☆前回からの続きです。
アクシズのハマーン・カーンをめぐり、ティターンズは徐々に崩壊していくことになる。
ティターンズ(地球連邦軍)とエゥーゴ(反地球連邦)の対立が激化しているなかで、ハマーン率いるアクシズは着々とことを進めていたのである。
一年戦争終了後、元ジオン軍残党狩りの名の元に結成された「ティターンズ」。 この組織はシャアがダカールで演説したように、第二のザビ家と言ってもよかろう。
「ティターンズ」は元ジオン公国軍を真似てアースノイドを一掃し、地球、地球圏すべての掌握に全力を尽くすべく、地球連邦軍の高官や政治家を騙し、軍備増強にかけてきた組織だ。
このZガンダムでは2つの組織が対立する中、ハマーン・カーンが登場し三つ巴の戦いに突入したことで、結果地球、宇宙に住む人々が少しは救われたのかも知れないのだ。
それは何故か、エゥーゴと同じくジャミトフ・ハイマンは地球に住む人々を根絶やしにしようとしていた人物でもある。しかし実質ティターンズナンバー2のバスク・オムの顕著な動き(スペースノイド弾圧)を牽制し、パプテマス・シロッコという人物を引き入れたからである。
第46話でのシロッコハマーンの会談にジャミトフが加わることで、このシーンにおける出来事は今後の運命をガラリと変える大事な回になっている。
第46話 シロッコ立つ(前半)
ハマーンとの会談に自ら赴く決意を決めたパプテマス・シロッコ、それはジャミトフ・ハイマンを動かす為でもあった。そこにジャミトフ閣下も行くのでそれまで事を起こさぬよう返答があった。それはもうシロッコの思う通りになっていたのである。
ジャミトフはわざわざシロッコという味方である、危険分子とハマーンとの会談に来ることを決めたのは、『大局を見ずに、子局を見る』にあったのではないでしょうか。
軍事作戦にはまずは大局(大きな目標)を設定しなければなりません。戦略(大局)が一番重要であり、戦術(子局)は変えたりすることは出来ますが、戦略を一度失敗してしまうと、戦術をカバーすることは出来ません。
つまり戦術はその時々でどうとでもなるが、戦略が駄目になるともう全てが敗けである。
戦略がしっかりしていたのは元ジオン公国軍からなる、アクシズ、そしてネオ・ジオンの流れである(結果的には敗北したが)。
その観点から見ればエゥーゴも小手先で随分踏ん張っていたわけで、宇宙から見たスペースノイドの大義はハマーン側にあったということであります。
シロッコはハマーンに単独で会う旨をジャミトフに伝えており、グワダンにはレコアと2人で行くと言ったがサラがまた発狂を起こし、仕方がなくシロッコも「ついてゆくだけならば許す」と3機でグワダンに向かうことになった。
しかしここで、グワダンから連絡が入り「着艦は2機まで」との要求にシロッコは「用心深いな...ハマーンは」と。
サラがシロッコとグワダンに行く気満々で近づいたとと同時にレコアもシロッコのジ・Oに近づく。しかしそれはレコア自身から進んで「私はここで待っています」とのことだった。それに対してサラは「レコア...」ともらした。
そしてグワダンにはシロッコとサラが着艦。
そして同時にアーガマではカツがGディフィンサーで暴走し、ゼータに乗ってカツを追うカミーユもグワダンに着艦。
この2人の行動の結果で、ジャミトフ・ハイマン大将を殺すきっかけ作りのひとつとなった。サラがグワダンに行かなければ、カツがグワダンに乗り込まなければ、ジャミトフはまだ生かされていたかも知れない。
シロッコとてティターンズの一員である、そうそうジャミトフを暗殺できなかろう。確かに機会は伺っていた。
そしてハマーンとの会談が始まる。
ハマーン「地球の連邦軍も、そろそろティターンズと手を切りたがっているという話ではないか」
ジャミトフ「冗談ではない、状況はそう簡単に変わるものではない」
ハマーン「まあそれはどうでもいい。私は宇宙の力を手にした。引力に魂を引かれたティターンズなど恐れるに足らん」(20歳の女性なのに、この強気なお言葉。素晴らしい)
ジャミトフ「大した鼻息だな。私にくみする最後の機会を与えてやろうと思ったのだが」
ハマーン「そちらこそ、私につけばよいものを。お前はどうなのだ?シロッコ!」
シロッコ「地球の引力に魂を引かれた人間が、宇宙の民を率いていけないという君の意見は正しい。しかし私は、ジャミトフ閣下に忠誠を誓っている。この自分の血でな」(血判が好きなジャミトフ。第44話ハマーン「血判?フッ、フフフッ、フハハハ、紙の上に血をおいたものが何の証明になりましょう」)
シロッコが胸元に手を入れる(拳銃)。
ここでカミーユが感じる「殺意だ!」(それだけじゃない、何かまだくる!)と。
ということはだ、元々どちらかを殺す気だった。はじめ拳銃はハマーンに向けられたものだが、シロッコの腹の中ではそのハマーンとの話の流れで、ジャミトフに拳銃を向ける気だったはず。当然グワダンの中でハマーンをシロッコが殺せるはずがない。
むしろ側近護衛(ジャミトフに)が付いていたとはいえ、ジャミトフはグワダンに自ら会談へきたのはあ大間違いだったということである。
さてこのあとすぐクワトロ大尉、シャアがカツを返して「ハマーンもシロッコも私が殺る」と言って会談の場へ乗り込んでからだ。
ハマーン「このグワダンで私を殺したらどうなるか、分かっているだろ」
シロッコ「もちろん。しかしお前を生かしておくよりは危険が少ない」
ハマーン「それも考えようだな」
丁度よく、シャアが現れる。
そしてシロッコとジャミトフの驚く顔。
「うっ!なんだ?!」
ハマーン様は知っているから驚くカットインの顔はない。ハマーンは分かっていたシャアがいるから安全だと。
シャアはシロッコに対して引き金を引き、肩をかする(これもシロッコのプレッシャー?で殺せず)、2発目はジャミトフに向けて撃ったように思える。ジャミトフの側近中の側近がこれで死ぬ。
ハマーン様は屈んでいる。もう逃げの段階か、さすが。
ボリノーク・サマーンでサラが見事に、ハマーンら会談の部屋へ向かってビームライフルで撃ち抜く!
そして、シロッコはジャミトフを殺した。
─ここでの3つ奇跡が起きた考察。
まず、ひとつ。断然有利だった筈なのに、いきなり部屋に突入したシャアはハマーンとシロッコのどちらも倒せず、致命傷をも与えることができなかったこと。シャアは軍人である、白兵戦は得意なはず。だとしたら何故当てられなかったのか?しかもかすり傷。シロッコを殺ったとしても、またのらりくらりでハマーンを殺す気はなかったと思う(表向き)。
だってグワダン内部にいた時、ハマーンとジャミトフの会談にエゥーゴ側として参加せず、なんとミネバのバイオリンを聴いていたのです。
やはりシャアとハマーンは根強く繋がっていたとしか思いようがない。
ふたつめ。サラは部屋にシロッコがいるのを知っていたのに関わらず、本能で迷わずその部屋目掛けてビームライフルを撃ったこと。しかも正確な射撃でシロッコもハマーンもジャミトフも殺すことなく。
これは見事としか言いようがない。下手したらシロッコも死んでたぞ!
みつつ。ボリノーク・サマーンのビームが通った架線上目の前にシャアがいて、シャア「うわぁー」と言っている。熱線で死ななかった奇跡。ジャミトフの護衛やグワダンの将校は死んだと思われるが、少なくともシャアの声は聞こえたので爆風で傷一つ追わないとは…無敵か?この男は!
さて、このあとのハマーン様はアクシズ兵に囲まれてすぐに行動を起こす。
ハマーン「ミネバ様は」
アクシズ兵「すでにグワンバンにお移りになられました」
ハマーン「私はキュベレイで敵の目を引く」
アクシズ兵「ハッ!」
■次回へ続きます。
今日のハマーン様。ここはどこでしょう?
☆本日もご訪問ありがとうございます