好評です!
ほぼ日のアプリあります。

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2018-08-05

糸井重里が毎日書くエッセイのようなもの今日のダーリン

・TOBICHIでやっている「たった12の『CROSSOVER』展。」
 はたらき盛りの男性に、ぜひおすすめしたい。
 「ほぼ日」もそうだけど、TOBICHIにも
 女性のお客さんが多くやってきてくれる。
 女性のほうがたのしみ方がじょうずなんだ、
 そして、女性の発想のほうが進化していくんだぞ、
 とかも思うのだけれど、ときどきは、
 もっと男性もがんばろうよという気分にもなる。

 写真の展示は、それほどたくさんはない。
 その作品には、完成した写真表現を
 どうつくっていったかのプロセスも添えられている。
 これがメインのTOBICHI2の2階での展示。
 1階は暗くして、瀧本さんの関わったCMの上映だ。
 合計40本だというが、たいへんな見ごたえがある。
 広告の世界から離れたつもりのぼくが、
 なにをしたかったのか、どういう愉快があったのか、
 これを見ていたらわかったような気にさえなった。
 信号前のTOBICHIのほうでも暗い部屋をつくって、
 瀧本幹也が撮影を担当した映画のワンカットを、
 スチル写真のようにスライド上映している。
 是枝裕和監督の映画として見ていたものが、同時に
 瀧本幹也の写真作品だったということがよくわかる。

 どの展示も「うそばなし」をどれだけ真剣にやるか、だ。
 広告としてつくられる世界が「うそばなし」だとか、
 狭義のうそについて言いたいのではない。
 是枝さんの映画も、村上春樹の小説も、
 神話だって伝説だって、みんな「うそばなし」である。
 瀧本さんが撮影しているのは、
 実際にいる女性ではなく女優の芝居であり、
 それは創られた台本に合わせて展開される。
 しかし、これを真剣に取り組むと、受け手に
 「このうそから受けとめるなにか」が手渡せる。
 映画のチームも広告のチームも、
 「うそばなし」を完成させるためのいい共犯者がほしい。
 つまり「たよりになるやつ」とやりたいのだ。
 回りくどくなったが、瀧本幹也という写真家は、
 実にまことに「たよりになるやつ」なのだと思う。
 男性諸君よ、「たよりになる」を見に行ってみてくれ。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
短い時間でも長い時間でも、なにか受けとめられると思う。


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