広島原爆の日に安倍首相が卑劣な詐欺行為! 被爆者団体の要望を拒否しながら団体代表の写真と言葉を使い自己宣伝

abe_01_180806.jpg
首相官邸ホームページより

 きょう、73回目の原爆の日を迎え、広島市の平和記念公園では「原爆死没者慰霊式・平和祈念式」がおこなわれたが、安倍首相の言動は、またも被爆者の思いを踏みにじるものだった。

 たとえば、安倍首相が今年おこなったスピーチは、昨年の文章の構成を巧妙に入れ替えた上、「言葉では言い表せない」という表現を「筆舌に尽くし難い」に言い換えるなどの簡単な手直しをしただけで、ほぼ“コピペ”の演説。2014年には広島で前年とほぼ同一の文章を“朗読”して批判が殺到したにもかかわらず、長崎でもそれと同じコピペ演説をおこなうという事件を起こした安倍首相だが、相も変わらず誠意が感じられない姿勢を晒したのだ。

 しかも、松井一實・広島市長は平和宣言のなかで、昨年、ノーベル平和賞を受賞した核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)や朝鮮半島の対話による平和構築に言及し、「日本政府には、核兵器禁止条約の発効に向けた流れのなかで、日本国憲法が掲げる崇高な平和主義を体現するためにも、国際社会が核兵器のない世界の実現に向けた対話と協調を進めるよう、その役割を果たしていただきたい」と述べたが、対する安倍首相は、昨年7月に国連で採択された核兵器禁止条約への言及がなかったばかりか、ICANにも一切ふれずじまい。安倍首相はいまだにICANとの面会はおろか、お祝いの電話さえ入れていないというが、これでよく「『核兵器のない世界』と恒久平和の実現に向けて力を尽くす」などと誓えたものだ。

 その上、式典後におこなわれた被爆者7団体との「被爆者から要望を聞く会」では、核兵器禁止条約への署名・批准を求める声に対し、安倍首相は「参加しない考えに変わりない」と拒否した。

 被爆者たちの願いを打ち砕く卑劣な姿勢を崩さない安倍首相──。だが、驚いたのは、その後の行動だ。安倍首相はTwittertとFacebookの公式アカウントに、広島県原爆被害者団体協議会の坪井直理事長とにこやかに握手する写真とともに、こう投稿したのだ。

〈「ネバーギブアップで頑張っていく」20歳の時、広島で被爆した坪井さんの言葉です。唯一の戦争被爆国として、我が国は、核兵器国と非核兵器国双方の橋渡しに粘り強く努めながら、「核兵器のない世界」の実現に向けて、一層の努力を積み重ねてまいります〉

 坪井理事長はきょうの「要望を聞く会」で、「原爆は人間の悪知恵が作ったもの。われわれが核兵器をなくすような力を発揮しなきゃいけない」と主張し、核兵器禁止条約を批准するよう求めた。それを無下に拒否しておきながら、自分があたたかく手を差し伸べる写真を投稿して、あたかも被爆者の要望に応えているかのような“印象操作”をSNSで発信したのである。

 しかも、坪井理事長の「ネバーギブアップで頑張っていく」という言葉にはどんな思いが込められているのか。坪井理事長は以前からこう語ってきた。

「『ネバーギブアップ』の精神を忘れず、命を大事に最後の最後まで核兵器廃絶の道を歩もうではありませんか」(今年5月、広島県被団協の定期総会での挨拶)
「(オバマ前大統領と)一緒に核兵器のない世界をつくろうと話した。誓い合ったことを、ネバーギブアップで頑張りたい」(中国新聞2018年4月6日付)
「長く生きた。もまれもまれて、ここまできた。いつか核兵器が廃絶されるのを見たい。でも私が見られなくても、後世の人が必ず成し遂げてほしい。頼みますよ、若い人たち。絶対に諦めちゃいかん。ネバーギブアップ!」(中国新聞2015年8月2日付)

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

新着芸能・エンタメスキャンダルマンガ・アニメビジネス社会カルチャーくらし教養

広島原爆の日に安倍首相が卑劣な詐欺行為! 被爆者団体の要望を拒否しながら団体代表の写真と言葉を使い自己宣伝のページです。LITERA政治マスコミジャーナリズムオピニオン社会問題芸能(エンタメ)スキャンダルカルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。ICAN原爆安倍晋三編集部の記事ならリテラへ。

人気記事ランキング

総合
いいね! 数
1 山本太郎と久米宏が安倍政権、原発タブー、杉田水脈を斬る
2 久米宏が電通タブーに踏み込む激烈な五輪批判
3 『夕凪の街 桜の国』が描く被爆の恐ろしさ
4 『この世界の片隅に』ドラマ版と映画版の間で軋轢か
5 松尾貴史「日本を壊しているのは安倍さん」
6 広島原爆の日に安倍首相が卑劣な詐欺行為
7 松尾貴史と室井佑月が語る安倍政権のメディア圧力
8 政府が性被害女性を「イタイ女子」扱い
9 吉川晃司が「俺は現政権がでえっ嫌い」
10 安倍が内調に石破茂の監視をさせていた
11 報ステが杉田水脈も赤坂自民亭もスルーした理由
12 東京医大“女子減点”事件は女性差別の氷山の一角
13 文科省汚職は安倍の加計接待とそっくり
14 久米宏、さんま、村本も東京五輪批判
15 杉田水脈から逃げ出す百田尚樹ら安倍応援団
16 秋元康の東京五輪に椎名林檎が危機感
17 杉田水脈のLGBT差別は安倍首相公認
18 宮崎駿がラジオで安倍と百田を批判!
19 文科省が大学に「五輪中は授業やるな」と学徒動員
20 松本人志が杉田水脈を「前段はおかしくない」と擁護
1久米宏が電通タブーに踏み込む激烈な五輪批判
2報ステが杉田水脈も赤坂自民亭もスルーした理由
3安倍首相が豪雨真っ最中6日も災害無視
4杉田水脈のLGBT差別は安倍首相公認
5くりぃむ上田が安倍を痛烈批判「どの法案も強引」
6安倍が内調に石破茂の監視をさせていた
7公文書改ざんのキーマン太田理財局長が出世
8山本太郎と久米宏が安倍政権、原発タブー、杉田水脈を斬る
9文科省が大学に「五輪中は授業やるな」と学徒動員
10松尾貴史「日本を壊しているのは安倍さん」
11NHKが「安倍首相が連日災害対応」と嘘ニュース
12松本人志が杉田水脈を「前段はおかしくない」と擁護
13杉田水脈LGBT差別発言を生んだ安倍首相の思想
14杉田水脈LGBT差別抗議デモに5000人
15松尾貴史と室井佑月が語る安倍政権のメディア圧力
16稲田朋美が「憲法教という新興宗教」暴言で炎上
17 杉田水脈から逃げ出す百田尚樹ら安倍応援団
18文科省汚職は安倍の加計接待とそっくり
19杉田水脈のLGBT差別で自民党対応の一部始終
20 政府が性被害女性を「イタイ女子」扱い

人気連載

アベを倒したい!

アベを倒したい!

室井佑月

ブラ弁は見た!

ブラ弁は見た!

ブラック企業被害対策弁護団

ニッポン抑圧と腐敗の現場

ニッポン抑圧と腐敗の現場

横田 一

メディア定点観測

メディア定点観測

編集部

ネット右翼の15年

ネット右翼の15年

野間易通

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

政治からテレビを守れ!

政治からテレビを守れ!

水島宏明

「売れてる本」の取扱説明書

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄