いっぽうマルチタスクの誘惑に負けてしまうのは、たいてい、他者の期待や要求に応じねばならないという義務感に駆られているときだ。 すると本来、自分が優先したいと思っていたことを後回しにしてしまう。そんなとき、 あなたのなかにはたいてい「相手に高く評価されたい」という欲望があり、それが不安感を引き起こしている。
SINGLE TASK 一点集中術――「シングルタスクの原則」ですべての成果が最大になる
- 作者: デボラ・ザック,栗木さつき
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2017/08/31
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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この本を買って読んで損はないと思う。集中して、一気に一読してしまうことを強くオススメしたい。
上記引用は、シゴタノ!でも紹介したと思うが、繰り返し読み返す価値がある。私たちはこの反対の言い分にどうしても引っぱられる。
シングルタスクに集中している—そういう人を好まない人は案外多い。
よく考えてみれば、シングルタスクに集中している人は「傍若無人」である。人の相手をしながらできる仕事は、片手間仕事なのだ。
タスクシュートでいちばん議論になるのも、実はこの部分なのだ。不本意なことに。
「私は、自分の時間を大切にするよりも、人の顔色をうかがうべきだと思うのです!
ところで私の時間が少ないのはどうしてなんでしょう?」
これは、難しい問題だ。本当に難しいのである。「人の顔色などうかがっていて、どうする?」みんな、そう思っている。これについてはたぶん、9割方の人々が、同意してくれるはずだ。「人の顔色なんかうかがっていて、どうする?」
しかし、実際には人の顔色をうかがう。9割方の人間が、実際、そうしている。
タスクシュートは、理想のリストになってしまう。現実のログにならないのだ。ダラダラしたい。今はダラダラしたいのだ。それが本音なのに、なんとかかんとかという資料を作ってカントカカントカという会議にでなければならない。誰かの顔色を蒼白にさせない。それだけが重要だ。
Twitterで誰かがつぶやく。「人の顔色なんか、伺っていてどうする?」と、そうつぶやいた人の顔色をうかがって、私たちはそれにいいね!を貢ぐ。
24時間のうち、6時間眠っているとして、18時間、人の顔色をうかがって「(他人が満足する他人から見た)理想のリスト」を作り上げ、その他に少なくとも2時間の自由時間を足していたら、毎日はどんどん2時間ずつ、足りなくなっていくはずだ。
タスクシュートは「2時間」を製造することができないせいだ。