8月1日に会見したBC栃木・村田修一

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 NPB復帰を断念した前巨人でルートイン独立リーグ・栃木ゴールデンブレーブス(BC栃木)の村田修一内野手(37)を、TBS系「バース・デイ」(土曜・後5時)が特集した。番組はNPBの登録期限最終日の7月31日の夜に密着し、復帰の夢が消えた瞬間の表情をとらえた。

 自宅でグラスを傾けながら、その瞬間を迎えた。テーブルの上には、最後の願いを託した電話。しかし、着信音が鳴ることはなかった。

 「本当に後悔はない。応援してくれたファンの皆さんには申し訳ないですけれど」うなずきながら、自らに言い聞かせるように語り、そしてグラスを口に運んだ。

 この日の昼間には、3人の子どもたちにNPB復帰が難しいことを告げた。「しょうがない。誘いがない」「これからどうしていくか、考えないといけない」「君たちのおやじは一生変わらないから。そこは変わらないから」

 父が3人の男の子に話しかけると、長男は「仕方がない。(これからも)みんなで頑張ろうという思いがあります」と涙をこぼした。

 時計の針が24時を過ぎて、村田は語り始めた。「かっこいいおやじでありたいと思って野球に没頭してきた」と話し始めると「家族に引っ張られながら野球が成長してきた」と振り返った。そして「(NPBに)帰れないのは残念ですけれど、楽しかったですね。厳しかったですし、家族にも迷惑かけたと思いますし。我慢してくれたことも多々あると思う」と支え続けてくれた家族への感謝を口にした。

 松坂世代のNPB選手がまた一人、プロ野球の舞台を去る。「厳しい中でもまれて野球ができて幸せだったなと思います」BC栃木のレギュラーシーズン最終戦は9月9日のBC群馬戦(小山)。今後は感謝の気持ちをフルスイングに込め、道筋はプレーする中で定めていく。球団側も最終戦までに“村田イベント”を用意すると約束している。現役生活は残り約1か月。NPBと独立リーグ16年間の集大成をバットに込めていく。

 ◆村田 修一(むらた・しゅういち)1980年12月28日、福岡県生まれ。37歳。東福岡3年時に投手として甲子園に春夏連続出場。日大で内野手に転向、02年ドラフト自由獲得枠で横浜(現DeNA)入団。07、08年本塁打王。08年北京五輪、09年第2回WBC日本代表。11年オフにFA宣言して巨人へ移籍。三塁でベストナインを4度、ゴールデン・グラブ賞3度受賞。17年限りで巨人を自由契約となり、今季からBC栃木に所属。NPBでの通算成績は1953試合に出場。6925打数1865安打、打率2割6分9厘。360本塁打、1123打点。177センチ、92キロ。右投右打。家族は夫人と3男。