尖閣諸島・南西諸島を守れー国際法で領海・領土侵犯事件を処理せよ

●14名の中国人活動家らの日本領海・領土侵犯を阻止せず、かつ「無罪放免」した売国野田民主党政府

 8月15日、中国の香港にある反日団体「保釣行動委員会」の14人の活動家らが、1隻の「抗議船」で日本領海を侵犯し、続いて7人が尖閣諸島の魚釣島に上陸して、日本領土を侵犯した。彼らは国際法(国際法規・慣例)を破壊して、日本の領海と領土を侵犯するという侵略行動をしたのである。

 彼らは8月12日に、今回の闘いの目的を公然と表明した上で、香港を出航しているのである。すなわち彼らは、「尖閣諸島は中国固有の領土であり、日本が不法に侵略支配しているのである。我々は国際社会にこの事実を明らかにし、日本に抗議するために、釣魚島(魚釣島の中国名)に上陸して、中国旗を掲げる」と表明して、出航した。

 言うまでもなく、中国政府が出航を許可したから彼らは出航できたのであり、中国政府の意志なのだ。中国政府は米国の存在を考えて、香港の「保釣行動委員会」を中国政府の尖兵として利用しているわけである。中国は、日本の尖閣諸島を侵略占領することを狙っている。今回の闘いはその一環だ。中国は尖閣諸島(魚釣島)を占領すれば、軍事基地化(対艦・対空ミサイル配備)して、米日軍の東シナ海進出を阻止する拠点にすると同時に、次の獲物である南西諸島(沖縄)侵略占領の拠点にしていくことを考えている。中国の本当の狙いは、南西諸島全体の侵略占領である。

 民主党政府は海上保安庁に、「抗議船が日本領海を侵犯すれば、直ちにあらゆる手段を使って強制停船させて拿捕せよ!断じて魚釣島に上陸させるな!日本の主権を守れ!」と命令しただろうか?もちろん反日左翼の民主党政府がそんなことをするわけがない。野田民主党政府の対処方針は、「怪我人を出すことなく対処せよ!」であったのだ。つまりそれは、強制停船措置・拿捕を禁止したということである。その理由は、「日中関係を悪化させないため」である。

 民主党政府は事実上、「抗議船」の日本領海・領土侵犯を容認した上で、沖縄県警が、5人(7人のうち2人は船に戻った)を魚釣島にて入管難民法違反容疑(不法上陸)で現行犯逮捕し、船の9人は海上保安庁が、同法違反容疑(不法入国)で現行犯逮捕した。しかも民主党政府は、巡視船が接舷しようとした際に、彼らがコンクリートの塊を多数、巡視船に投げつけて公務執行妨害をしているのに、「公務執行妨害罪など他の犯罪の嫌疑はない」として、那覇地検に送検する刑事手続きを採ることすらせず、48時間以内に入管に引き渡して、「強制退去処分」にしたのであった。14人は8月17日には帰国していった。再び使用される「抗議船」も没収せずに帰したのである。

 民主党政府は、日本の領海・領土を侵犯するという侵略行動を行った14名の中国人を、何の調査もせずに「無罪放免」して、早期に事態の収拾をはかろうとしたのである。入管難民法78条は、犯罪に使われた船の没収を命じているが、政府は78条も否定して船も返したのだ。これは、日本を侵略国家中国に売る国家反逆の犯罪行為である。まさしく侵略国家中国の下僕になっている売国の民主党政府の姿である。

 この不法の売国命令に、唯唯諾諾と従った海上保安庁の幹部たちも、「日本の領域主権を守り抜くのだ」という、根本意識が完全に欠けている。<法>に反する命令には、不服従で臨むことが、「法の支配」を守ることである。

 日本は民主党という反日左翼勢力に、政府を侵略され占領された状態にあるのだが、ほとんどの人がこの認識を獲得できていない。左翼は随分前から戦術転換をしていて、「私は左翼だ」「私は反日だ」「私は革命をめざす」などとは言わない。逆に「日本の国益を守る」と正反対の嘘を言うのである。言葉では「国益を守る」と言い、行動では、日本の領域主権への侵害を容認し、国益を破壊していくのである。今回の事件への野田民主党政府の対処でも明らかだ。

 民主党政府は、デフレ経済を維持し(消費増税で一層そうなる)、かつ民衆の不安心理を煽って民衆を動員して、「脱原発依存」で、日本経済を破壊して日本を衰退させていくことを目指す。しかし口先では、「デフレ克服」「日本再生戦略で630万人の雇用を創出して、日本を発展させていく」と正反対の嘘を主張するのである。経済の衰退は、国防力の衰退である。

 このように、徹底的に国民を騙す戦術を採っているのが左翼である。小沢氏、鳩山氏は左翼だが、それと対立している野田氏、仙谷氏、前原氏、枝野氏、古川氏(国家戦略大臣)らもまた左翼である。後者の方が、長期的なスタンスで政治をしていて、より老獪であるということになる。もちろん菅氏も左翼だ。 

 左翼は反日である。反日とは、日本国家を破壊し衰退させ、全体主義国家(すなわちそれは反日国家である)に改造していくことであり、また中国やロシアや北朝鮮という侵略国家に、日本を侵略占領させて日本を滅ぼしていくことである。

 問題なのは、売国、祖国反逆の違憲存在の民主党反日左翼政権を、そのとうりに正しく認識して糾弾し、「民主党を直ちに政権から追放し、党を解体していかなくてはならない」と主張する「真正なエリート」が余りにも少なくて、その正当な主張は「大きな声」にならないことである。そのために、「民主党反日左翼政権打倒」の国民的な闘いが形成されないことである。日本人は、知的、倫理的に危機的な状況にあるのである。

●本件は「国際法規・慣例」によって処理しなくてはならない「領域侵犯事件」である

 上記の14名の中国人は密入国者ではない。彼らは、日本固有の領土の尖閣諸島を中国領土にするために、公然と自らの闘いの狙いを表明して、出航してきた者たちである。国際法規・慣例を破って、日本の領海を侵犯し、約2時間後に日本領土を侵犯した者たちである。そして中国政府がその背後にいる。民主党政府は、密入国者や偽造旅券等の不法入国者を取締る入管難民法(「出入国管理及び難民認定法」が正式名)違反容疑で14名を逮捕し、同法によって強制退去処分にしたのだが、本事件が同法を適用する事案でないことは明白である。本件は「領海・領土侵犯事件」(まとめて「領域侵犯事件」)であり、国際法規・慣例に従って処理すべき事件なのである。

 国際法規・慣例は、主権国家に「領域(領土、領海、領空)主権」を認めている。主権国家は、国際法規・慣例を遵守し、国際社会の秩序を守る義務を負っているのである。言うまでもなく、国際法規・慣例を否定し破壊する国家は、侵略国家である。

 国際法規・慣例は主権国家に、「平時における領域保全に対する侵害を排除する」権利と義務と、「有事における領域保全に対する侵害を排除する」権利と義務を与えている。この任務を遂行する組織が、軍隊と準・軍隊である。

 今回の「抗議船」による事件は、日本にとっての「平時における領域保全侵害排除」のうちの、「領海保全に対する侵害(つまり領海侵犯)を排除する」ケースである。

 平時の領海侵犯を排除する組織は、海上自衛隊と海上保安庁である。軍艦であればもちろん、1999年3月の北朝鮮のスパイ船・工作船のごとく武装船の領海侵犯への対処は、海上自衛隊が最初から当らなくてはならない。海保の巡視船には、そのような侵犯船に対する対処能力がないからである。一方、今回の非武装の民間船の領海侵犯のケースでは、海保の巡視船が対処すればよい。

 領海侵犯は国際法違反(つまり国際法規・慣例違反)であり、この国際法に基づいて対処しなくてはならない。すなわち今回の「抗議船」の場合、海保の巡視船は、領海を侵犯した時点で「停船命令」を発し、従わなければ強制的に停船させるために、まずこの船の前方海面に「警告射撃」を行う。それでも停船を拒絶するときは、船体に対する直接射撃(実効射撃)を行うのである。スクリューや舵等を破壊して停船させる。あるいは強制接舷して乗り込み、停船させる。そして乗組員を逮捕し、船内の捜索し、船を拿捕する。もちろん背後関係等を徹底的に取り調べるのである。

 警告射撃をしても停船を拒んだ場合で、次の船体への実効射撃や強制接舷を行うと、怪我人や死者が出るおそれがあるとしても、実行して強制停船させなければならない。出来る限り人的危害を最小化する方法で行うのが望ましいのは当然のことであるが、結果的に負傷者や死者が出たとしても、また船が撃沈することになっても、国際法は合法だとする。停船を拒絶する領海侵犯船を、そのまま放置してしまったら国際法と国際社会秩序が崩壊してしまうからである。また国際法は、敵性国家の領海侵犯船を拿捕したとき、船を返還しなくてもよいとする。中国が敵性国家なのは自明である。

 今回の領海侵犯事件に対する民主党政府の対応が、国際法(国際法規・慣習)違反であることは明白だ。公海域へ逃走しようとする領海侵犯船を、強制的に停船させることをしなかったのではない。魚釣島へ向ってどんどん領海侵犯を続けていく船を放置して、ついには領土侵犯さえさせてしまったのだ。

 侵略国家中国は国際法を破壊して、他国(日本など)の領域主権を侵害する。このとき日本政府が、領海侵犯に対して国際法に基づいて、断固たる姿勢で戦っていけば、日本の領域主権を守る上で、抑止力を高めていくことができる。逆に、民主党政府のような対応をすれば、中国による次の更なる大規模な領域侵犯を招くことになる。反日で売国の民主党政府は、それを密かに狙っているのだ。

 国際法が主権国家に、平時と有事の「領域保全に対する侵害(領域侵犯)を排除する」権利と義務を与えていることは先に述べたが、これは義務であり、民主党政府の如く、排除する戦いをしないことを許してはいないのである。そんなことを許せば、国際法も国際社会の秩序も崩壊してしまう。排除の戦いをしないことは、国際法の無視であり、中国による日本領域侵犯への加担である。民主党政府の対処行動は、日本への反逆、反日の行動である。

 野田民主党政権は、日中関係を悪化させないために(悪化することを恐れて)、怪我人を出さない対処を命じ、強制停船・拿捕を禁止した。国際法を否定して、日本の領域主権を放棄した。14人は8月17には無罪放免にした。しかも、野田政権は同じ8月17日に、「日中韓3国の自由貿易協定(FTA)」について、次官級による準備会合を8月21日に中国(青島)で開催することを合意したのであった。次官級にレベルを上げるよう求めたのは中国であった。

 まさしく民主党政府は、侵略国家中国の下僕である。私たちは直ちに、売国、反日の民主党政権を打倒していかなくてはならないのである。

●野田首相の「領土問題」記者会見(8月24日)批判

 野田首相は8月24日夕方、「領土問題」についての記者会見を行って、次のように述べた。「このような行為は看過できません。国家が果たすべき最大の責任は平和を守り、国民の安全を保証することです。この重大な務めを毅然とした態度で冷静沈着に果たし、不退転の覚悟で臨みます」と。

 「言葉」だけ見れば「立派」なことである。読売新聞を含め大部分の国民が、これまでも首相らの言葉に騙されてきた。最初の節でも書いたが、実際の「行動」とは全く逆の嘘の「言葉」を堂々と述べることができるのが左翼なのである。

 野田民主党政府は、日本の領域主権を守ることをせず、中国の尖兵である14名の活動家らの侵略行動に加担する売国、反日の行動をしておきながら、「言葉」では上のように言って、目くらましをするのだ。ナイーブな国民を騙すのだ。私たちは、左翼の「言葉」は「転倒語」になっていることを認識する必要がある。「言葉」に惑わされず、「行動」を冷静にしっかり分析して、彼らの真意をつかんでいかなくてはならないのである。

 また民主党政府は、韓国李明博大統領の竹島上陸と天皇陛下に関する発言に抗議して、対抗措置を次々と打ち出しつつある。彼らの狙いは、中国からの「抗議船」による「尖閣諸島上陸(領海・領土侵犯)事件」を、後景化してしまうことである。

 韓国への抗議と必要な対抗措置をとることは当然ではあるが、竹島は韓国が不法占拠して、もう60年近くも実効支配しているのである。一方の尖閣諸島は、日本が実効支配している。ところが中国は、尖閣諸島を中国領土にするべく、今回は尖兵の「抗議船」を使って、領海・領土侵犯の侵略行動をしてきたのである。対抗措置は、中国に対してこそすべきであるのは明白である。だが野田政権はしないのだ。中国の下僕なのである。

 民主党政府のもうひとつの狙いは、これを契機に日韓関係を対立関係化していくことである。左翼の民主党は、「親中・親北朝鮮・親ロシア」であり、「反米反日」である。「日韓対立」は、中国と北朝鮮とロシアと韓国内の左翼の利益であるとともに、米国と反左翼の自由主義の日本と韓国内の反左翼陣営にとっては不利益であるから、民主党政府が「日韓対立」を狙うことは当然なのである。

 私たち保守派は、日米韓台湾豪州・アセアン諸国・インドで、侵略国家の中国、北朝鮮、ロシアを包囲して対決していかなくてはならないことを決して忘れてはならない。その上で、批判なども行うべきである。

 私たちは何よりも、日本は内なる反日左翼勢力に侵略されていて、政府は彼ら(民主党)に占領されていて、日々日本の外交、内政、経済、文化を破壊されているということを認識して、売国、反日の民主党を一刻も早く打倒していかなくてはならないのである。民主党の嘘の「言葉」に騙されてはならない。

●尖閣諸島・南西諸島の防衛力を強化せよ

 私たちは尖閣諸島を直ちに国有化するとともに、陸上自衛隊の配備を実行しなくてはならない。すぐにである。領土を守るということは、そういうことだ。反対する政治家は、領土を守る意志のない者、あるいは売国奴の左翼として批判していかなくてはならない。

 私たちは南西諸島の防衛力を決定的に増強していかなくてはならない。現在、陸上自衛隊は沖縄本島にしか駐屯していない。しかもわずか2100人(第15旅団。那覇)である。この旅団には、戦車も砲兵も戦闘ヘリも地対艦ミサイルなどの重装備は一切配備されてなく、地上戦を戦える普通科部隊(歩兵)は、わずか1個連隊700人である(井上和彦氏、『正論』2012年8月号、127頁参照。氏は航空自衛隊幹部学校の講師も務めている)。

 井上和彦氏は次のように主張する。沖縄本島の第15旅団を師団規模約6000人に拡大改編するとともに、八重山諸島の中心に位置する石垣島(人口4万5000人)に、1000人規模の普通科連隊と陸自飛行隊を配置する。地上部隊を尖閣諸島などの周辺離島へ急派するためのUH60J、CH47J輸送ヘリと、アパッチ戦闘ヘリを配備する。石垣島は先島諸島防衛の拠点となり、尖閣諸島をはじめこの地域の抑止力は一気に高まる。

 石垣港には、海上自衛隊の高速ミサイル艇の配備も行う。また大型輸送艦を沖縄本島に配備する。それは洋上プラットフォームとして、海自、陸自、空自のヘリコプターも運用できることから、南西諸島に不可欠だ。石垣島(沖縄本島から410キロメートル)には、中国の潜水艦戦力に対処するため、海自の哨戒ヘリコプターSH60Kも配備しておきたい。この哨戒ヘリは工作船や小型水上艦艇への対処能力も高い(井上和彦氏『正論』2012年7月参照)。

 中国海軍は2008年以降、沖縄本島と宮古島の間の宮古海峡を抜けて、ひんぱんに西太平洋へ進出して軍事演習をしているが、日本の防衛戦力は宮古諸島には全く配置されていない。以下に、再び井上和彦氏の主張を紹介することにする。

 航空自衛隊(空自)は、那覇空港にF15J戦闘機を主力とする第83航空隊が配置され、海上自衛隊(海自)も、P3C哨戒機の第5航空群を那覇空港に配置しているが、増強著しい中国軍に抗していくには限界がある。海上防衛力の中でも水上艦艇は、沖縄本島の勝連に掃海艇3隻を配備するのみで、敵の水上艦艇や潜水艦と戦える護衛艦などの水上戦闘艦艇は一隻も配備されていない(配備しなくてはならない)。

 宮古島に隣接する下地島には3000メートルの滑走路がある。ここに自衛隊を進駐させることが、中国海軍に対抗する最善策となる。下地島空港に、対潜・哨戒能力に優れた海自のP3C哨戒機やP1からなる海自航空部隊を配備すれば、抑止力は格段に高まる。空自のF15J戦闘機も、下地島空港を前進基地として利用すべきだ。そうすれば、空母登場後も中国の航空戦力に対して、優位に戦うこともできよう。リスク分散という軍事的合理性からも、那覇空港の空自第83航空隊と海自第5航空群の航空部隊は、下地島基地に分散配置させておく必要がある。さらに宮古諸島には、陸自の地対艦ミサイル連隊も駐屯させておきたい(井上和彦氏、『正論』2012年8月参照)。

 日本の南西諸島(尖閣諸島を含む)の防衛力は、欠陥だらけであることがわかる。今日、対艦・対空ミサイルを配置することで、海峡(宮古)の支配はできる。沖縄本島と宮古諸島に対艦ミサイルを配備しなくてはならない。今後、尖閣諸島にも対艦・対空ミサイルを配備していくことになる。

 以上のように、日本は下地島と石垣島に新しい自衛隊の基地を設けなくてはならない。下地島飛行場は米軍との共有にする必要がある。各種の兵器も兵員も増やさなくてはならないのである。例えば元陸将の用田和仁氏は、南西諸島は九州南端から与那国島まで1300キロメートルあるが、米陸軍や海兵隊が装備している軽量高速の輸送船(HSV)を配備すれば、24時間以内に大隊規模(約600人)の部隊と装備を運び込める。高速・大量輸送の切り札HSVを大・中・小揃え配備しなくてはならないと主張している(読売新聞2010年12月1日付の「論点」、『正論』2011年2月号参照)。

 日本国家の存立のためには、防衛費は3倍に増やさなくてはならない。防衛費や自衛隊の定員を削減する行為は、反国防の「国家反逆の大犯罪」に当る。社会保障費をこそ削減すべきである。防衛費3倍化のためには、日本経済を発展成長させていくことが必要になるが、日銀と政府がその意志をもって、正しい金融政策・財政政策を実行すれば、容易なことなのだ。そのためには、日本経済をデフレ政策と円高政策で破壊し続けてきた反日の日銀総裁・副総裁・審議委員を全員、「国家反逆の罪」で交代させ、日銀法を改正し、インフレ目標政策を採用して実行していくことである。最低でも名目GDP4%以上の成長を実現していくことは簡単なことなのである。経済の停滞は日銀らの反日主義者による「人災」なのだ。

●欠陥法の自衛隊法ー「平時の領海・領土保全侵害排除」も規定されていない

 自衛隊法と海上保安庁法は欠陥法である。自衛隊法は「準・軍隊」の法律になっているし、海上保安庁法は海上警察法であり、準・軍隊部分すらない。両法には、国際法が権利・義務として与えている平時の領海・領土侵害を排除する規定はない。

 国際法(国際法規・慣例)は、主権国家に平時と有事における領域保全侵害排除の権利と義務を与えているが、この権利・義務を主体となって担う実力組織が、軍隊と準・軍隊の沿岸警備隊等(日本では海上保安庁)である。国際法が、軍隊と準・軍隊の行動を規定するのであって、国内法ではない。主権国家が軍事に関する法律を定めるときは、この国際法に支配されて、なさねばならないのである。そうでなければ、主権国家の上記の権利・義務が制限され否定されることになり、その法律は「主権制限の法律」となる。その国家は「半主権国家」ということになってしまう。

 日本の自衛隊法も海上保安庁法も、そういう法律である。日本を「半主権国家」に貶めている法律だ。それによって、日本の安全保障は脅やかされているのだ。もちろん、この悪法は<法>に違反していて無効である。「法の支配」は、国際法に支配されて軍事関連の法律は定めなければならないとするからだ。

 日本国憲法第98条2項は、「日本国が締結した条約及び確立された国際法規は、これを誠実に遵守することを必要とする」としており、自衛隊法や海上保安庁法よりも、国際法規・慣例の方が優位していることを明記している。

 だから国内法に、国際法で定まっている領海侵犯船に対する対処行動が規定されていなかったり、禁止されていても、そんなのは無視して、国際法が主権国家日本に与えている権利・義務である正当なる「領海侵犯対処行動」を断行していけばいいのである。この正しい戦いをした者は、後日、欠陥の国内法違反として不当に処罰されたり、懲戒免職にされるだろう。しかし国家を守る、正しい法を守るために、自己犠牲的に断行すべきである。その人々の勇気ある戦いと主張が、これらの悪法を全面的に抜本的に改正する上で大きな力になるはずである。

 中川八洋教授(当時)は、1999年9月に出した『中国の核戦争計画』の第5章「領域侵犯と自衛隊法全面改正の法理」で、同法の欠陥とどのように改正すべきかを詳述している。

 自衛隊法82条の「海上における警備行動」は、領海侵犯対処の行動を明確に除外するものである。82条は警察の任務である。「警備」は警察用語だ。82条に代えて、「日本国の領海に対する領域保全侵害に際しては、防衛大臣は自衛隊の部隊に対して、国際法規・慣例に従い、必要な措置を講じさせこれを排除しなければならない」としなければならない(前掲書126、127頁)。

 第93条をはじめ自衛隊法第7章にある「武器の使用」規定は、第96条を除き全て削除しなければならない。それは「警察」の概念だからだ。国際法に従う軍隊は警察ではない(前掲書第3節参照)。読者の方々には、中川氏の前書を是非とも熟読されて研究してほしいと思う。良書は本当に少ない。

 海上保安庁法も、第1条、2条、4条、5条などなど全面的、根本的に改正しなくてはならない。つまりは、海上保安庁に「国際法に従って、領海・領土(離島)侵犯に対処し排除する任務」と、「準・軍隊の性格」を入れることである。その時には、第20条1項の「武器の使用」は適用されないのは言うまでもない。また20条2項は削除だ。このとき海保は、準・軍隊として行動するから、第25条(軍隊ではないことを謳う条項)も改正しなくてはならない。

 私たちは「国防」に関して、思想的に、そして防衛力をソフト面、ハード面の両面から、根本的に改めて強化していかなくてはならない。国防に反対する沖縄の左翼をはじめ左翼は、尖閣諸島、南西諸島(沖縄)を侵略国家中国に侵略占領させようとしている尖兵であり、彼ら自身が侵略者である。日本国民ではない。私たちは、民主党政権をはじめ、左翼を解体していかなくてはならないのである。左翼の「安全・安心イデオロギー」は、日本人から倫理性と勇気を奪い、奴隷根性の人格に改造する反日イデオロギー・侵略支配イデオロギーである。私たちは大切なもののためには、命をも賭ける。

2012年8月28日脱

大森勝久


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