの成績が、①トレード数が50回以上で、②平均利益率が5.0%以上 のものです。
    この検証をしている途中で、検証の対象の銘柄「ランダム200銘柄」のうちの一つが上場廃止か合併によってなくなったので、別の銘柄を追加しています。また条件表の最適化のしかたを少し変えたりしているので、現在のNo.102~No.132の検証をすると、講座No.24を書いた頃の成績の数字が今日載せる数字と少し違うものがあります。しかしよい成績を出している条件表は変更前と変更後でも変わりがありません。同じ条件表がよい条件表であるとして選ばれています。
この時期を手本にして、よい成績がでるように条件表を設定したのだから、成績(①トレード数、②平均利益率、③勝率)はよくて当たり前です。10年間で、①トレード数が30回だとか、②平均利益率が2.0%以下だとか、勝率が50%以下であるような条件表は何の役にも立ちません。

次図は手本にした時期の成績です。注目するのは①トレード数が50回以上あること、②平均利益率が5.0%以上あること、③勝率が50%以上あることです。





No.101「まとめ①」の検証をすると、上図(上)のようにどういったトレードをして、どういう結果になったのかが表示されます。図で◎印がついているものは「利食い」です。仕掛けて20日以内に20%の利益がでたトレードです。図には20回のトレードが表示されていますが、うち12回は利食い(◎)で、利食い出来なかった(-印、時間切れ)は8回です。トレードしたうちの60%は利食いができています。これくらい利食いができていないと、平均利益率が5%以上になることは難しい。

上図(下)に手本とした(10年間)の成績がまとめられています。
  1. トレード数は600回あった。平均して1年に60回のトレードをしている。

  2. 累計損益%は4308%(=43.08倍)ある。利益が出たものは再投資していませんが、10年て条件表を作ったのだから、これくらいの利益がでてもおかしくない。

  3. 平均利益率とは、1回のトレードで何%の利益が上がったかを表します。損したときの損失率と利益がでたときの利益率を通算しているので、1回のトレードで何%の利益(損失の場合もある)が出たのか一目瞭然です。この例では平均利益率は+7.18%になっています。とにかくトレードすれば1回につき+7.18%の利益がでるのだから、「打ち出の小槌」状態です。まあこれも手本に合わせた条件表であるので、特別に高い平均利益率になっているわけです。

  4. 勝率は67.7%。3回に2回は利益がでていますが、1回は損失です。それでも通算すると1回のトレードで7.18%の利益がでています。100回のトレードをして、勝率が90%であったとしても、平均利益率が1%ならば、累計利益%は90%です。

    この例では平均利益率が7.18%であるので、100回のトレードをしたときの累計利益%は718%になります。勝率90%のものの累計利益%が90%あることに較べると、累計利益%は8倍も多くなっています。勝率90%は利益の大きさを担保するものではありません。担保するのは平均利益率です。成績の項目のうちで最も重視すべきは、①平均利益率、②トレード数、③勝率 の順番です。
とにかく(10年間)を手本にして、条件表を作ると、手本の(10年間)の成績は驚くべきものになります。

もし手本にしていない時期(2017年1月以降)に、No.101の条件表でトレードしたならどうなるか? これが最重要な点です。現在は2018年7月末ですが、手本とした時期(2007年1月~2016年12月)から外れた(2017年)と(2018年7月)までの成績はどうなったのかを検証してみます。


( 2 ) No.101 「まとめ① (20D20%)」の2017年1月~2017年12月 (1年間)の成績

(次図)No.101の2017年(1年間)のトレードは17回ありました。ただ6084 アビスト(3960円)と 6753 シャープ(3260円)は、2017年1月11日に同じ買いマークをだしているので、(1日に1トレード)のルールによって株価の高い6084 アビスト をトレードすることになります。


上図は2017年のトレードをまとめたものです。トレード数が16回になっているのは、6753 シャープ のトレードが(1日1トレード)のルールによって外されたからです。
  1. トレード数は16回あった。手本とした期間では10年間で600回(1年に60回)であったので、2017年のトレード数は約27%くらいに減っています。トレード数は時がたつに連れて減ります。あるいは手本とした時期に起きていた現象が2017年にはあまり発生しなかったのも知れません。原因は不明です。

  2. 累計損益%は113.9%です。手本の時期には4308%(1年なら430.8%)の利益でした。2017年の累計利益は約26%(=113.9÷430.8×100)に減っています。これはトレード数の減少率(27%)と同じ減少であり、妥当な数字です。

  3. 平均利益率は+7.12%です。手本の10年間の平均利益率は7.18%でした。ほとんど変化していません。16回のトレードをしたので、累計利益%が113%(つまり倍増)になったのは平均利益率が手本の時期と変わず、高い利益率を維持したためです。2017年の平均利益率が手本の時期とほぼ同じであったことは、No.101条件表はある時期にトレードが集中しておらず、手本の時期と同じようにまんべんなく売買マークを出しているということです。成績が安定していることは、今後もNo.101の条件表を信頼してよいということです。、重要な評価ポイントです。

  4. 勝率は62.5%。手本の時期の67.7%よりも少し低下していますが、勝率はさほど気にする必要はありません。①平均利益率と②トレード数 のほうがはるかに重要です。

( 3 ) No.101 「まとめ① (20D20%)」の 2018年1月~2018年6月 (半年間)の成績

(次図)今日は2018年7月末です。7月末までのデータで(20日で時間切れという売買ルールによって)検証すると、7月に入ってから仕掛けたものは、まだ決着がついていないものがほとんどです。6月末までに仕掛けたトレードは全部決済ができています。つまり2018年1月~6月の半年間の成績だと思ってください。

2018年の前半6か月のトレードは9回ありました。2017年の1年間のトレードは17回だったので、No.101は1年に17~18回のトレードになるのが普通かもしれません。しかし即断はできません。


  1. トレード数は半年で9回あった。だいたい2017年のトレード数(17回)と同じです。

  2. 累計損益%は46.9%です。2017年に比べて少し悪い。

  3. 平均利益率は+5.21%です。手本の10年間の平均利益率は7.18%でしたから、約2%ほど利平均利益率は低下しています。しかし1回トレードすれば+5.2%の利益がでるというのは魅力的です。いくらでもトレードしたいと思われるでしょうが、トレードを絞っているからこそ、この高い平均利益率になっているのです。

  4. 勝率は77.8%。半年間のトレード数は9回なので、7勝2敗だったわけです。9回のトレードの1勝は勝率を11.1%動かします。もし6勝3敗になっていたら勝率は66.7%であったわけです。トレード数が100回より少ないときの勝率は信頼性がありません。勝率は50%あればよいとしておきます。
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【2-2】 No.100 まとめ② (20日間で20%の利益:利益率4 %以上) の検証    ・・・3



( 1 ) 条件表No.101が「まとめ①」で、No.100が「まとめ②」とタイトルの①②の表記と条件表No.がチグハグになっているのは、No.101に「まとめ」を設定して、No.102からトリガー別のトレード用条件表を設定していたからです。「まとめ②」を設定するつもりはありませんでした。

しかし「まとめ」の検証をしてみると、2017年のように1年間のトレード数が17回しかない場合がありました1年間のトレード数は50回はほしい。最低でも25回はほしいところです。そうなれば2週間に1回の割合でトレードできます。 そこでトレード数を増やすために、まとめる条件表( No.102~No.132のうちから選ぶ)を増加したのが「まとめ②」です。当初設定した「まとめ」は「まとめ①」になりました。

本章では「まとめ」に集結させる条件表を多くしたとき、成績はどうなるかの検証です。

「まとめ①」ではNo.102~No.132 の31本の条件表の中から①トレード数が50回以上で、②平均利益率が5.0%以上のもの9本の条件表をNo.101にまとめました。今回は平均利益率は4.0%以上へハードルを下げたので、9本の条件表に2本の条件表が加わり、合計11本の条件表をまとめてNo.100「まとめ②」としました。

追加した条件表は次図の青色〇をつけた2つです。No.106、No.118の買いの条件表が追加されています。



( 1 ) No.100 「まとめ② (20D20%)」の 2007年1月~2016年12月 (10年間)の成績

No.100 「まとめ②(20D20%)」は、2007年~2016年の10年間の成績がよかった11本の条件表をNo.100にまとめたものです。


No.100「まとめ②」の検証をすると、上図(上)のようにどういったトレードをして、どういう結果になったのかが表示されます。図で◎印がついているものは「利食い」です。仕掛けて20日以内に20%の利益がでたトレードです。図には20回のトレードが表示されていますが、うち7回が利食い(◎)で、利食い出来なかった(-印、時間切れ)は13回です。トレードしたうちの35%しか利食いできていません。

しかし(+20%で利食い)ができたとき、累計利益%は+20%が加算されます。7回利食いができておれば、累計利益%は+140%(= +20%×7回)増える勘定です。ここが(+5%で利食い)とは違うところです。+5%の利益を7回だしても累計利益は+35%(=+5%×7回)しか増えません。(+5%で利食い)としていたときは本来なら+20%以上の利益があったはずのものをみすみす見逃しています。この点でも利食いの利益率を低くすることは不利であることがわかります。

上図(下)に手本とした(10年間 )の成績がまとめられています。
  1. トレード数は660回あった。「まとめ①」に比べてトレード数は10%ほど増えている。

  2. 累計損益%は4447.3%ある。「まとめ4①」の累計利益%は4308%だったが、トレード数が10%増えた割には累計利益%は増えていない(累計利益+4308%の10%増しなら+4738になってもよい)

  3. 平均利益率は6.74%。「まとめ①の平均利益+7.18%より悪いが、利益率が0.4のものを条件表に加えた割りに平均利益率はそう落ちていない。手本した10年間の成績なので成績はよくて当然ですが、質が低いトリガーを少し混ぜ込んでも全体の成績はそう悪くなっていないことがわかったのは収穫です。

  4. 勝率は66.4%。3回に2回は利益がでていますが、1回は損失です。それでも通算すると1回のトレードで6.74%の利益がでています。
とにかく(10年間)を手本にして、基準を緩めて「まとめ②」を作りましたが、まずまず合格レベルの条件表になっています。

では手本していない時期(2017年1月以降)に、No.100「まとめ②」の条件表でトレードしたならどうなるか? これが最重要な点です。現在は2018年7月末ですが、手本とした時期(2007年1月~2016年12月)から外れた(2017年)と(2018年7月)までの時期について検証してみます。

( 2 ) No.100 「まとめ② (20D20%)」の2017年1月~2017年12月 (1年間)の成績

(次図)No.101の2017年(1年間)のトレードは17回ありましたが、 6084 アビスト(3960円)と 6753 シャープ(3260円)は、2017年1月11日に同じ買いマークをだしているので、(1日に1トレード)のルールによって株価の高い6084 アビスト をトレードすることになります。


上図は2017年のトレードをまとめたものです。しかしこの成績は「まとめ①」の2017年の成績とまったく同じものでした。「まとめ②でトレード数をふやすようにしましたが、2017年についてはその効果(影響)はまったくありませんでした。

( 3 ) No.100 「まとめ② (20D20%)」の 2018年1月~2018年6月 (半年間)の成績

(次図)2018円の前半の半年間の成績も「まとめ①」とまったく同じ成績になっていました。つまり「まとめ①」よりトレード数は10%ほど増えたはずですが、(2017年)と(2018年前半)のトレードは増えていません。



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【2-3】 No.134 まとめ③ (20日間で20%の利益:利益率3%以上) の検証    ・・・4



トレード数が10%程度増えてもまったく成績が変わらないことがわかりました。それではトリガー別のトレード用条件表の利益率を3.0%まで落として、さらに条件表を増やしてみたらということになります。

トレード数が50回以上でトリガーの利益を0.3%以上の条件表を「まとめ②」に追加してNo.134「まとめ③」としました。追加したのはNo.108(トレード数196回・利益率3.10%)の買いの条件表が1本。No.124(トレード数164回・利益率3.96%)、、No.127(トレード数178回・利益率3.14%)、No.131(トレード数99回・利益率3.68%)の 塗りの3本の売りの条件です。(【2-2】(1)No.100 「まとめ②」の図を参照)。

「まとめ③」は221という大きな条件表になりました。《カナル24》Ver.6と《Qエンジン24》Ver.6からは1本の条件表には300行の条件が設定できます。条件ファイルに格納できる条件表を999本に拡大したことと、1本の条件表に300行の条件行の設定ができるようにしたことは、実によい判断でした。条件表の本数の制限や条件表の行数の制限がほぼなくなったので、ストレスなく条件表が設定できます。No.101「まとめ①」と No.134「まとめ③」の時期ごとの成績を対比します。
  1. No.101 まとめ①・・・最初に作った条件表。トレード数50回以上・平均利益率+5.0%以上の条件表をまとめたもの。

  2. No.134 まとめ③・・・できるだけ多くの条件表をまとめ、トレード数を増やそうとした条件表。トレード数50回以上・平均利益率+3.0%以上の条件表をまとめたもの。

( 1 ) No.134 「まとめ③ (20D20%)」の 2007年1月~2016年12月 (10年間)の成績

上段の「まとめ①」のトレード数は600回あるが、下段の「まとめ③」はトレード数が減っている。これは「利食い」が少なく、「時間切れ」が多かったので、次々にトレードができなかったためと思われる。トレード数を増やすために、利食いできることが少ない、能力の劣った条件表を加えると、逆にトレード数が減ることがあるという例。

平均利益率は+7.18%→+5.05%へ低下し、累計損益%は+ 4308%→+2727%へ大きく減少している。手本にした時期の成績がこのありさまであるので、他の時期に成績がよくなるとは思えない。




( 2 ) No.134 「まとめ③ (20D20%)」の 2007年1月~2017 年12月 (1年間)の成績

手本にした10年間の成績が、手本にしていない時期になったときはどうなるかが注目点です。

平均利益率は+7.12%→5.41%へ低下したが、トレード数が16回→33回と倍増したため、累計利益%は115%→178%へ増加しています。これだとまとめる条件表を増やしたことは、まあ成功であったと思われるかも知れません。しかし1年間の成績だけではそうであると断定することはえきません、

たまたま2017年だけの成績はよかったのかも知れません。例えばで検討する2018年前半の成績はよくありません。2年連続で平均利益率が3.0%以上になるならば、「まとめ③」は安定した成績が出るとしてもよいでしょう。


( 3 ) No.134 「まとめ③ (20D20%)」の 2018年1月~2018年6月 (半年間)の成績

「まとめ③は2018年前半でも21回のトレードをしています。「まとめ①」の9回の2倍以上のトレード数です。しかし「まとめ①」の累計利益%は+46.9%あります。一方「まとめ③」の累計利益%は26.6%でしかありません。2倍以上のトレードをして、その成果は半分です。

本来、トレード数が多くなればそれに連れて成績は安定します。20回のトレードをして5回利食いがでたとしても、それはたまたまのものであるかもしれません。だが100回のトレードをして、25回の利食いができたならば、4回に1回は利食いができる。あるいは食いができる確率は25%であるといえます。無論確率の数字には幅があるので、ばらつきはあるので、20回~30回は利食いできるとすべきでしょう。だがトレード数が100回を超えるならば、統計的に意味がある確率であるといえます。

「まとめ③」はトレード数が欲しいために、「まとめ①」が5.0%以上の平均利益率と決めていたのに反し、3.0%以上の平均利益率までハードルを低くくしました。たからこのように「労多くして益少なし」となったのです。

トレード数をお多くするには、+5.0%の平均利益率を安易に低くするのではなく、+5.0%の平均利益がでるようなトリガーを探すことが正しい道筋です。


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