涼ちゃんはものすごく素直で、こっちまで浄化されそうな雰囲気がありますね。でも……「親友の恋人」くらいの立ち位置でいてほしいタイプ。「すてきな人だね」とは心から言えるけど、私個人としては恋愛対象じゃないのかもしれません(笑)。誰かにとってのベストな人なんだろうな、と感じます。
鈴愛としても、これに近い感覚があったんじゃないかなぁ……。まだ律のことを引きずっていたから、涼ちゃんを恋愛対象として見ていいのか、心の中にせめぎあいがあったと思うんです。それが、雨の中でのすてきなプロポーズを受けて、一気に「好き」に変わったんだと思います。
私は涼ちゃんとは付き合えない!
漫画家を辞めて、100円ショップ「大納言」で働き出した鈴愛は、涼次(間宮祥太朗)と出会い、惹(ひ)かれ合っていきました。永野さんは、一人の男性として涼次をどう思いますか?
でも、お互いをよく知らないまま勢いで結婚したから、一緒に住んでみて、いろいろとダメな部分が見えてきちゃったんですよね。夜中に酔っ払って歌いながら帰ってきたり、鈴愛のお金まで映画につぎ込んだりして。知れば知るほど、私自身としては「腹立つ!」って思いました。私は涼ちゃんとは付き合えない! 間宮さんにそう伝えたら、「そんなこと言わないでよー」って返されましたけど(笑)。
怒りと恐怖でぐちゃぐちゃになりました
花野(山崎莉里那)が生まれて、家族のために生きると決めた涼次でしたが、結局は映画を取り、別れてしまいましたね……。
自分の夢を犠牲にして生きるしんどさは分かるけど、ただの恋愛ではなく、結婚して子どもを育てている立場ですからね。別れ話のシーンでは、本当に怒りがこみ上げてきて、ついお皿を投げちゃいました!(笑) 特に感情が高ぶったのは、カンちゃんが間に入ってきたとき。「この花野を捨てていくのか!?」という鈴愛の言葉に、涼ちゃんは「うん……」と言いかねない勢いがあったので、怒りと恐怖でぐちゃぐちゃになりました。
漫画家として作品が描けなくなったときも本当に苦しかったけど、それは周りに迷惑をかけながらも、自分自身の問題でした。でも今回は、自分以上に守らなくちゃいけない存在――花野がいたので、本当につらかったです。
ママって呼ばれるようになりました(笑)
山崎莉里那さんと一緒に、母と子として演じてみた印象はいかがですか?
もう、莉里那ちゃんにメロメロです……。本格的に共演する前に顔合わせの機会があったんですが、莉里那ちゃんは、ずーっと笑っているんですよ。最初こそ人見知りしていたけど、それでも、ずーーーっと笑顔! その場にいるだけで周りまで笑顔にするようなかわいらしさがあって、会った瞬間から一気にいとおしさがあふれました。おかげで、母としての気持ちを自然に作ることができて、「この花野を捨てていくのか!?」も心から言えた気がします。
一緒に撮影するようになると、すぐに仲良くなって、ママって呼ばれるようになりましたよ! 「ママおはよう!」と走って来てくれるので、抱っこしたり、おんぶしたりしています。私の背中をトントンして、「今日のお昼ごはんは一緒に食べよう」って内緒話をしてくれることもあるんです(笑)。クランクアップしたら、莉里那ちゃんとも会えなくなるのかぁ……。いまから本気でさびしいです。
花野を守りながら、これからも全力で生きていきます!
【人生・怒涛編】の前半、漫画家を辞めてから離婚して岐阜に戻るまでを振り返ってみて、鈴愛にとってどんな時間だったと感じますか?
人生を変える出来事が起こりすぎて、怒涛でしたね(笑)。撮影も怒涛だったので、何がどうして起きたのか、あまり記憶がありません。でも、それは鈴愛も同じだったと思います。一つひとつの出来事を「あのときはこんなことがあった」と思い出すことはできても、たぶん、その瞬間にはよく分かっていなかったんじゃないかな……。
鈴愛はこれまで、基本的には自分の気持ちに正直に、自分のために生きてきました。でも、家族を顧みず夢に突っ走った涼ちゃんや、よく分からないまま勢いで結婚した鈴愛自身を振り返って、少し変わった。気持ちだけで動いたらダメなんだと、身をもって感じたように思います。
……とはいえ、年齢が上がっても口調は変わらないし、子どもっぽいところがたくさんあるんですけどね(笑)。40歳になっても全力ダッシュしちゃうのが鈴愛! 岐阜に帰ってきた鈴愛は、一人の母として花野を守りながら、これからも全力で生きていきますよ!