「女子の一律減点」はなかった? 読売が「3浪以下の男子に加点」と修正
東京医大「女子一律減点」報道を受け、抗議する人たち(写真:Rodrigo Reyes Marin/アフロ)
社会のみならず世界に駆け巡った東京医大の「女子受験生一律減点」報道。ところが、そのスクープをした読売新聞が8月5日付朝刊1面トップで「同大による内部調査の詳細が判明した」として、当初の報道の一部が事実と異なることを事実上認める内容の続報をしている。前日まで使われていた「女子受験生の一律減点」という表現は一切なくなっていた。
先日書いたコラム「東京医大『女子受験者を一律減点』報道 まだ鵜呑みにできない理由」で、「正直いえば、誤報になる可能性は極めて低いと私は思っている」と書いておいたが、どうやら「部分誤報」だった可能性が浮上したことになる。やはり「事実」と鵜呑みにしてはならなかった。
読売の続報には、次のように書かれている。
一部の同大関係者は、1次終了後に女子の得点を一律に減点したと証言していたが、内部調査の結果、1次で女子の減点はなく、2次の小論文で複雑な計算式を用いて減点していたことが判明した。
関係者によると、同大は、1次と2次の結果が出そろった段階で、全員の小論文の得点に一律「0・8」の係数を掛けて減点。ただ、男子の場合、減点後に現役と1~2浪の受験生に一律20点を加点し、3浪には10点を加えていた。逆に女子と4浪以上の男子には一切加点していなかった。
この結果、2浪までの男子は、本来よりも小論文の得点が増えた可能性が高い一方、女子と3浪以上の男子の得点は抑えられ、合格者数が抑制されていた。
要するに、1次でも2次でも女子だけを対象にした一律減点はしておらず、2次で現役~3浪の男子に加点するなどの得点操作をしていたということのようだ。
読売新聞は当初次のように報じていた。
東京医科大(東京)が今年2月に行った医学部医学科の一般入試で、女子受験者の得点を一律に減点し、合格者数を抑えていたことが関係者の話でわかった。女子だけに不利な操作は、受験者側に一切の説明がないまま2011年頃から続いていた。
関係者によると、同大側は、1次の結果が出そろった段階で女子の得点に一定の係数を掛けて減点するなどしていた。

今朝の読売新聞の続報が事実であれば(これも読売が取材した「関係者」情報であって、まだ事実と確証できるものではない)、従来の「1次で女子を一律減点した」という報道は誤報だったことになる。
もちろん、この続報のとおりであっても、女子合格者を抑制する効果を狙っていたと考えられるから、その限りでは誤りではない。読売新聞も、今朝の続報から「東京医科大(東京)が医学部医学科の一般入試で女子受験生の合格者数を抑制していた問題」という表現に切り替えている。
事実上の「男子の優遇措置」で「性差別問題」という問題の本質は変わらないと言えそうだが、4浪以上の男子には女子と同様、加点対象になっていないのなら「全ての男子に優遇措置」ではなかったことになる。
事実関係が確定すれば、読売新聞をはじめ各紙は、きちんと一部訂正して検証すべきではないだろうか。

しかも、今朝の朝刊に掲載された「得点操作」のチャート図にも不審な点がある。「1次試験」の欄では「5人前後の男女に10~数十点を加点」とあり、「2次試験」の欄では
小論部の点数で「0.8」の係数を掛け、女子と4浪以上の男子を減点
と記しているが、記事内容に即して正確に書けば
小論部の点数で「0.8」の係数を掛け、3浪以下の男子を加点
となるはずだ。当初の「一律減点」報道を正当化したいためか、「減点」と書くのはおかしいのではないか。