仮想通貨のトレーダーKAZMAX(吉澤和真)氏が先日DMMサロンを開設しました。このサロンに対し2日で2897人(8月5日早朝現在)の希望者が殺到、一瞬にして日本最大のサロンが誕生しました。
同サロンは月額3万円の会費ですので毎月:
の売上高が立つことになります。それを一年間続けたと仮定して:
という計算になります。
決済を担当するDMMが2割を取り、サロン・オーナーが8割を取る仕組みになっています。
この10.4億円は年間定期売上(ARR: Annual Recurring Revenue)と規定することが出来ると思います。
ただしそれは「いま入会した会員が1年間、退会せずに続けたとして……」という仮定の上で計算した「予想値」です。
実際には会員(=これをサブスクライバーと言います)の中からは退会者が出てくると思われます。
退会が起こることをChurn(チャーン)と言います。それをパーセントで示したのが顧客離反率です。
たとえば100人のうち2人が退会すれば顧客離反率(Churn rate)は2%というわけです。
いま2897人の会員がどれだけ価値があるか? ということを考える場合、顧客離反率が低ければ低いほどその会員には価値があるし、逆に顧客離反率が高ければその顧客群から見込まれる将来のキャッシュフローはどんどん目減りするので高い価値を賦与できません。
たとえばスポティファイ(ティッカーシンボル:SPOT)の2017年第4四半期の顧客離反率は5.1%でした。
一方、ミールキットのブルー・エプロン(ティッカーシンボル:APRN)の2018年第2四半期の顧客離反率は軽く20%を超えています。
株式市場で投資家がスポティファイとブルー・エプロンに与えている時価総額には「月とスッポン」くらいの差があるのはこのためです。
いま仮にKAZMAX氏のサロン・ビジネスのARRを計算を単純化するために10億円としましょう。そして顧客離反率が10%だとします。
という数式が成り立ちます。ここでnとは「本年度」、n + 1は来年です。ACVとはAnnual Contract Valueの略で今後1年間に新規に獲得するサブスクライバー+購読料の値上げ(但し、もし値上げする場合)ということになります。
そしてKAZMAX氏のサロン・ビジネスの損益計算書は:
ということになります。
ここで大事なのは次の年を「期末でのARR 12億円」からスタートできる点にあります。つまり顧客離反率を低く抑え、新規顧客獲得(ACV)がそれなりに好調であれば、このサブスクリプション・ビジネスはどんどん雪だるま式に大きくなってゆくことが出来るということです。
たとえばネットフリックス(ティッカーシンボル:NFLX)が年間130億ドルという莫大な資金を投下して大作TVドラマ・シリーズを沢山撮っている理由は:
という2つの目的があるのです。
また上の損益計算書の中で営業・マーケティング費用が0円となっているのはKAZMAX氏はツイッターで既にフォロワーが居るので、わざわざ宣伝広告を打つ必要が無いからです。
田端信太郎氏が「ブランド人になれ!」と喝破する理由は、この「営業・マーケティング費用0円!」という状態を作れるようにしないといけないからです。
同サロンは月額3万円の会費ですので毎月:
30000 × 2897 = 8691万円
の売上高が立つことになります。それを一年間続けたと仮定して:
8691万円 × 12 = 10.4億円
という計算になります。
決済を担当するDMMが2割を取り、サロン・オーナーが8割を取る仕組みになっています。
この10.4億円は年間定期売上(ARR: Annual Recurring Revenue)と規定することが出来ると思います。
ただしそれは「いま入会した会員が1年間、退会せずに続けたとして……」という仮定の上で計算した「予想値」です。
実際には会員(=これをサブスクライバーと言います)の中からは退会者が出てくると思われます。
退会が起こることをChurn(チャーン)と言います。それをパーセントで示したのが顧客離反率です。
たとえば100人のうち2人が退会すれば顧客離反率(Churn rate)は2%というわけです。
いま2897人の会員がどれだけ価値があるか? ということを考える場合、顧客離反率が低ければ低いほどその会員には価値があるし、逆に顧客離反率が高ければその顧客群から見込まれる将来のキャッシュフローはどんどん目減りするので高い価値を賦与できません。
たとえばスポティファイ(ティッカーシンボル:SPOT)の2017年第4四半期の顧客離反率は5.1%でした。
一方、ミールキットのブルー・エプロン(ティッカーシンボル:APRN)の2018年第2四半期の顧客離反率は軽く20%を超えています。
株式市場で投資家がスポティファイとブルー・エプロンに与えている時価総額には「月とスッポン」くらいの差があるのはこのためです。
いま仮にKAZMAX氏のサロン・ビジネスのARRを計算を単純化するために10億円としましょう。そして顧客離反率が10%だとします。
ARRn - Churn + ACV =ARR(n + 1)
という数式が成り立ちます。ここでnとは「本年度」、n + 1は来年です。ACVとはAnnual Contract Valueの略で今後1年間に新規に獲得するサブスクライバー+購読料の値上げ(但し、もし値上げする場合)ということになります。
そしてKAZMAX氏のサロン・ビジネスの損益計算書は:
ARR 10億円
Churn (1億円)
Net ARR 9億円
DMM手数料 (1.8億円)
COGS(Cost of Goods Sold=材料費) (0円)
間接費 (0円)
研究開発費 (0円)
営業・マーケティング費用 (0円)
税前利益 7.2億円
ACV 3億円(仮にサブスクライバーがあと30%増えたと仮定して)
期末でのARR 12億円 (NetARR + ACV)
ということになります。
ここで大事なのは次の年を「期末でのARR 12億円」からスタートできる点にあります。つまり顧客離反率を低く抑え、新規顧客獲得(ACV)がそれなりに好調であれば、このサブスクリプション・ビジネスはどんどん雪だるま式に大きくなってゆくことが出来るということです。
たとえばネットフリックス(ティッカーシンボル:NFLX)が年間130億ドルという莫大な資金を投下して大作TVドラマ・シリーズを沢山撮っている理由は:
1) ACVを増やす
2) 顧客離反を抑える
という2つの目的があるのです。
また上の損益計算書の中で営業・マーケティング費用が0円となっているのはKAZMAX氏はツイッターで既にフォロワーが居るので、わざわざ宣伝広告を打つ必要が無いからです。
田端信太郎氏が「ブランド人になれ!」と喝破する理由は、この「営業・マーケティング費用0円!」という状態を作れるようにしないといけないからです。