特集:Visual Studio Code早分かりガイド:Visual Studio Codeの使い方、基本の「キ」 (5/6)

» 2018年07月17日 05時00分 公開
[かわさきしんじInsider.NET編集部]

カスタマイズ、基礎の基礎

 本稿の最後にVS Codeのカスタマイズの基本を見ていこう。VS Codeでは次に示す方法でカスタマイズを行える。

  • ユーザー設定
  • ワークスペース設定
  • キーボードショートカット
  • スニペット
  • 拡張機能(エクステンション)
  • 配色テーマ
  • ファイルアイコンのテーマ

ユーザー設定/ワークスペース設定

 ユーザー設定はユーザーごとに個別の設定で、VS Codeで共通に使われる。これに対して、ワークスペース設定はオープンしたフォルダ/マルチルートワークスペースごとに固有の設定となる。これらはメニューの[ファイル]-[基本設定]-[設定]を選択することで設定可能になる(macOSの場合は[ファイル]メニューではなく[Code]メニューの下にある)。

 今も述べた通り、ユーザー設定はそのユーザー独自のVS Codeの基本設定となる。ワークスペース設定は現在開いているフォルダ(プロジェクト、ワークスペース、マルチルートワークスペース)に関連する設定を行う。ワークスペース設定でユーザー設定を上書きすることも可能だ。「このプロジェクトでは特別にこういう設定をしたい」というときにはワークスペース設定を使うようにしよう。なお、マルチルートワークスペースを使っている場合には「.code-workspace」ファイルに設定内容が保存されるので、単一フォルダのときとは異なる設定を行える。ただし、単一フォルダをワークスペースとして開いくときの設定は、マルチワークスペース設定により上書きされるので注意が必要だ。

 メニューから上述の[設定]を選択すると、次のような画面が表示される。ユーザー設定/ワークスペース設定のどちらの設定を行うかはエディタ画面上部の[ユーザー設定]と[ワークスペースの設定]で切り替える。ちなみに、以下の画面はユーザー設定を行っているところだ(現在編集中の設定が太い文字で表示されている)。左側にはデフォルトの設定が、右側にはユーザー設定もしくはワークスペース設定の内容が表示される。なお、以下の画像を見ると分かる通り、「新しい設定エディター」もプレビュー機能として提供されている(後述)。

ユーザー設定を行っているところ ユーザー設定を行っているところ

 マルチルートワークスペースの場合には、次のようになる。

マルチルートワークスペースでの設定の編集画面 マルチルートワークスペースでの設定の編集画面

 上の画像はマルチルートワークスペースを開いた上で、そこに含まれている「vscode」フォルダの設定内容を表示しているところだ。ユーザー設定/ワークスペース設定に加えて、マルチルートワークスペースを構成するフォルダの設定も表示(参照)できる。ただし、緑色の波線で警告が表示されていることから分かるように、フォルダの設定はマルチワークスペースの設定で上書きされてしまうので注意が必要だ。

 以下に筆者が常用しているVS Codeのユーザー設定の内容を抜粋して示す。

{
  "editor.fontFamily": "'Fira Code', Consolas, 'Courier New', monospace",
  "editor.fontLigatures": true,  
  "files.autoGuessEncoding": true,
  "editor.wordWrap": "wordWrapColumn",
  "editor.wordWrapColumn": 80,
  "editor.tabSize": 2,
  "editor.wrappingIndent": "same",
  …… 省略 ……
  "workbench.colorTheme": "Default Light+",
  …… 省略 ……
  "editor.formatOnType": true,
  "editor.formatOnPaste": true
}

ユーザー設定ファイルの例

 ここでは次のようなことを設定している。

  • editor.fontFamily/editor.fontLigatures: エディタで使用するフォントに「Fira Code」を使用して、合字機能を有効化。詳細については「Visual Studio Codeの設定『虎の巻』:IDE編」を参照
  • files.autoGuessEncoding:ファイルオープン時のエンコードの自動判別を有効化(true)
  • editor.wordWrap/editor.wordWrapColumn: editorWordWrapColumnで設定した文字数(80文字)で行を折り返し
  • editor.tabSize:タブ幅を2タブに設定
  • editor.wrappingIndent:行が折り返された場合のインデントの付け方を指定。"same"は元の行と同じインデントを付けることを意味する
  • workbench.colorTheme:配色テーマの設定
  • editor.formatOnType/editor.formatOnPaste:コードの入力/ペースト時に自動的に書式設定を行うように指定

 設定を変更するには、まずタブの上部にある[設定の検索]ボックスで設定したい項目に関係ありそうな文字列を入力する。設定したい項目が見つかったら、その上にあるコメントを参考に、ユーザー設定(またはワークスペース設定)ファイルにカスタマイズ内容を記述していく。このとき設定可能な値が決まっている項目については、デフォルト値でもユーザー設定/ワークスペース設定でもよいので、項目の左端に表示される鉛筆アイコンをクリック(右クリック)するのが簡単だ。

マウスで簡単に設定をカスタマイズ マウスで簡単に設定をカスタマイズ

 なお、VS Codeの設定変更については「Visual Studio Codeの設定『虎の巻』:IDE編」で詳しく取り上げているので、そちらも参照されたい。

 本稿執筆時点(2018年7月)でプレビュー機能として、「新しい設定エディター」も利用できる。

「新しい設定エディター」 「新しい設定エディター」

 画像を見ると分かるように、[設定の検索]ボックスに何も入力していない状態では、よく使用される設定項目のカテゴリーが左側に表示される。右側には、個々の設定項目が一覧されている。ここから設定項目を適宜選んで、チェックボックスをオン/オフしたり(true/falseで設定を指定するタイプ)、設定可能な値をドロップダウンで選択したり(設定可能な値が決め打ちなもの)、直接値を入力したり(設定可能な値が不定なもの)できる。

「新しい設定エディター」で設定を変更しているところ 「新しい設定エディター」で設定を変更しているところ

 [設定の検索]ボックスに適当な語句を入力すると、その語句でフィルタリングが行われる。特定の設定項目を検索したいときには便利だ。

[設定の検索]ボックスに「theme」と入れたところ [設定の検索]ボックスに「theme」と入れたところ

 「新しい設定エディター」は、GUIベースでカスタマイズを簡単に行えるので、こちらの方が好みという方も多いだろう。

 次ページではキーボードショートカットのカスタマイズと拡張機能について見ていこう。

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