東京五輪のためにサマータイム? 日本で議論
41度以上の最高気温を記録した日本で、2020年の東京五輪に向けて、選手がより涼しい時間帯に競技できるようにするため、サマータイム導入が政府内で検討されているという。6日付の産経新聞が伝えた。
夏の時間を2時間繰り上げるという提案は、ソーシャルメディアでさかんに反対されている。大勢は、労働時間が長くなるだけではないかと心配している。
日本では7月から続く記録的熱波でこれまでに少なくとも120人が死亡している。
日本政府は、サマータイム導入についてまだ検討段階だとしているが、東京の猛暑が五輪選手に与える影響を軽減したい意向だ。
菅義偉官房長官は同日午前の記者会見で、「政府としてサマータイムを目指すとの方針を決定した事実はない」と述べた。2年後の大会までにサマータイムを導入すれば、「国民の日常生活に影響が生じる」と慎重な姿勢を示した。
2020年東京五輪は7月24日から8月9日の、日本で特に気温も湿度も上昇する蒸し暑い時期に予定されている。
五輪組織委員会は7月末、マラソンなどを早朝に開催できるよう、安倍晋三首相にサマータイムの導入を要請していた。
<解説> 選手生命の危険――ルーパート・ウィングフィールド=ヘイズBBC東京特派員
うだるような夏の間に外国から東京を訪れる人は、午前4時に目を覚まして、なぜホテルの窓からもう太陽の光が差し込んでいるのか不思議に思うかもしれない。
日本はもう長いこと「日光節約時間」、つまり「サマータイム」導入に抵抗してきた。それが理由だ。
そのため、午前10時にもなると、気温はすでに30度以上に達していることが多い。
2020夏季五輪と2018年熱波が組み合わさり、深刻な問題となっている。
酷暑は参加選手の生命を脅かすのではないかと、真剣に懸念されている。そのため日本政府は、まず試験的に来年6月から8月にかけて時間を2時間早めた後、2020年五輪でも実施する案を検討している。
しかし、抵抗も予想される。日本は前に一度だけ、サマータイムを試したことがある。戦後の占領時代に。
夜になっても明るいせいで、その分だけ長く働かされるという苦情が多く出た。1952年に占領統治が終わると、サマータイムも終わった。
(英語記事 Tokyo 2020 Olympics: Japan debates daylight saving to avoid heat)