当ブログにお越しいただきありがとうございます。会計的お仕事女子のあんがお送りする簿記3級シリーズ記事です。今回は簿記3級に合格するまでの勉強時間と、それを短縮する方法についてご紹介したいと思います。簿記の資格は就職や転職に直接関係してくる資格ですので、出来るだけ早くでも確実に取得したいですよね。
また、簿記3級取得には定番の勉強スケジュールもありますので、そちらについてもご紹介していきます。
それでは、今回もよろしくお願いします。
- 簿記3級に合格するまでの平均的勉強時間
- 簿記3級合格に必要な得点率
- 簿記3級合格までのスケジュール
- 簿記3級合格までの勉強時間を短縮する方法①
- 簿記3級合格までの勉強時間を短縮する方法②
- 簿記3級合格までの勉強時間を短縮する方法③
簿記3級に合格するまでの平均的勉強時間
- 約50時間
- 1日当たり1時間で2か月弱
平均的な勉強時間としては、50時間と言われています。短い人で30時間という方もいらっしゃるようですが、確実な合格を考えるなら無理はしないほうがいいでしょう。1日1時間勉強して約2ヵ月弱ですね。仕事をしながら、育児をしながら勉強をするという、お忙しい方もいる方もいるかと思いますので、無理のないスケジュールを立てた方がいいでしょう。
また、人間の脳の記憶の仕組みから考えると、一気に長時間の勉強をするよりも、毎日短時間の勉強を長期間継続したほうが定着率が高いそうです。一気に勉強しても短期記憶にしかならず、すぐに忘れてしまいます。1日短時間でも長期間継続して勉強すると長期記憶として脳に保存され、忘れにくくなるそうです。
さらに、ここで注意しなくてはならないのは、勉強は時間ではなく達成率が一番重要だということです。非効率な勉強方法を繰り返して50時間勉強したとしても、合格の可能性は上がらないということです。
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簿記3級合格に必要な得点率
- 70%以上
70%と聞いて、「意外と求められる得点率はそうでもないな」と感じた方が多いのではないでしょうか。合格率も平均約40%前後で毎回推移していますので、それほど難関というわけではないと思います。
ただし、簿記3級の大きな落とし穴に、「1か所間違えると連鎖的に間違いが発生する」ということがあります。「ここは絶対間違えてはいけない!」という場所があるのです。
特に貸借対照表や損益計算書などの財務諸表の作成では注意しましょう。財務諸表の作成では最初の1か所間を違えると連鎖的に間違った部分から後ろが全滅ということもあり得ます。例えば、売上の計算を間違えたらその当期の純利益も違ってきますし、売上げを回収した現金や売掛金も合わなくなります。そうなってしまうと、自分の予想以上に得点が伸びずに合格に至らないということもありますよ。
連鎖的な間違いが発生しやすいので、個人的には簿記3級は100点とるよりも70点とる方が難しいと思います。簿記3級の試験では、100%とは言いませんが90%はとるくらいのつもりで臨んだ方が結果的にはよいように思います。
簿記3級合格までのスケジュール
- 試験の日程は6月と11月と2月
- 試験月の2ヵ月前から勉強を始めて簿記3級取得を目指す
- 簿記3級取得後、次の試験で簿記2級取得も可能
試験の日程から考えて試験スケジュールを組まれる方が多いです。まず、最初の試験で簿記3級を取得し、次の試験で簿記2級の取得を目指すのです。
例えば6月の試験を目指すのであれば、4月に勉強を開始して6月の試験で簿記3級を取得し、次の11月で簿記2級を取得という感じです。9月に勉強を始めて11月に簿記3級を取得、2月に簿記2級を取得というのがいいでしょう。また、2月に簿記3級を取得し、6月に簿記2級取得というパターンもよくあります。
会計職として働き続けるのなら簿記2級以上は欲しいところですから、簿記2級とセットで考えて簿記3級取得の勉強スケジュールを考える人が多いというわけです。
簿記3級合格までの勉強時間を短縮する方法①
簿記3級は覚える事柄が多いです。手始めとして勘定科目と仕訳があると思いますが、丸暗記は勉強時間の短縮を考えた場合あまりお勧めできません。どうしてその仕訳になるのか、なぜその勘定科目を選ぶのか、仕組みを理解すると他の仕訳にも当てはめることができるので効率的ですよ。
では、勉強時間の短縮に必須な仕組みを理解する部分についてお話していきます。
貸借対照表の構成を覚える
- 借方…資産
- 貸方…負債と純資産
貸借対照表の構成は仕訳と密接な関係にありますので、貸借対照表の構成はこの図を何度も描いて覚えましょう。図で描いて覚える方が記憶には残りますよ。
損益計算書の構成を覚える
- 借方…費用と利益
- 貸方…収益
損益計算書の構成も仕訳と密接な関係にありますので、損益計算書の構成もこの図を何度も描いて覚えましょう。
貸借対照表と損益計算書の構成と仕訳の関係については、詳しくご説明した記事がありますので、よかったらこちらもご覧ください。
貸借対照表と損益計算書の構成を覚えると仕訳で勘定科目が借方に入るのか貸方に入るのか貸借対照表損益計算書の構成から導き出すことができます。
1つの取引ごとに仕訳の方法を覚えていくよりずっと効率的で、勉強時間の短縮に繋がりますよ。
簿記3級合格までの勉強時間を短縮する方法②
とにかく過去問を解いて傾向をつかむ
- 簿記3級の出題傾向は毎回ほぼ同じ
- 過去問を解くのは仕訳がスムーズに出来るようになってから!
簿記3級は実務関係の資格ですが、筆記試験ですので過去問を何度も解いて試験の傾向をつかみましょう。簿記3級の試験は毎回大きく5問出題されます。その出題傾向は毎回ほぼ同じです。(イレギュラーの回も、もちろんありますけどね…。)そのため、過去問を何度も解いておくと、試験の解答時間短縮につながりますよ。
ただし、過去問を解き始めるのは、先ほどの貸借対照表と損益計算書の構成を覚えて、仕訳がある程度スムーズに出来るようになってからの方が効率的です。
ではざっとですが、簿記3級の出題傾向を見てみましょう。
第1問目の傾向と対策
- 仕訳問題の出題がほぼ100%
- 1問4点で5問出題
- 配点は20点
- 勘定科目と金額の記入が必要
第1問はまず間違いなく仕訳問題です。取引についての文章を読み、問題文の上に並んでいる勘定科目から該当する勘定科目を選択して記入します。また、それに対応する金額を解答欄に記入していきます。一番最初に勉強に取り掛かるべき問題です。この仕訳の問題が簿記の基礎になりますからね。
第2問目の傾向と対策
- 補助簿、掛明細表、勘定記入が出題されることがほとんど
- 配点は8点~12点
- 勘定記入の出題が多い傾向にあり
配点はやや低めですので、一番最後に対策をまわしていいと思います。補助簿には現金出納帳や当座預金出納帳、小口現金出納帳などがありますが、仕訳が出来るようになっていれば、何度か練習すればすぐに記入の仕方のコツがわかると思いますし、記入の決まりも似ているものが多いので、勉強時間はそれほどかけずに、他の配点の多い問題に時間をかけた方がいいと思います。
第3問目の傾向と対策
- 試算表の作成の出題がほぼ100%
- 配点は30点ぐらい
- 試算表とは月締めをするための準備に作成する帳簿
- 仕訳がしっかりできるようにならないと作れない。
第3問は試算表の作成が出題されると思ってほぼ間違いないでしょう。しかし、試算表は簿記の仕組みをほぼ理解していないと作れません。ちなみに残高試算表と合計試算表、合計残高試算表の3種類があります。3種類ありますが1種類の作り方が分かれば3種類とも作成できるはずです。
月末締め前に作成された合計試算表を基に、追加の仕訳をして合計残高試算表にまとめる出題が多いと思います。まずは仕訳ができないと歯が立ちませんので、仕訳がしっかりできるようになってから対策に乗り出しましょう。
しかし、配点の非常に高い問題ですので、確実に点を取れるように何度も練習してほしい問題でもあります。仕訳が出来るようになったら重点的に取り組んで問題を解く速度も上げましょう!
第4問目の傾向と対策
- 勘定記入、伝票、補助簿の記入、補助簿の読み取りなどが出題
- 第2問の対策と重なる部分が多い
- 最近では伝票問題が頻出
- 配点は8~12点
第4問も第2問と同じく、配点が低くなっています。簿記3級の合格得点は70点ですから、ぶっちゃけ第2問と第4問は0点でも第1問と第3問、第5問でほぼ満点が取れれば合格できます。勉強時間のない方は補助簿の記入と頻出の伝票問題に絞るのも手です。
伝票は入金伝票、出金伝票、振替伝票がありますが、入金伝票と出金伝票は現金が入るか出るかの違いだけで書き方は同じですので、数回練習すれば書けるようになるでしょう。
問題は伝票がたくさん出てきて、それを仕訳日計表にまとめていく問題が出たときです。作業量が多くなるので、正確に出来るだけ早く出来るようにしたいです。ただし、配点の高さから考えて第1問と第3問、第5問がメインです。第4問に時間を使いすぎないように気を付けてください。
第5問目の傾向と対策
- 精算表、貸借対照表、損益計算書の作成問題がほぼ100%(決算処理)
- 配点は30点
配点が高いので、正確に問題を解けるように勉強時間を多めに取りたいのが第5問目です。ここで、肝になるのが仕訳を出来るようになる時に、貸借対照表と損益計算書の構成を覚えたかどうかということです。単に暗記で仕訳できるようになっても、ただの暗記だと最後の第5問で貸借対照表と損益計算書を作ることができません。
精算表とは対照表と損益計算書を作るための下準備として作成する帳簿です。ですから先に精算表を作れるように勉強しておく方がいいでしょう。仕訳の仕組みを貸借対照表と損益計算書の構成を覚えて出来るようになった人は、精算表が作れれば貸借対照表と損益計算書も問題なく作れるはずです。
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簿記3級合格までの勉強時間を短縮する方法③
勉強効率を求めるなら独学はハンデあり
「とにかく短時間で簿記3級に合格したい」と考えるなら、独学にハンデがあるのは否定できません。確かにネット上には簿記3級を独学で短時間合格した方のノウハウも載っています。
しかし、これらのノウハウは使えるところももちろんありますが、勉強していて「あれ?ここってどうなっているの?」と言った受験者それぞれの疑問には答えてくれない場合もあります。また、例えネット上にその答えがあったとしても、膨大なネット上の情報からそれを見つけ出すのは大変な時間と手間がかかってしまうものです。
また独学ですから不合格の可能性は通信講座受講生や通学講座受講生より高い傾向にあるでしょう。合格までの一番の時間短縮は一発合格です。不合格で再勉強となるとそれまで勉強した時間と手間を同じかそれ以上かけることになりますよね。
勉強は急がば回れがやはり王道です。
簿記3級の通学講座を受講する
- 決まった時間に必ず勉強できる。
- 先生にすぐに質問できる。
- 決まった時間に必ず講座に出席しなければならない。
おそらく一発合格に一番近い確実な勉強法は通学講座の受講でしょう。決まった時間に講座がありますから、ほぼ強制的に簿記を勉強する時間を確保できます。また、講師の先生へもすぐに質問できるので、疑問に思ったことも即解決できますね。
ただし、デメリットは決まった時間に必ず出席しなければならないというところです。簿記の資格を転職に活用したいとお考えの社会人の方や育児中の主婦の方などにとっては厳しい条件だと思います。仕事はいつも同じ時間に終わるわけではないですし、育児もいつ何があるか分かりませんしね。
通学講座を利用するなら、時間的に制約のあまりない学生の方が最適だと思います。
簿記3級の通信講座を受講する
- 自分のライフスタイルに合った時間で勉強できる。
- 強制的に勉強する時間はないので、ある程度自己管理が必要。
- どの分野から勉強していくのか分かりやすい。
- 授業のDVDが付属していて、何度も見ることができる。
一方、通信講座は自分のライフスタイルに合わせて空いている時間に勉強をすることができます。早朝や深夜にもできますし、隙間時間を利用して少しずつという勉強の方法も可能です。ただし、ある程度自己管理ができる方でないと思わず手つかずになってしまうということもありますのでお気を付けて。
また、簿記のどの分野からどんな順番で勉強したらよいかという勉強のスケジュールも通信講座ですとあらかじめ組んでくれています。簿記初心者の方が独学で苦労するのはこの「勉強の順番をどうしたらよいか」が最も多いみたいです。勉強効率のよいスケジュールがあらかじめ組まれていますので勉強しやすいですよ。
また、最近の通信講座は授業のDVDが付属していますので、通学講座とほとんど変わりません。メールなどで質問もできます。私も簿記3級は通信講座で取得しました。おすすめの講座はこちらですので、良かったらどうぞ。
さて、今回は簿記3級の平均的な勉強時間や勉強時間の短縮方法として過去問の出題傾向などについてお話してきましたが、いかがでしたでしょうか。簿記3級など、お仕事に直結する資格は就職や転職活動に直接関係してきますから、出来る限り確実に取得したいですよね。焦り過ぎも禁物だと思いますよ。受験者の皆さん、一発合格目指して試験勉強頑張ってくださいね!
それでは、今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。