動きを止めている従業員に指示?Amazonが特許出願したARゴーグルにディストピアSF的な監視の不安を感じる

  • author Bryan Menegus - Gizmodo US
  • [原文]
  • 傭兵ペンギン
動きを止めている従業員に指示?Amazonが特許出願したARゴーグルにディストピアSF的な監視の不安を感じる
Image: Scott Olson/Getty Images News/ゲッティイメージズ


世界中のあらゆるニーズにこたえ続けているAmazon(アマゾン)ですが、最近ではディストピアSFファンですらも不安になるようなニュースが増えてきました。Amazonが特許出願した倉庫従業員向けのARゴーグルについて、その狙いがちょっとヤバいんじゃないかという記事を米Gizmodoが掲載し話題になっています。

その内容はこちら。従業員が使用するゴーグルに矢印を表示するナビのようなものが搭載されていて、Amazonの超巨大な倉庫の中で従業員がピックアップする商品への最適なルートを指示してくれるというものらしい。

それだけだったら便利なデバイスに聞こえますが、よく見てみるとこんなことも書いてあったり。

「[0062] 一部の実施形態では、クライアント・アプリケーションが、ウェアラブル・コンピューティング・デバイスを通じて……(中略)……フルフィルメントセンター内を移動中か、動きを止めている従業員に対して視覚的な指示を表示するように設定できる」

実はAmazonは最近、従業員に関するすさまじい量のデータを集めていることで様々な論争を巻き起こしています。さらに休憩に対して非常に厳しい方針を取っていることも知られており、休憩=減給/退職に繋がるため、イギリスの倉庫ではペットボトルでトイレを済ませるという内部告発もかつてあったほど。

米Gizmodoの記者Bryan Menegusさんは記事内でこう語っています。

「今、アマゾンの従業員たちが直面している、トイレに行くといった必要最低限の理由で仕事を中断することさえ難しい状況を考えると、このARデバイスが生産性ハラスメントを推し進めるものになることは想像に難くない」

ちなみに、Amazonは先日従業員の手の動きを追跡するブレスレット型デバイスの特許も出願しています。こちらは従業員の作業に何か問題があるとハプティクス(皮膚感覚フィードバック)で指示が飛んでくるというもの。具体的にどうするかは書かれていないようですが、振動はまだしも、低周波電流が流れるようになったらもう完全にディストピア…。

ブレスレット型デバイスに関してアマゾンは、あくまで現在従業員が使っているハンドスキャナーの代わりで、手と目を使わずに品物を探せるようになるだろうと考案されたものだ、と説明しているようなので安心…して平気なのかな?

今回のARゴーグルもブレスレット型デバイスもまだ特許出願の段階であり、実現するかどうかはまったく不明。とにかく、従業員の負担が減る方向に環境が変化していくことを祈るばかり。Amazonが便利なのは間違いないので、気持ちよく使わせてもらいたいものです。

Source:Gizmodo123United States Patent and Trademark Office

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