共産主義の陰謀を明かすドキュメンタリー映画 知られざる事実に全米が驚愕
バウアーズ氏は映画を制作する上で多くの専門家や学者、政府高官を取材した。共産主義国家の出身の者もいる。彼らは様々な角度から共産党の邪悪な本質を暴き、共産主義者の浸透と欺瞞(ぎまん)の方策を分析したが、その結果は驚くものばかりだ。
かつてホワイトハウスに所属していた経済学者兼作家であるジム・シンプソン氏は、「それが醜悪な頭を挙げたときから、私たちは世界中の共産主義と戦ってきた」と話す。
アウグスティン・ブラスケス(Augustin Blazquez)氏はキューバ生まれだ。彼は後に渡米し映画監督になったが、アメリカが共産主義国への変貌を遂げつつあることを危惧している。「私はキューバで育ったが、キューバが共産主義国になるとは思っていなかった。共産党がキューバを占領しつつあると人々が警告した時、私たちキューバ人はそれを信じなかった。ここではあり得るはずがないと思った。しかしキューバで起こったことは現在のアメリカでも起こりつつある。私はその先にある結末が見えているから、非常に不安だ。もう少し時間が経てば、アメリカ人の反抗は無用になるだろう。アメリカ人は何もかも失うだろう。所有するすべてを失うだろう。家にいれば安全だなんて思わない方がいい。家にいても、どこにいても、彼らはやって来てあなたの腕を捕らえ、あなたの生活様式を含むすべてを持っていくだろう。そうすると最後には国家に頼らざるを得なくなる」
パヴェル・ストロイロフはソ連に生まれ、2003年に国外逃亡し、イギリスで政治庇護を受けている。「Behind the Desert Storm(砂漠の嵐の背後)」の作者でもあるストロイロフ氏は、「冷戦は終わってなんかいない、言い換えれば、西側は勝利を収めていないのだ。冷戦は二つの国家集団の争いではなく、思想形態の戦いだ。ユートピア・独裁政治・社会主義と民主・自由・市場経済の間の争いなのだ」
ストロイロフ氏は、「イデオロギーの戦争を終結する方法、つまり一つのイデオロギーを消し去る方法は歴史上に先例がある。それはナチスに対する審判だ。ニュルンベルクのような形式な審判で共産主義を裁き、そのすべての罪悪を白日の下に曝し、全ての文書を公開し、歴史的審判を行う。しかし裁判は行われなかった」
ニュージーランドの政治家トレバー・ルードン氏は、ニュージーランド共産党内部にかつて潜入した人物を取材した内容を語った。その人物は1983年にソ連のレーニン学院に送られた。レーニン学院は世界各地の共産主義者が勉学する場所で、6000人の在校生を誇り、中には7年間学習する者もいた。
ルードン氏は、「レーニン学院で生徒は西側諸国に門戸開放し、敵対状態を緩和することを習った。なぜならその方が共産主義の発展に資するからだ。そこで共産主義者たちは西側に対し門戸を開放し、共産主義を掲げないほど低調になり、自らの共産党システムを改革すると言いだした」と話す。
アメリカの映画製作者のG.エドワードグリフィン氏は、共産主義者が絶えず外見を変えて世界を惑わしていると指摘する。「レーニンが掲げた策略の一つに、わざと敗北したと装うというものがある。こてこての『共産主義』を改めて少しソフトな『レーニン主義』と称し、敵対的な姿勢と友好的な姿勢を交互に繰り出すことで、相手に安全であると錯覚させる」「彼らは名前を変えるのが得意だ。もとは『共産党政治委員』と書かれた帽子の一面を反対側に回し、前面には『企業家』『資本家』『社会民主活動家』などと書く。しかし同じ帽子を同じ人物がかぶっているに過ぎず、『レーニン主義者』に変わりはない」
バウアーズ氏は映画で、「『共産党宣言』が主張しているように、共産主義の目標は家庭、教会、そして国家を破壊することだ。悪いことに、家庭教会国家はまさにキリスト教において神が作ったとされるものだ」「アメリカが偉大な国家になれた理由は神の導きに従い、これらの三大社会構造に各々の効能を発揮させたからだ。これらの三つの社会機構にはすべて個人が集団による侵害を受けないように保護する機能がある。しかし我々がいま直面している攻撃はまさにこれらの機構を破壊しようとしているのです」と述べた。「個人や集団の動機はどうであれ、アメリカの敵はまさに天が家庭と教会に付与した権利を政府に与えようとしているものであり、集団主義者たちだ」
グリフィン氏は、「集団主義は一つの広範な概念で、共産主義やファシズム、ナチズム、社会主義、左翼、リベラル派などを含む。これらの異なる名前は集団主義の異なった傾向を示しているにすぎず、集団主義の核心的思想は国家至上主義であり、個人は多数者の利益のために犠牲を払うべきだと考える。様々な集団主義陰謀の最終目標は、まさに「揺りかごから墓場まで」の言葉に代表されるように国家が個人の生活に深く介入することだ。これはマルクス主義に他ならない。この点を理解できない人は、独裁政治でない限り政府により多くの権力を付与してもよいと考えるが、歴史的にそれは不可能だと証明されている」
「大きな政府」による経済的搾取
映画「アジェンダ」は、「共産党宣言」とレーニンの主義主張を突き合わせ、アメリカ経済の現状とともに、アメリカの社会福祉制度がはらむ重大な弊害に警鐘を鳴らした。そして、インフレーションと政府による重税は国民の合法的財産を奪い取っているにすぎないと指摘した。「アメリカの自由主義経済がどうしてダメになったのかを国民は理解していない。インフレや重税、市場介入が国民の生産能力と蓄財能力を破壊したからだ。人々が今、財産の再分配のみを論じ、より多くの財産を生み出す方法について議論しようとしない」「どのような理論を盾に取ろうと、事実上「各々の長所を発揮し、需要に応じて分配する」という論理は全世界でまかり通っている。これはまさに共産主義の論理だ」
作家スター・パーカー氏は、「福祉社会がもたらす広範囲な破壊に気付いている者は少ない。リベラル派が掲げる社会の公平や平等といった考え方の裏には、邪悪な目的がある」と言った。
事実、共産党宣言第五項は中央銀行の構築について言及している。1913年、アメリカ議会は中央銀行設立法案を通過させ、翌1914年には連邦準備制度理事会が成立した。
グリフィン氏は著書において連邦準備制度が成立した動機を分析した。「今日の1ドルは1913年当時の相場でいえば1ドルの価値しかない。1913年に米国議会は法案を通過させ、連邦準備制度を作った。それが窃盗の始まりだ」「インフレーションは目に見えない租税のようなもので、貯蓄を持つ人の手から財産を盗み取っている。人々は退職してから初めて、一生の貯蓄は何も買えないことに気づく」
アメリカ元国連大使アラン博士は、「連邦準備制度理事会と言えばだれも政府機関と思うが、実際は違うのだ。FRBは私的な銀行システムに過ぎない」
ソ連の創始者レーニンは、「租税、そしてその後輩、すなわちインフレーションは、自由主義経済を取り除く致命的な武器である」と言った。
アメリカの現在の経済はジョン・メイナード・ケインズが提唱した理論を基礎においている。ケインズは、「インフレーションを通して政府は人知れぬ間に国民の財産を収奪することができる。レーニンはまったく正しかった。社会を基礎から瓦解させる最も有効で最も隠密な方法はその貨幣価値を低下させることだ。この過程において社会に潜むあらゆる経済法則を用いるが、百万人いても誰一人として疑問を抱くことはない」と語った。
「共産党宣言」の第二部には所得に応じた累進課税を実施すると書かれてある。アメリカは1914年より累進課税を行ってきた。アラン氏は、もし政府が国民の徴税率を定めるならば、政府が国民一人ひとりの収入を完璧に把握していることになる。「もしこの場合、あなたはもはや自由人ではなく、奴隷だ。あなたは政府の配給によって生活していることに等しい」と語る。
映画の中で累進課税の弊害が暴露された。レーガン大統領が就任したての頃の所得税率は最高で70%だったが、退任するときの税率は27%以下となった。その間、連邦政府の収入は二倍も増加した。バウアーズ氏は「パイの大きさは決まっている」という嘘を打ち破った。「左派は、お金持ちに課税すれば経済を刺激すると嘘をつくが、それは全くの嘘だ。国民がますます政府を頼るように仕向ける、彼の策略だ」