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気付いたらオークになっていたので日記をつけることにした 作者:藤屋順一

第一章 集落と周辺の環境を良くすることにした

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豚日記29

豚歴1年2月21日 晴れ


小屋の床板を切り出す作業に難儀した。

「丸太の耳を落として角材にした後、縦に等間隔に切っていくのよ。簡単でしょ」

とか言ってきやがって実際やってみたらとんでもねぇ こんなん素人にできるかよ。

切り口が上下でも曲がるし左右でも曲がるしで、出来上がった板は三次元で波打って何とも名状し難い微妙な曲線を描く現代アートみたいになった。

現代アートと言ってもこの世界の時代背景は全然わかんねぇがな。

山から見える景色も貧乏村もヤリモク町も中世ヨーロッパ?風のファンタジー臭溢れる光景が広がっている。簡単に言えばド〇クエの世界だ。

俺はこの世界で住まいの匠にはなれんだろうが、もしかしたら美の巨匠にだったらなれるかも知れない。

試しに出来上がったアート作品をティエラに見せたら、「洗濯板にも使えないわよ」とか言って苦労の結晶をぽいとそこいらに投げ捨てた。

こいついつか絶対アヘらせてダブルピースさせた後おもらしするまで犯してやる。そう誓った。

まぁ、そんな馬鹿な妄想はそのくらいにしておいて、その後失敗作を何枚も出しながら少々厚みのバラツキや歪みはあるが、ようやく板らしい板を切り出せるようになった。

俺が手こずってる最中ナカジマが「そんなことよりヤリモク行こうぜ!」とかお気楽な感じで声をかけてきたんで丸太でもってケツにフルスイングしてやった。天気良いんだからさっさとバニラとレベル上げに行きやがれ。

と言う訳で今日は板を切り出すだけの一日だった。



豚歴1年2月22日 晴れ


朝飯を食いに行くと俺のアート作品が薪に使われてた。さらばだ、俺の短い夢よ。

大工仕事の前に材木を取りに行くために畑の方へ行ったらノラとゴリさんの統率力と豚畜生十匹の労働力ですっげえ農園みたいになってた。

ティエラの指導のおかげとは言え、俺が小屋を作るのに苦労している間に……数の暴力って怖ぇな。

ついでなんで肥溜めの手入れもした。

こないだ作った『うんこと落ち葉のミルフィーユ、ズダ袋添え』もかさが減ってちょっとふんわりしてた。手を近づけると温いんで発酵が進んでるんだろう。

膝当たりの高さの山が三つあるのを鋤で混ぜ混ぜして一山にまとめて、またズダ袋をかけておいた。もう暫くすると肥やしにできそうだ。

材木を運んでいるとナカジマがダラダラしてたんでドヤして先にレベル上げに行かせた。こういうのは先手必勝だ。

昼過ぎになってやっと出来が良いのをそろえたら小屋の床一面に敷けるくらいの床板が完成した。

少々曲がったりして出来が悪い板でもこの後何かするのには使えるだろう。

床を一面に敷き終えると良い感じだ。

柱が六本に床梁が組みつけられ床板が敷き詰められている状態で、後は上側の梁を組みつけたら俺の仕事は終わりだ。

午後はちょっと細めの木を梁に加工して作業を終えた。

夜になってバニラ一行がドラゴンとトカゲの間みたいなでかい爬虫類を獲物に持って帰ってきた。こいつら結構強くなってるんじゃないか?

豚畜生カーストの最底辺だったナカジマも今じゃそこそこの位置にいるし、きっとレベル上げも順調なんだろう。

その後ドラゴントカゲをバーベキューにしてみんなで食ったが、鱗が邪魔で解体しにくいし肉は固いし臭いしで評判は散々だった。苦労したところで悪いがもう二度と捕ってくんなよ。


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