最近の日経平均の動き ―― 《カナル24》は語る (最近日の1日分の記事) |
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■■ 条件表の使い方・設定のしかた の連載に当たって ■■ 《Qエンジン24》Ver.6の仕事がひと区切りついたので、《Qエンジン》で条件表を設定する過程でわかったことを述べていきます。今回のバージョンアップは《Qエンジン》の最後のバージョンアップです。すでに《カナル24》などのソフトのバージョンアップはもうしないと決めているので、今後大規模なプログラムを組むことはありませんが、最後の最後に条件表はこうやって作ればよいのだということが解ったのは、天啓というか僥倖であったとしか思えない。 わかったことを箇条書きにすれば、
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(2018.8.7) TOPIX 1746P (+13) 日経平均 22662円 (+156) 13.2億株 (2兆1525億円) 昨日の海外株は、 (1)中国上海 -1.29% (2)英FT100 +0.06% (3)独DAX -0.14% (4)NYダウ +0.16% (5)ナスダック +0.61% 海外は中国を除いて小高い。 ナスダックは小波動のボトムを表示して、小波動は上昇波動に転換した」kとを表現する。前回の下げは3日間という超短期間で終わった。 押し目買いの意欲が強かったということだが、押し目買いの気分にさせているのも、米国の中間選挙までではあるまいか。 日経平均は小反発し、株価は4平均線の上にでたけれど、出来高が13.2億株、売買代金が2.1兆円では、保合いの域を抜け抜け出たとは思われない。 |
【 1 】 《Qエンジン24》Ver.6 に付随しているトレード条件表の検証のしかた ・・・12018年7月28日に《Qエンジン24》Ver.6をリリースしました。今回のバージョンアップの内容はこれまでとはうんと違っています。Ver.5までは《Qエンジン》を使って、ユーザーが自分の希望に沿うようなトレード条件表を設定できるようにすることを目的としていましたしたがってヘルプ゚の説明も多岐にわたる複雑なものになっていた。。 だが、今回はユーザーに、トレード条件表を一から設定してもらうことは諦めました。どうしたかというと
まず、すぐに使えるトレード条件表についていうと、
追い追い提供した(20日間で20%の利益) のトレード条件表はどのような成績をあげているのかなどを紹介しますが、その前にトレードのしかたについて重要なことを2つほど述べておきます。 (1) 1日に1トレードしかしない この場合のトレードとは仕掛けのことです。(1日に1銘柄しか仕掛けない)といっても同じことです。(1日1トレード)は、1日に1回だけ仕掛ける。同じ日に複数の銘柄が同時に売買マークをだしていたときは、株価が最も高い1銘柄をトレードする、という制限です。よく勝率が95%であると 自慢する者があるけれど、同じ日に100銘柄が買いマークを出していても100銘柄全部を買うことはできません。そのうちの1銘柄を買うのが現実的なトレードです。 売買マークが出たら全部を仕掛けるという仮定は「絵に描いた餅」です。例えば
1) 検証が終ったら「損益経過」にいき、 2) 「仕掛ける銘柄数の制限」で、(銘柄数は1銘柄まで)と指示します。 3) これで①トレード数、②累計利益、③平均利益率、④勝率などの成績は(1日1トレード)をしたときの数字になります。 (2) (建玉を決済するまで次の仕掛けはしない) 例えば「25日順位相関が-80以下のとき買い」という条件表でトレードしたとき、1)初めて-80以下になったので買い、2)翌日も-80以下だったので買い、3)その次も-80以下であったので買い、・・・と、買いマークが連続する場合があります。このとき買いマークが出るたびにトレード(仕掛け)をしていては、何度買わねばならないのかの予想がつきません。買い過ぎて仕掛ける資金が無くなることがあります。こういう仕掛けはしてはならない。 仕掛は1)初めて順位相関が-80以下になった日だけにします。この例では後に出る買いマークほど勝つ確率は高くなりますが、何度続けてマークがでるのかは予想できないので、初回のマークによって仕掛けるだけです。その後、①20日間の時間切れになったり、②20%の利食いをして、建玉がなくなったら次の仕掛けができます。要するに建玉はいつでも1銘柄、1回きりで、2つ3つと建玉を増やすことはしません。これが現実的なトレードです。
実は《Qエンジン24》や《カナル24》の検証では、はじめから(建玉を決済するまで次の仕掛けはしない) というルールのもとで、トレードしています。だから、特に何かの指示をする必要はありません。 買いの建玉があるときは買いの仕掛けをしないし、売りの建玉があるときは売りの仕掛けはしません。買いの建玉があって売りマークがでたときは、売りの仕掛けをします。(買いの仕掛けと買いの建玉)と(売りの仕掛けと売りの建玉)はセットで考えます。(買いと売り)の組み合わせでは(1日に1トレード)の制限はありません。 (3)「 ランダム200銘柄」を対象にした
「ランダム200銘柄」の結果ファイルは《Qエンジン24》の「アップデート」からダウンロードできます。 【2-1】 No.101 まとめ① (20日間で20%の利益:利益率5%以上) の検証 ・・・2( 1 ) No.101 「まとめ① (20D20%)」の2007年1月~2016年12月 (10年間)の成績 No.101 「まとめ①(20D20%)」は、2007年~2016年の10年間の成績がよかった9本の条件表をNo.101にまとめたものです。 成績のよい条件表とは次図の赤色〇がついているものです。No.102、No.103、No.107、No.109、No.113、No.115、No.117、が買いの条件表。No.128、No.132、が売りの条件表で、合計9本あります。これらは、2007年1月~2016年12月の10年間の検証をしたときの成績が、①トレード数が50回以上で、②平均利益率が5.0%以上 のものです。
次図は手本にした時期の成績です。注目するのは①トレード数が50回以上あること、②平均利益率が5.0%以上あること、③勝率が50%以上あることです。 No.101「まとめ①」の検証をすると、上図(上)のようにどういったトレードをして、どういう結果になったのかが表示されます。図で◎印がついているものは「利食い」です。仕掛けて20日以内に20%の利益がでたトレードです。図には20回のトレードが表示されていますが、うち12回は利食い(◎)で、利食い出来なかった(-印、時間切れ)は8回です。トレードしたうちの60%は利食いができています。これくらい利食いができていないと、平均利益率が5%以上になることは難しい。 上図(下)に手本とした(10年間)の成績がまとめられています。
もし手本にしていない時期(2017年1月以降)に、No.101の条件表でトレードしたならどうなるか? これが最重要な点です。現在は2018年7月末ですが、手本とした時期(2007年1月~2016年12月)から外れた(2017年)と(2018年7月)までの成績はどうなったのかを検証してみます。 ( 2 ) No.101 「まとめ① (20D20%)」の2017年1月~2017年12月 (1年間)の成績 (次図)No.101の2017年(1年間)のトレードは17回ありました。ただ6084 アビスト(3960円)と 6753 シャープ(3260円)は、2017年1月11日に同じ買いマークをだしているので、(1日に1トレード)のルールによって株価の高い6084 アビスト をトレードすることになります。 上図は2017年のトレードをまとめたものです。トレード数が16回になっているのは、6753 シャープ のトレードが(1日1トレード)のルールによって外されたからです。
( 3 ) No.101 「まとめ① (20D20%)」の 2018年1月~2018年6月 (半年間)の成績 (次図)今日は2018年7月末です。7月末までのデータで(20日で時間切れという売買ルールによって)検証すると、7月に入ってから仕掛けたものは、まだ決着がついていないものがほとんどです。6月末までに仕掛けたトレードは全部決済ができています。つまり2018年1月~6月の半年間の成績だと思ってください。 2018年の前半6か月のトレードは9回ありました。2017年の1年間のトレードは17回だったので、No.101は1年に17~18回のトレードになるのが普通かもしれません。しかし即断はできません。
【2-2】 No.100 まとめ② (20日間で20%の利益:利益率4 %以上) の検証 ・・・3( 1 ) 条件表No.101が「まとめ①」で、No.100が「まとめ②」とタイトルの①②の表記と条件表No.がチグハグになっているのは、No.101に「まとめ」を設定して、No.102からトリガー別のトレード用条件表を設定していたからです。「まとめ②」を設定するつもりはありませんでした。 しかし「まとめ」の検証をしてみると、2017年のように1年間のトレード数が17回しかない場合がありました1年間のトレード数は50回はほしい。最低でも25回はほしいところです。そうなれば2週間に1回の割合でトレードできます。 そこでトレード数を増やすために、まとめる条件表( No.102~No.132のうちから選ぶ)を増加したのが「まとめ②」です。当初設定した「まとめ」は「まとめ①」になりました。 本章では「まとめ」に集結させる条件表を多くしたとき、成績はどうなるかの検証です。 「まとめ①」ではNo.102~No.132 の31本の条件表の中から①トレード数が50回以上で、②平均利益率が5.0%以上のもの9本の条件表をNo.101にまとめました。今回は平均利益率は4.0%以上へハードルを下げたので、9本の条件表に2本の条件表が加わり、合計11本の条件表をまとめてNo.100「まとめ②」としました。 追加した条件表は次図の青色〇をつけた2つです。No.106、No.118の買いの条件表が追加されています。 ( 1 ) No.100 「まとめ② (20D20%)」の 2007年1月~2016年12月 (10年間)の成績 No.100 「まとめ②(20D20%)」は、2007年~2016年の10年間の成績がよかった11本の条件表をNo.100にまとめたものです。 No.100「まとめ②」の検証をすると、上図(上)のようにどういったトレードをして、どういう結果になったのかが表示されます。図で◎印がついているものは「利食い」です。仕掛けて20日以内に20%の利益がでたトレードです。図には20回のトレードが表示されていますが、うち7回が利食い(◎)で、利食い出来なかった(-印、時間切れ)は13回です。トレードしたうちの35%しか利食いできていません。 しかし(+20%で利食い)ができたとき、累計利益%は+20%が加算されます。7回利食いができておれば、累計利益%は+140%(= +20%×7回)増える勘定です。ここが(+5%で利食い)とは違うところです。+5%の利益を7回だしても累計利益は+35%(=+5%×7回)しか増えません。(+5%で利食い)としていたときは本来なら+20%以上の利益があったはずのものをみすみす見逃しています。この点でも利食いの利益率を低くすることは不利であることがわかります。 上図(下)に手本とした(10年間 )の成績がまとめられています。
では手本していない時期(2017年1月以降)に、No.100「まとめ②」の条件表でトレードしたならどうなるか? これが最重要な点です。現在は2018年7月末ですが、手本とした時期(2007年1月~2016年12月)から外れた(2017年)と(2018年7月)までの時期について検証してみます。 ( 2 ) No.100 「まとめ② (20D20%)」の2017年1月~2017年12月 (1年間)の成績 (次図)No.101の2017年(1年間)のトレードは17回ありましたが、 6084 アビスト(3960円)と 6753 シャープ(3260円)は、2017年1月11日に同じ買いマークをだしているので、(1日に1トレード)のルールによって株価の高い6084 アビスト をトレードすることになります。 上図は2017年のトレードをまとめたものです。しかしこの成績は「まとめ①」の2017年の成績とまったく同じものでした。「まとめ②でトレード数をふやすようにしましたが、2017年についてはその効果(影響)はまったくありませんでした。 ( 3 ) No.100 「まとめ② (20D20%)」の 2018年1月~2018年6月 (半年間)の成績 (次図)2018円の前半の半年間の成績も「まとめ①」とまったく同じ成績になっていました。つまり「まとめ①」よりトレード数は10%ほど増えたはずですが、(2017年)と(2018年前半)のトレードは増えていません。 【2-3】 No.134 まとめ③ (20日間で20%の利益:利益率3%以上) の検証 ・・・4トレード数が10%程度増えてもまったく成績が変わらないことがわかりました。それではトリガー別のトレード用条件表の利益率を3.0%まで落として、さらに条件表を増やしてみたらということになります。 トレード数が50回以上でトリガーの利益を0.3%以上の条件表を「まとめ②」に追加してNo.134「まとめ③」としました。追加したのはNo.108(トレード数196回・利益率3.10%)の買いの条件表が1本。No.124(トレード数164回・利益率3.96%)、、No.127(トレード数178回・利益率3.14%)、No.131(トレード数99回・利益率3.68%)の 塗りの3本の売りの条件です。(【2-2】(1)No.100 「まとめ②」の図を参照)。 「まとめ③」は221という大きな条件表になりました。《カナル24》Ver.6と《Qエンジン24》Ver.6からは1本の条件表には300行の条件が設定できます。条件ファイルに格納できる条件表を999本に拡大したことと、1本の条件表に300行の条件行の設定ができるようにしたことは、実によい判断でした。条件表の本数の制限や条件表の行数の制限がほぼなくなったので、ストレスなく条件表が設定できます。No.101「まとめ①」と No.134「まとめ③」の時期ごとの成績を対比します。
( 1 ) No.134 「まとめ③ (20D20%)」の 2007年1月~2016年12月 (10年間)の成績 上段の「まとめ①」のトレード数は600回あるが、下段の「まとめ③」はトレード数が減っている。これは「利食い」が少なく、「時間切れ」が多かったので、次々にトレードができなかったためと思われる。トレード数を増やすために、利食いできることが少ない、能力の劣った条件表を加えると、逆にトレード数が減ることがあるという例。 平均利益率は+7.18%→+5.05%へ低下し、累計損益%は+ 4308%→+2727%へ大きく減少している。手本にした時期の成績がこのありさまであるので、他の時期に成績がよくなるとは思えない。 ( 2 ) No.134 「まとめ③ (20D20%)」の 2007年1月~2017 年12月 (1年間)の成績 手本にした10年間の成績が、手本にしていない時期になったときはどうなるかが注目点です。 平均利益率は+7.12%→5.41%へ低下したが、トレード数が16回→33回と倍増したため、累計利益%は115%→178%へ増加しています。これだとまとめる条件表を増やしたことは、まあ成功であったと思われるかも知れません。しかし1年間の成績だけではそうであると断定することはえきません、 たまたま2017年だけの成績はよかったのかも知れません。例えばで検討する2018年前半の成績はよくありません。2年連続で平均利益率が3.0%以上になるならば、「まとめ③」は安定した成績が出るとしてもよいでしょう。 ( 3 ) No.134 「まとめ③ (20D20%)」の 2018年1月~2018年6月 (半年間)の成績 「まとめ③は2018年前半でも21回のトレードをしています。「まとめ①」の9回の2倍以上のトレード数です。しかし「まとめ①」の累計利益%は+46.9%あります。一方「まとめ③」の累計利益%は26.6%でしかありません。2倍以上のトレードをして、その成果は半分です。 本来、トレード数が多くなればそれに連れて成績は安定します。20回のトレードをして5回利食いがでたとしても、それはたまたまのものであるかもしれません。だが100回のトレードをして、25回の利食いができたならば、4回に1回は利食いができる。あるいは食いができる確率は25%であるといえます。無論確率の数字には幅があるので、ばらつきはあるので、20回~30回は利食いできるとすべきでしょう。だがトレード数が100回を超えるならば、統計的に意味がある確率であるといえます。 「まとめ③」はトレード数が欲しいために、「まとめ①」が5.0%以上の平均利益率と決めていたのに反し、3.0%以上の平均利益率までハードルを低くくしました。たからこのように「労多くして益少なし」となったのです。 トレード数をお多くするには、+5.0%の平均利益率を安易に低くするのではなく、+5.0%の平均利益がでるようなトリガーを探すことが正しい道筋です。 目次へ.. 中勢モデル波動.. 製品紹介 株式会社 東研ソフト2012.4.20 から... |