SE業界は残業が多い!
仕事が終わらなくてプライベートの時間がない!
これは女性にとって大きな問題です。
女性SEは結婚や出産といった大きなライフイベントなどをきっかけに、転職を考えることが多いといわれます。
では、女性SEが転職する先にはどんな道があるのでしょうか?
SEという仕事を見直したい、他の会社に転職したい、と悩む女性SEに向けて、女性SEの転職についてさまざまな側面からまとめてみました。
もくじ [ひらく]
SE業界は残業が多い
SE業界では残業してシステム開発を間に合わせる考え方が浸透しているため、ほかの業種と比べて、残業が多くても当たり前と考えられがちです。
一般的に、勤務日数20日に対し30時間以上の残業時間があると残業が多いと認識されているのですが、SE業界ではこの30時間以上の残業をはるか上回ることがしばしばです。
たとえば、
・残業時間が月に60時間(月の稼働が約220時間)を超え、休日出勤が2回程度発生してもSE業界ではやや多いくらい
という程度の認識です。
ほかの業界では残業が多いと捉えられる時間はSE業界では「普通」レベルであるほど残業は常態化しています。
男女平等とは言え、やはり女性は家事や育児などプライベートにかける時間が必要になってくるため、女性にとってSE業界で働き続けることはハードルが高いと言われます。
残業時間が月に60時間を超え、退社時間が20時30分ともなると、女性にとってプライベートへの影響が無視できないほど大きくなるのです。
SE業界ではさらに残業時間や休日出勤が増えることも多々あり、そうなるとプライベートな時間はほとんど取れなくなり、女性が転職を考える大きなきっかけとなるわけですね。
結婚・出産の機会に見直す女性SEは多い
女性SEにとって、結婚や出産による生活の変化は転職を考えるタイミングとなります。
結婚や出産、そのあとの育児にはお金がかかりますから、本来なら転職をせずこれまでどおり働けるのが理想。
ですが、SE業界の残業の多さから仕事と家事育児の両立ができず転職を考えざるを得ないというのが現状です。
たとえこれまでより収入が減っても、子供との時間を確保できるように転職を視野に入れはじめるようです。
女性SEの転職おすすめランキングベスト3
おすすめの転職先1位 大手SIer
女性SEのおすすめの転職先第1位は大手Slerへの転職です。
大手Slerのメリット
- 夫の転勤に対応できる
- 育児休暇が充実している
- 女性SEのキャリアパス制度
同じSEという職業でも、大手Slerに所属するのと中小Slerに所属もしくは個人で働くのでは、福利厚生面が違ってきます。
大手Slerでは女性に嬉しい福利厚生制度を取り入れていることが多いからです。
おすすめの転職先2位 社内SE
女性SEのおすすめの転職先第2位は社内SEへの転職です。
それぞれの企業にもよるのですが、お客様相手のシステム開発よりも社内SEの業務は残業時間が少ない傾向にあります。
社内SEは、一般的に、企業の情報システム部門に配属されます。
社内SEの仕事内容
- 社内のパソコンや携帯電話の端末管理
- システムの導入や改善
- QA対応
- IT戦略の推進
- 経営陣のITキャリアアップ
いずれも定型作業が多く、そのため定時に帰宅できる可能性も高いです。
ただし、同じ社内SEでも、その企業によってどのような業務内容の求人を募集しているかはバラバラです。
これまでの経験をそのまま活かせる部署もありますし、なかには基礎知識こそ役立つけれど新しい勉強が必要な部署もあります。
社内SEへの転職を考える場合は、自分だけで転職先を探すより転職エージェントを利用するのがおすすめ。
自分の得意分野やこれまでの経験によりマッチした転職先が見つかるでしょう。
おすすめの転職先3位 事務職への転職
女性SEのおすすめの転職先第3位は事務職への転職です。
女性SEのなかでも、転職にあたりSEという職業でなくても構わないという場合は事務職への転職という道があります。
これまでのSEとしての経験は活かせませんが、培ってきたITスキルを役立てることはできます。
たとえばWindowsの操作やWordやExcelといったもの。またITスキルが高く、ちょっとしたパソコンやシステムのトラブルに対応できると、周りに重宝されることでしょう。
事務職は一般的に、SEと比べると収入が低くなる傾向がありますが、残業時間が減るのが最大のメリット。
プライベートな時間をしっかり確保でき、家庭と仕事とのバランスを取った生活を送ることが可能です。
大手Slerがおすすめな3つの理由
理由1夫の転勤に対応できる
女性SEが結婚すると、まず直面するのが夫の転勤問題です。
中小Slerですと本社のみの営業形態であることが多く、転勤命令の出た夫についていくためには、自分が仕事を辞めるほかありません。
一方、大手Slerは本社以外に各地に支店があることも多く、夫の転勤に合わせて自分の勤務先を変更できる可能性が高いです。
結婚した相手が転勤の可能性のある企業に勤めている女性SEは、大手Slerへの転職を視野に入れるとよいでしょう。
理由2育児休暇など福利厚生が充実している
大手SIerは、福利厚生制度が整っていることが多いです。
なかでも女性に嬉しいのは、育児休暇制度が整備されている、育児休暇中の金銭面の補助制度がある企業です。
また、出産前の産休制度があると妊娠したからと仕事をやめることもありません。
無事出産し、生活がある程度落ち着いたタイミングでもとの職場に復帰できるのは、女性にとってとても心強いことです。
中小Slerでは残念ながら福利厚生が充実していない企業が多いのが実情。
女性SEは、結婚や将来の出産に備えて、このような制度の整った大手Slerへの転職を考えてみましょう。
理由3女性SEの昇進制度がある
大手Slerでは、女性の昇進制度も充実しています。
たとえば、20代後半にプログラマとして転職した場合、3年後にはシステムエンジニア、5年後にはプロジェクトマネージャー補佐への道が開かれています。
また30代前半ですでにシステムエンジニアで転職した場合は、3年後にはプロジェクトマネージャー、5年後には部門リーダー、10年後にはコンサルタントやシステム部門の責任者に抜擢されることも。
中小Slerは社内人数から考えてそれほど多くの役職がなく、いくら仕事ができる人でも役職につけないことも多々あります。
一方、大手Slerでは、仕事ができる人物を昇進させる仕組みが整っていて、女性管理職の割合も高いです。
女性SEが将来を見据えて、今後もSE業界で働きキャリアアップを目指したいと考えるのであれば、大手Slerへの転職がベストです。
働き方や雇用形態を変えてみる
女性SEの転職方法として、SEという職業やこれまでの会社は変えずに働き方を変えると考え方もあります。
SEの働き方としては、正社員、派遣社員、アルバイトという3つの雇用形態があります。
正社員で時短勤務にする
また企業のなかには正社員の時短勤務制度が整っているところもあります。
時短勤務とは通常の勤務時間よりだいたい1~2時間短い就業時間で働く制度です。
一般的に正社員は収入や福利厚生面が安定していますが、責任が重くその分拘束時間も長くなります。
アルバイトか派遣にする
アルバイトになると収入は時給制になることが多く正社員と比べると低くなりますが、拘束時間や責任も低くなります。
派遣社員は派遣先の企業により待遇が異なりますが、それでも正社員と比べたら拘束時間は減ります。
正社員ならではの安定は大切。ですが妊娠や出産、育児という人生における重要な場面では、収入の高さよりプライベートな時間の確保が第一という考え方も必要です。
派遣社員やアルバイトという雇用形態をチョイスすれば、女性SEの悩みであるプライベート時間が確保できない、家事育児と仕事の両立ができないという問題を解決できるかも知れません。
もちろん収入は減ってしまいますが、その期間は旦那様に働いてもらい、子供の手が離れたときにまた第一線で働くという柔軟な考えもあります。
女性SEの転職に適した年齢とは
女性SEの転職に適した年齢について考えてみましょう。
- 転職先がSEの場合 ⇒ 35~40歳まで
- 転職先が大手Slerの場合 ⇒ 35歳前後
- 転職先が社内SEの場合 ⇒ 40歳まで
- 転職先が事務職の場合 ⇒ 40歳まで
例えば、大手Slerでは、10年くらいの実務経験のあるSEの募集が多く、新卒から計算すると適正年齢は35歳前後となります。
社内SEは、実務経験が豊富でスキルが身についていれば40歳くらいまで採用されることが多いです。
逆に、事務職への転職は年齢にはあまり左右されません。ただし募集企業によってはさらなる資格取得などのスキルアップを必要とすることがあり、その場合は40歳くらいまでを適正年齢に考えます。
意外と難しいのが雇用形態の変更です。経験豊富な人材は企業としても正社員として採用してバリバリ働いてほしいのが本音なので門戸が狭くなっています。
できるだけ早く遅くとも35歳までに働き方の見直しをしてしまうのがベストです。
なお40歳くらいまで転職可能な求人があったとしても、転職後に結婚や出産を考えている場合は、産休や育児休暇とキャリアの兼ね合いを考えて、やはり35歳くらいまでに転職するのが賢明です。
転職エージェントに相談して転職を成功させよう
女性SEが転職を視野に入れて悩むとき、ひとりでは解決できずモヤモヤを抱えこんでしまうことがあります。
転職に悩んでいるときというのは精神状態がすでに暗いトンネルに入り込んでいるようなもの。
- 今の職場を手放して自分は本当に転職していいのか
- 自分の年齢やキャリアで転職してもよいものなのか
- 自分は本当に転職できるのか
などネガティブな考えに取りつかれていて正常な判断ができないことも多々あります。
そんなときには誰かに相談するのが一番。ただし同僚や友人にやみくもに相談してもあまりよい解決策がもたらされません。
周りの同僚はまだ悩みにぶち当たっていずやりがいを持って日々の業務に携わっています。
相談しても「せっかく正社員としてよい仕事をしているのに転職するなんてただの甘え」なんていう辛辣な意見が返ってくるかもしれません。
ですので、転職の相談をするには転職エージェントを利用するのがおすすめです。
転職エージェントは転職のプロであり、あなたの転職への想いをサポートして後押ししてくれます。
思い切って相談してみると、世の中に自分と同じように悩む女性SEがたくさんいることが分かり、自分の考えが甘えなどではないということもはっきりします。
自身を取り戻し暗いトンネルから明るい場所に出てくることが転職への第一歩です。
転職エージェントのなかには、相談無料のところや希望に応じて女性の担当がついてくれるところもあります。
もちろん転職先の紹介をしてくれますし、転職に際するさまざまな悩みに寄り添いフォローしてくれます。
まとめ
女性SEが転職する際のステップとして、はじめにSEを続けるのか辞めるのかの選択をおこないましょう。
SEという仕事が好きで続けたい場合は、雇用形態を変える、時短勤務や福利厚生の整った大手Slerへの転職をすることで、悩みが解決することがあります。
次に収入と勤務時間のバランスを考えます。SEとして働くのか事務職など他業種に転職するのかで収入や勤務時間は大きく変わります。
結婚や出産をきっかけに転職を考えたときには、これまでの収入に固執せず、夫と合わせた世帯収入と家族の生活に視点を移すことも重要です。
女性SEの転職には不安がつきもの。転職先の条件といった直接的なことだけではなく、そもそも転職が正しい選択なのかといった悩みの迷路に入り込んでしまうこともあります。
女性SEが、仕事とプライベートとのバランスを考えて転職を視野に入れるのはともすれば当たり前のことなので自信を持ってください。
ひとりで悩まずに誰かに相談することで解決の糸口が見えてきます。周りに相談できる人がいないときは、転職のプロである転職エージェントに相談してみましょう。
これからの転職活動がよりよい方向に進むことでしょう。