初めてマンションを売却される方は、何をどうして良いのか分からないと思います。
マンションの売却をするにあたっては、まずは全体の流れをざっと掴むことが重要です。
マンション売却の全体の流れとしては、以下の8つのステップに分かれます。
そこでこの記事では初めてマンションを売る人向けに、知っておくべきマンション売却の手順を1つずつ解説致します。
最後の確定申告の部分については、お得な税制特例についても記載していますので、ぜひ最後までお読みください。
この記事を、損をしないマンション売却の一助にしていただければ幸いです。
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1.売却準備
1-1.資金計画
マンションの売却では、住宅ローンが返済中の物件の場合、売却額によって住宅ローン残債が返済できるかどうかが1つのハードルとなります。
また、買い替えを行う人であれば、次の物件の頭金をどれだけ用意できるかも重要な問題です。
このように、ローン返済額や次の物件の頭金等、お金に関する計画のことを資金計画と呼びます。
最初の段階では、住宅ローン残債がいくらかを把握し、次に購入する物件はいくらくらいを希望するかといったぼんやりとした計画を立てるようにして下さい。
1-2.買い替え計画
マンションの売却では、買い替えを行う人も多いと思います。
買い替えとは、今の家を売却し、同時に新しい家を購入することです。
買い替えは、売却と購入を同時に行うため、どのような段取りで行うか、しっかりと計画する必要があります。
買い替えでは、売却を先に行う売り先行と、購入を先に行う買い先行があります。
買い先行はマンションを空の状態にしてから売却するため、売りやすくなります。
しかしながら、しばらくの間、新しい物件と古い物件の二重ローンが発生するため、経済的な負担がとても大きな買い替えの方法です。
買い先行は経済的負担が大きいため、多くの人が売り先行を選択します。
売り先行を選択した場合、今のマンションに「住みながら売る」ということになります。
住みながら家を売る場合、販売期間中、売主として内覧の対応を行います。
内覧とは、購入希望者に実際に家の中を見てもらうことを言います。
売り先行か買い先行かで、販売期間中の対応が異なります。
買い替えをする人は、最初にどちらの買い替えを行うか計画するようにして下さい。
ここでは多くの人が選択する売り先行について解説します。
売り先行では、売却と購入を同時に行いますが、「引越」のタイミングを合わせることが最大のポイントとなります。
引越のタイミングを合わせるには、売却の売買契約と購入の売買契約をほぼ同時期におこなうことが理想的です。
段取り良く行えるように、ゆとりを持った計画を立てましょう。
1-3.書類の準備
まず、以下の書類があるかどうかを確認してください。
- 権利証又は登記識別情報通知書
- 固定資産税・都市計画税納税通知書
- 分譲時のパンフレット
- 管理規約
- 使用細則
- 購入時の売買契約書
上記の1~5の書類については、引渡時でも必要となる重要な書類です。
また6の購入当時の昔の売買契約書は確定申告の際、取得費の計算で必要となります。
確定申告は売却した翌年の3月15日までに行います。
売却後、しばらくしたら使いますので、きちんと保管しておくようにして下さい。
1-4.管理費等の未納分の支払
マンションの売却で、管理費及び修繕積立金に未納がある場合には、必ず支払って無くすようにして下さい。
未納がある場合には、購入後、買主が未納部分を支払うことになります。
未納がある場合には、当然、その分が価格から値引きされます。
また、未納があるマンションは、買主が購入後すぐに支払うことになるため、大金を払ったばかりの買主にとっては大きな負担です。
そのため、管理費等の未納があるマンションは、敬遠され、なかなか売却することができません。
売却価格も安くなり、実質的には未納分以上の損失が発生します。
管理費等の未納がある人は、不動産会社に査定を依頼する前に未納の解消を行いましょう。
2.価格査定
売却準備と並行して、最初に行うのが査定です。
そこでここでは価格査定について解説します。
2-1.かしこい査定依頼のやり方
査定とは、不動産会社に依頼し、事前に売却予想価格を算出する作業になります。
査定を取る理由としては、「適正な売出価格を決めるため」と「資金計画を具体化するため」の2つです。
マンションの売却にあたっては、売出価格の設定がとても重要となります。
高過ぎれば売れませんし、安過ぎれば損をしてしまいます。
高過ぎず、安過ぎないちょうど良い価格を設定するためには、不動産会社に査定を依頼するのが適切です。
また、売却準備の中では、最初に資金計画を立てることをお伝えしました。
特に住み替えの場合、「住宅ローンを返済できるか」と、「次の物件の頭金はいくらくらい用意できそうか」ということを知るのは重要です。
資金計画を具体化するためにも、査定が必要となります。
査定は、あくまでも売却予想価格ですので、その価格でピッタリ売れるということではありません。
その価格での売却を約束するものではなく、不動産会社の一つの意見として捉えてください。
そのため、マンションの査定は客観性を持たせるために、複数の不動産会社に依頼するのが適切です。
査定額は会社によって異なるので1つの不動産会社からしか査定額を取らないと、売出価格や資金計画を見誤ることがあります。
必ず複数の不動産会社から査定額を取り、査定額にも幅があることを知ることで、自分のマンションを客観視することができます。
複数の不動産会社に査定を依頼するカンタンな方法は、NTTデータグループが運営する「不動産売却 HOME4U (ホームフォーユー)」の一括査定サービスを利用が便利です。
一括査定サービスでは、自分の売りたいマンションのエリアで実績のある不動産会社が自動で抽出され、最大6社に無料で査定を依頼することが可能です。
依頼も簡単ですし、何よりも不動産会社を自分で一から探す必要はありません。
運営会社であるNTTデータグループによる審査によって、選りすぐりの不動産会社が多数登録されていますので、ぜひご利用ください。
まずは、「不動産売却 HOME4U」で査定を依頼し、査定額を比較しましょう。
2-2.計画の見直し
査定を取った後は、資金計画を見直すことが重要です。
ここで注意をしたいのが、資金計画はあくまでも保守的な数字で計画するという点です。
「不動産売却 HOME4U」を使うと、最大で6社から査定額を受け取ることになりますが、計画の段階では低い査定額を重視して計画するようにして下さい。
住宅ローンが残っている人は、まずは一番低い査定額でもきちんと住宅ローンが返済できるかチェックします。
また、次に購入する物件も一番低い査定額を前提に頭金の額を決めておきます。
もちろん、実際に高く売却できる分にはそれに越したことはありません。
計画の段階では、高く売れれば、ラッキーと思っておくくらいがちょうど良いです。
逆に、一番高い査定額をあてにして資金計画を組んでしまうと、次の購入物件の金額を大きく修正を迫られる等の事態も生じかねません。
高く売ることを目指すことは重要ですが、計画の段階では、保守的に考えて対応するようにして下さい。
尚、売却額で住宅ローン残債が返済できない場合は、今の預貯金を合わせて返済できるかどうかを検討します。
預貯金を合わせても返済できないような場合、親族にお金を借りることができるかも検討しましょう。
それでも無理なようであれば、冷静に売却を取りやめるということも必要です。
査定額は、冷静に受け止め、計画を見つめ直すようにして下さい。
3. 不動産会社から求められるもの
マンションの売却では不動産会社から付帯設備表と告知書の記載を求められます。
記載においては、物件を良く確認する必要がありますので、付帯設備表と告知書について解説します。
3-1.付帯設備表の記載
マンションには、インターネット回線やTVモニター付きインターフォン、床暖房、24時間換気システム等の設備があります。
これらの設備の状況を記載するのが付帯設備表になります。
まず、設備の中でどれを売却の対象にするかを明確にするため、設備の「有・無・撤去」を記載します。
例えば、ウォシュレットや空調は外して、引越先に持っていくということであれば、ウォシュレットや空調は「撤去」と記載します。
売却前に何を撤去すべきか決めておくことがポイントです。
床暖房など、そもそも存在しない設備に関しては「無」と記載します。
また、TVモニター付きインターフォンのような元々付いていた設備に関しては「有」と記載します。
「有」の設備に関しては、備考欄に状況を記載します。
例えば、TVモニター付きインターフォンの場合、「音が聞こえづらい」というような不具合があれば、その内容を記載します。
故障や不具合は、売却後のトラブルを防ぐためにも、きちんと記載するようにします。
また、不具合以外にも、買主に伝えておいた方が良いと思われる事項についても記載します。
例えば「押入の扉のすべりが悪い」といった些細なことでも記載しておきます。
尚、付帯設備については瑕疵担保責任の対象外とすることが通常です。
瑕疵担保責任の対象外ではありますが、付帯設備は売却後に買主からの不具合の申出が一番多い部分です。
後から様々なクレームを生じさせないためにも、しっかりと設備の状況を記載するようにしましょう。
瑕疵(カシ)とは通用有すべき品質を欠くことを言います。
売却後、瑕疵が発見されると、買主は売主に対して損害賠償責任または契約解除を請求することができます。
売主が負うこの責任のことを瑕疵担保責任と呼びます。
瑕疵担保を負う期間としては、買主が合意すれば自由に定めることができます。
通常は、瑕疵担保期間は3ヶ月程度です。
瑕疵担保責任を一切負わないとする特約も有効です。
但し、売主がその瑕疵の存在を知っていながら買主に告げなかったものに関しては、免責したとしても、売主はその責任を免れることはできません。
よって、売却に際しては、瑕疵は全て正直に告知する必要があります。
3-2.告知書の記載
付帯設備表とは別に、売主が物件に関して知り得ていることを記載する書面を「告知書」と呼びます。
告知書で回答する内容は以下のようなものになります。
- 雨漏り
- シロアリ被害
- 傾き
- 漏水
- 住宅性能評価の取得の有無
- 耐震診断の取得の有無
- リフォームの実施の有無(例:2010年9月に和室を洋室に変更)
- インスペクションの実施の有無
- 騒音・振動・臭気
- 周辺環境に影響を及ぼすと思われる施設等(例:ゴミ焼却場等)
- 近隣の建築計画(例:向かい側に10階建てのマンション計画がある等)
- 電波障害
- 近隣との申し合わせ事項
- 事件・事故・火災等
- 管理費・修繕積立金等の変更予定(例:修繕積立金を増額予定等)
- 大規模修繕の予定
- 自治会費等
- 管理組合集会における討議事項(例:駐車場使用料の値上げ等)
告知書は付帯設備表とは異なり、瑕疵担保責任の対象となる内容です。
つまり、売主が知っているにも関わらず買主へ告げなかった場合には、瑕疵担保責任を追及されることになります。
告知書に正直に書くと、価格が下がることを心配される人がいますが、告知書に書かずに売却し、後から損害賠償責任や契約の解除を追及されたときの方が、もっと大きな損失となります。
瑕疵担保責任がある以上、売主としては真っ正直に事実を書くということが絶対条件です。
告知書に知り得る事実を全て書いた上で、高く売却することを追求しましょう。
3-3.インスペクション
マンションの売却を不動産会社に依頼すると、不動産会社からインスペクションを受けるかどうかのあっせんを受けます。
インスペクションとは建物状況調査のことです。
建物の専門家により住宅の基礎や外壁等のひび割れ、雨漏りなど構造上の安全性や日常生活への支障があると考えられる劣化や性能低下の有無の調査が行われます。
インスペクションの実施の有無やその結果については、売却時、重要事項説明の中で買主に対して説明が行われます。
重要事項説明で買主に説明されるインスペクションは、1年以内に実施されたものになります。
そのため、インスペクションを行う場合は売却の直前に行うことがポイントです。
インスペクションに合格していると、問題のない建物であることを買主へアピールすることができます。
また、インスペクションに合格したマンションは、既存住宅売買瑕疵保険に加入することができます。
既存住宅売買瑕疵保険とは、住宅の特定の部分の隠れた瑕疵が発見された場合、補修費用などの経済的な負担を保険金でカバーできるという保険です。
売主にとって、インスペクションおよび既存住宅売買瑕疵保険には、以下のようなメリットがあります。
- 瑕疵が発見された場合、売主の瑕疵担保責任の経済的負担が軽くなる。
- 保証付き住宅として買主へ安心感を与えることができる。
- 未加入であってもインスペクションに合格していれば、保険の付保が可能な物件であることのアピールができる。
- 万が一インスペクションで不合格となっても、保険加入に必要な補修方法のアドバイスをうけることができる。
また、既存住宅売買瑕疵保険が付保されている物件では、買主が不動産取得税や登録免許税、住宅ローン控除等の税制優遇を受けることができます。
買主に対して経済的メリットもアピールできます。
インスペクションの費用としては、概ね5~20万円程度です。
尚、インスペクションの実施は任意です。
インスペクションを行う場合には、不動産会社から検査会社も紹介してもらえます。
インスペクションを実施するかどうかは、不動産会社と相談してから決めるのでも遅くありません。
不動産会社の意見も取り入れながら実施を決めるのが良いでしょう。
4.媒介契約
査定を依頼した後、不動産会社に仲介を依頼することで、本格的な売却活動の開始になります。
4-1.媒介契約の種類
媒介とは、不動産会社へ依頼する買主探索の仲介・あっせんのことです。
不動産会社と締結する媒介の契約を媒介契約と呼びます。
媒介契約には、「専属専任媒介契約」、「専任媒介契約」、「一般媒介契約」の3種類があります。
それぞれの媒介契約には、以下のような違いがあります。
| 専属専任媒介契約 | 他の不動産会社に重ねて依頼ができない。自己発見取引も不可。 |
|---|---|
| 専任媒介契約 | 他の不動産会社に重ねて依頼ができない。自己発見取引は可能。 |
| 一般媒介契約 | 他の不動産会社に重ねて依頼できる。自己発見取引も可能。 |
※自己発見取引とは自分で買主を見つけてくることです。
複数の不動産会社に同時に依頼する場合には、一般媒介契約となり、1社のみに依頼する場合には専属専任媒介契約または専任媒介契約となります。
4-2.仲介手数料
仲介手数料は宅地建物取引業法により、不動産会社が受領できる上限額が決まっています。
報酬上限額は、売買される不動産の取引額に応じ、以下のように規定されています。
| 取引額 | 仲介手数料(別途消費税) |
|---|---|
| 200万円以下 | 取引額の5% |
| 200万円超から400万円以下 | 取引額の4%+2万円 |
| 400万円超 | 取引額の3%+6万円 |
多くのマンションは、売却金額が400万円超となるため、仲介手数料の上限は「取引額の3%+6万円」に別途消費税が加わったものとなります。
仲介手数料は成功報酬であるため、手付金等は一切発生しません。
また、査定にかかった費用等、仲介手数料以外の報酬も発生しません。
そのため、査定は必ず無料です。
さらに、複数の不動産会社に依頼しても、仲介手数料は売買契約を成立させてくれた不動産会社のみに支払うことになります。
一般媒介契約で複数の不動産会社に依頼しても発生する仲介手数料は1社に依頼したときと同じです。
5.販売活動
不動産会社と媒介契約を締結したら、本格的な売買活動の開始です。
5-1.販売活動中の流れ
不動産会社に売却を依頼すると、不動産会社は早速にインターネット広告やチラシ広告を実施します。
インターネット広告とは、HOME’S等のポータルサイトへの掲載です。
購入希望者はインターネットで興味を持った物件を、不動産会社に問い合わせます。
不動産会社は売主と購入希望者との間で内覧の日程調整を行います。
内覧は土日に集中することが多いです。
販売活動期間中は、極力、土日は全て内覧に対応できるように予定を組んでおきましょう。
5-2.内覧の準備
内覧の準備として、一度ハウスクリーニングで家を綺麗にしておくことをおススメします。
ハウスクリーニングはプロが見る査定の前は不要ですが、一般人が見る内覧のときは、やっておいた方が良いです。
ハウスクリーニングは1度だけで構いません。
また、内覧を行うに当たり、不要なものは捨てるようにして下さい。
捨てることができない場合には、実家やトランクルームに一時避難させておく等の対応が良いでしょう。
部屋を綺麗に見せるコツは掃除よりも、モノを無くすことです。
溢れかえるモノを減らし、部屋の中から生活感、雑然感を取り除きます。
5-3.内覧の対応
内覧当日は、以下の準備をしてください。
- スリッパを全員分用意する。
- 部屋の空気を入れ替えておく。
- 部屋の電気は全て点灯させておく。
内覧と言っても肩ひじを張ることはありません。
内覧がダメでマンションが売却できないということはほとんどありません。
売却できない理由は、「買主の予算をオーバーしている」、「周辺環境が気に入らなかった」、「他の物件の方が条件は合っていた」等の理由がほとんどです。
そのため、内覧は緊張せず、リラックスして対応するようにして下さい。
内覧の結果、金額の合意を得ると、買主から「買付証明書」が提示されます。
それに対して承諾をする場合、売主から「売渡承諾書」を返します。
6.売買契約
金額の合意を得た後は、いよいよ売買契約です。
6-1.売買契約で行うこと
売買契約は、売主と買主が顔を合わせ、売買契約書に押印を行います。
売買契約書では、買主から手付金を受領することが一般的です。
手付金は通常、売買代金の10%程度が多いです。
また付帯設備表に記載されていることをお互い確認しあいます。
売買契約が終了したら、引渡までの間に引越を行ってください。
売買契約と引渡までの間は、通常、1ヵ月ほど時間を設けます。
ゴミはトラブルの原因となるため、引越時、ゴミは一切残さないようにしましょう。
6-2.売買契約に必要な書類
売買契約で必要な書類は以下になります。
- 実印
- 印鑑証明書(3ヶ月以内)
- 本人確認資料(運転免許証等)
売買契約書には印紙を貼り付けますので、印紙代を用意する必要があります。
また仲介手数料も半額支払います。残りの半額は引渡時に支払うことになります。
7.引渡
引渡で、いよいよ今のマンションとお別れになります。
7-1.引渡に必要な書類
マンションの引渡で必要となる書類は以下になります。
- 権利証又は登記識別情報通知書
- 実印
- 印鑑証明書(3ヶ月以内)
- 固定資産税・都市計画税納税通知書
- 住民票
- 本人確認資料(運転免許証等)
- 固定資産税評価証明書
- 鍵(複製も含め全て)
- 抵当権等抹消書類(金融機関が用意します。)
- 管理費・修繕積立金の格の確認書等
- 分譲時のパンフレット
- 管理規約
- 使用細則
抵当権を抹消する場合には、司法書士に抵当権登記抹消の依頼をするため、抵当権抹消の登録免許税と司法書士費用が必要となります。
また仲介手数料も残りの半額を支払うことになります。
7-2.引渡で行うこと
引渡は、売主と買主、不動産会社、司法書士、売主の銀行担当者、買主の銀行担当者が一堂に会して行います。
引渡では、買主からの残金入金を受けます。
売主からは鍵と書類を引渡すことで完了です。
また住宅ローンが残っている場合は、残金の入金を確認次第、売主の銀行担当者から抵当権抹消書類を司法書士へ渡します。
司法書士は、その場ですぐに登記所に駆け込み、所有権移転登記や抵当権抹消登記、新たな抵当権設定登記を行います。
通常、引渡までは不動産会社が段取り良く色々な確認を取り、その日を迎えます。
引渡の日は、セレモニー的な雰囲気で終わることが通常です。
8.確定申告
確定申告は、本来、譲渡所得が発生した人が税金を納めるために行うものですが、マンションの売却の場合、節税や税金還付を受けるために行う場合もあります。
ほとんどの方が、確定申告は行った方が良いので、確定申告について解説します。
8-1.売却時の税金
最初に原則から解説します。
マンションを売却した場合、譲渡所得が発生すれば、所得税および住民税を納める必要があります。
譲渡所得とは、以下の式で計算されるものになります。
| 譲渡所得 = | 譲渡価額 - 取得費 - 譲渡費用 |
譲渡所得とは売却価格です。
取得費とはマンションの購入額ですが、建物に関しては減価償却後の価格になります。
譲渡費用とは、仲介手数料等、売却に要した費用 になります。
計算の結果、譲渡所得がプラスであれば税金が発生し、マイナスであれば税金が発生しません。
8-2.確定申告の必要性
マンションのようなマイホームは税法の中で、居住用財産と呼ばれています。
居住用財産の定義は以下の通りです。
- 現に居住している家屋やその家屋と共に譲渡する敷地の譲渡の場合
- 転居してから3年後の12月31日までに、居住していた家屋やその家屋と共に譲渡する敷地の譲渡の場合(この間に貸付や事業用に供していても適用となる)
- 災害などにより居住していた家屋が滅失した時は、災害のあった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに、その敷地だけ譲渡する場合
- 転居後に家屋を取り壊した場合には、転居してから3年後の12月31日までか、取壊し後1年以内か、いずれか早い日までに譲渡する場合(取壊し後にその敷地を貸し付けたり、事業の用に供したりすると適用外となる)
居住用財産を売却した場合、「節税ができる3つの特例」、「税金還付を受けることのできる2つの特例」があります。
- 3,000万円の特別控除
- 所有期間10年超の居住用財産を譲渡した場合の軽減税率の特例
- 特定の居住用財産の買換え特例
- 居住用財産の買換えに係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例
- 居住用財産に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例
節税ができる特例は、譲渡所得がプラスのときに用います。
税金還付を受けることのできる特例は、譲渡所得がマイナスのときに用います。
特例を適用するためには、確定申告を行う必要があります。
実際、マンションの売却では譲渡所得がマイナスとなるケースが多いですが、譲渡所得がマイナスであれば、税金還付を受けるためには、確定申告をした方が得ということになります。
尚、譲渡所得がマイナスでも、税金還付を受けたくない人であれば、確定申告をしなくても構いません。
原則として、確定申告の義務のある人は、譲渡所得がプラスで納税義務のある人だけです。
ここ数年、一部のマンションでは購入時よりも高く売れるマンションが現れています。
譲渡所得がプラスであっても、3,000万円の特別控除の特例を使うと、ほとんどの人は税金が発生しません。
3,000万円の特別控除を定期要した場合の譲渡所得の計算式は以下のようになります。
| 譲渡所得 = | 譲渡価額 - 取得費 - 譲渡費用 - 3,000万円 |
式からも分かるように、取得費から3,000万円以上高く売却されない限り、譲渡所得はプラスとはならないことになります。
現代の日本では、購入したときよりも高く売却できるケースであっても、3,000万円以上も高く売却できるマンションはほとんどありません。
そのため、たとえ高く売却できたとしても、税金の心配をすることはほぼないのでご安心ください。
マンションの売却では、譲渡所得がプラスでも、節税特例を使うために確定申告を行います。
確定申告は忘れずに行うようにしてください。
8-3.確定申告に必要な書類
確定申告では、それぞれ利用する特例によって、以下のように必要書類が異なります。
この中で、どの特例を使うにあたっても必要となるのが「除票住民票」と「譲渡所得計算明細書」があります。
除票住民票とは、他の市町村への引越や、他界したときに抹消された住民票のことです。
除票住民票は今まで住んでいた市町村で取得できる書類ですので、売却の際は忘れずに取得しておきましょう。
「譲渡所得計算明細書」とは、確定申告の提出様式にある書類のことです。
マンションの確定申告では、取得費を計算する必要があります。
取得費を計算するためには、購入時の売買契約書が必要です。
購入時の売買契約書は、売却後も保管するようにして下さい。
尚、取得費は、建物については減価償却後の価格となります。
そこで以下にマンションの減価償却費の求め方をご紹介します。
新築マンションの建物の減価償却費は以下の式で求められます。
| 減価償却費 = | 建物購入代金 × 0.9 × 償却率(0.015) × 経過年数 |
例えば、新築当時のマンション価格が3,000万円で、その内、土地の価格が1,000万円、建物の価格が2,000万円の物件の場合、築10年目の減価償却後の取得費は以下のようになります。
| 減価償却費 = | 2,000万円 × 0.9 × 0.015 × 10年 |
| = | 270万円 |
| 減価償却後の建物の価格 = | 2,000万円 - 270万円 |
| = | 1,730万円 |
| 取得費 = | 土地価格 + 減価償却後の建物の価格 |
| = | 1,000万円 + 1,730万円 |
| = | 2,730万円 |
まとめ
いかがでしたか?
マンション売却の流れについて見てきました。
マンションの売却の手順には、売却準備、価格査定、売却するマンションの確認、媒介契約、販売活動、売買契約、引渡、確定申告の8つの流れがあります。
ある程度の準備が整った段階で、早めに価格査定を行い、しっかりと売却計画を固めるようにして下さい。
価格査定は、「不動産売却HOME4U」のご利用が便利です。
マンション売却では付帯設備表や告知書の記載を行いますので、マンションの状態についてしっかりと確認しておきます。
不動産会社と媒介契約をしたら、いよいよ販売活動の開始です。
内覧はしっかりと準備し、万全の対応をするようにしましょう。
金額の合意ができたら、売買契約、引渡の流れになります。
売却後、最後に確定申告があります。
マンションの売却では、お得な税制特例がたくさんあります。
要件をしっかりと確認して対応するようにしましょう。