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福井

猛暑で鶏も食欲不振…卵、小ぶりに 県内養鶏会社

 連日の猛暑で、食欲が減退するのは人間だけではないようだ。鶏の餌の食い付きが悪く、食卓に欠かせない卵にも影響が及んでいる。卵の形が小さくなる傾向が例年より長く続いており、県内の養鶏会社の関係者は猛暑に戸惑いつつ「いつ涼しくなるのか」と気をもんでいる。鶏は汗腺がなく、人間のように温度調整ができないことから、もともと暑さには弱い。今年は連日猛暑が続き、鶏にとっても酷暑となっている。

 県内で三カ所の鶏舎を展開する土田鶏卵(福井市御幸二)によると、毎年夏になると卵が小さくなる傾向は見られる。ただ、今年は暑くなる時期が早かったため、小さくなる時期が長くなっているという。この傾向は、Lサイズ(六十四グラム以上~七十グラム未満)よりもMサイズ(五十八グラム以上~六十四グラム未満)に多く見られるという。暑さ対策として、鶏舎の風通しを良くするなどしているが、担当者は「この暑さがいつまで続くのか」と話す。

 約二万羽を飼養する岡崎養鶏(越前市広瀬町)の岡崎政視社長は、今年の猛暑について「鶏にとっても異常な状態」と指摘する。餌食いが悪く、卵は小玉が多い。大玉が少ない状態になって出荷重量が少なくなる影響も懸念されており「ここまで暑いとは」と嘆く。夕方や朝の比較的気温が下がる時間帯に水をやるなど暑さ対策は試みているものの「気温が早く下がってくれるのを待つしかない」と願う。

 暑さの影響は乳牛にも。奥越高原牧場では、雨が降らないことから牧草が伸びず、場所によっては枯れている。担当者は「冬場の餌の確保が難しくなる」と心配している。

 (中場賢一)

 

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