俺は超越者(オーバーロード)だった件   作:コヘヘ
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一度だけの直接対談。
二度目があることを互いに祈る。


閑話 『教授』vs『化け物』

ラナー王女様々だ。

 

私に同程度の『頭脳』があると数瞬の接触で理解してきて、

 

二人きりでお茶会とはね。

 

 

これは『想定外』。良い方向で。

 

…『教授』からは絶対不可能な対談だ。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

「…百歩譲って、クライムとガガーランとの婚約はいいでしょう。

 

 ですが、ラキュースと魔王との結婚に、

 

 アルシェ・イーブ・リイル・フルトの貴族復位。

 

 イビルアイを、キーア・シルバー・シス・ブレッドそのまま貴族にさせて、

 

 魔王と結婚させろとはどういうことですか?」

 

思考は誘導して中二病お嬢は唆したけど、この『王女様』がなぁ…

 

 

あの三人でもきついのに…あの三人賢過ぎる。

 

『白銀』は『仲間』だから読み切れる。それに人外だから逆に読みやすい。

 

『魔王』も『死神』も一定のポリシーがあるから、そこから逸脱はしない。

 

 

…『人間』で私と同程度の『頭脳』とか『初めて』だから、物凄く面倒くさい。

 

 

…わかっている癖に。

 

 

「馬鹿だなぁ。王女様は。婚姻外交だよ。この『時代』ならありふれた行為だろ?

 

 寧ろ世界中の貴族・王族巻き込んで結婚させた方が、世界平和に早いんだよ」

 

あの『魔王』にできない合理的思考で結論づけた『最適解』だ。

 

 

…偶にあの『貧乏魔王』、私の『想定』を超えた滅茶苦茶するから、

 

頓挫する可能性もあるが、やらない方がおかしい。

 

 

「理屈はわかりますが、やり過ぎです!

 

 …それに血が絶える可能性があるのに送る馬鹿はいりませんよ!」

 

うん。そういう『馬鹿』はいらない。

 

 

争いの種になりかねない。だから『選別』は必要だ。

 

 

その『結論』に至れるだけ、やはり『王女様』にだけ全てを話した方が良いか。

 

 

「これ、『時飛ばしの腕輪』っていうんだけどさ」

 

存在を思い出した時、真っ先に欲しかったアイテム。

 

 

『魔王』は、『業務』に疲れないようにと私に投げてよこしたアイテム。

 

 

この『腕輪』があれば、私はかつてあそこまで『暴走』はしなかっただろう。

 

時間をかけてやればよいと早期に気が付けた。

 

 

『旅』で自分の考えが纏まり、方針が決定した時点でもう手遅れだったが。

 

 

この、『設定』だけのファッションアイテム。

 

 

『世界』を『旅』してアイテムの『存在』を理解した際に、気が付いた。真の力。

 

 

 

「あの『アホ』、これを数百単位で持っているんだ」

 

私がそれを知った時、『貧乏魔王』が致命的な馬鹿じゃないかと疑った。

 

 

最終日二日前に『店』買い占めるとか、

 

しかも、意味のないアイテムを買い占めるとか馬鹿でしかない。

 

 

…私が推論した結果、このアイテムの真の効果が知れたら非常に不味い。

 

 

現段階での、『ナザリック』では。

 

 

ナザリックNPCだけで、最終的に『愛』を独占できると思っているから。

 

 

だが、後、数年経てばバレるだろう。

 

…私達が、年を取らないことに絶対気づく。

 

 

『頭』が良すぎる『守護者統括』やあの『悪魔』も。

 

…会ったことがないが確実に存在するそれ以外も。

 

 

そのときには、詰みだ。

 

…しかし、それまでに『場』を整えれば私の勝ち。

 

勝てたときには、『村娘』ちゃん、当たりにスケープゴートになってもらおう。

 

 

というか、まずそちらにブチ切れるだろう。『守護者統括』は。

 

 

「これ寿命無くせるんだよ。理論上。僕以外気づいていないけど。

 

 …だから死なない、子がなくとも血が絶えない」

 

屁理屈だが、王女様でも理解できるだろう。

 

 

『王女様』の根本的な考えには、ガンガン送ってこられた『娘』でも、

 

情でも移ったら、死んだ時、『魔王』が悲しむだろうという想定からの『否定』だから。

 

 

…このアイテムを贈答品にすれば、『魔王』が悲しむことはない。

 

ここ当たりが落としどころだ。

 

 

「…理論上はそうでしょう。

 

 しかし、『魔王』が『子』を成したら家を乗っ取ると勘繰る者も出てきます。

 

 …男子なら最悪です」

 

そう。

 

男子相続が根強いこの『世界』ならそういう不安になる。

 

だが、その心配だが、ない。

 

 

改めて、彼のゲームクリアの特権は知った。現実化した『人化』も確認した。

 

なので、考察が可能だった。

 

 

突拍子もない発想だが、『魔王』のアレは『人間』ではない。

 

 

生まれる子はほぼ確実に、『母親』を模す。

 

本当に子が生まれるかどうかは不明だが。それは確実。

 

 

…プレイヤーの子孫を見てわかったが、『覚醒者』もいる。

 

『番外席次』だっけ?

 

初めて会った時、かなり有名なプレイヤー過ぎて笑ったが。

 

…『魔王』にスイッチ押されて死ぬかと思った。

 

 

父親の素質は、おそらく『寿命』の無限化くらいか?

 

超越者ならその推論に帰結する。遺伝学上の考察。

 

 

…あっているかは『子』を産まないと確証できない。

 

そこまで確かめるほど、『研究者』としては落ちぶれちゃいない。

 

 

「ああ、大丈夫。あの『魔王』に子ができるとしたら、女の子しか生まれない。

 

 僕の読み通りなら、遺伝学上、致命的欠陥があるんだよ『超越者』って」

 

だから、確実な結論だけ言う。

 

 

それ以外はわからないから。

 

 

『魔王』も意味の分からないレベルの異常な精神力があるし、本当にどうなるかわからない。

 

 

「…話はわかりました。あなたはどうする気なのですか?」

 

…だよなぁ。自分と同じ『頭脳』で未知の『知識』を持ちすぎている。

 

『教授』は危険だと完全に理解している。

 

 

NPC達のような、当たり前の『知識』でなく、

 

…私は、元は世界最高峰の『研究者』だ。

 

 

「この『世界』の永続、星の寿命、宇宙からの離脱。数億年かけての研究を始める」

 

王女様には、意味がわからないだろうが、私のリアルでの『本業』はこちらだ。

 

 

あの終わった『世界』では無理だった研究だ。

 

誰も相手にしてくれなかった。

 

 

仕方がなく、ゲームに逃避したり、『小さい研究』で身銭を稼いでいたが。

 

 

「正気ですね。意味が理解できないところがありますが、

 

 いずれこの『世界』が終わるときが来ると?」

 

やはり、凄い。この子。

 

 

…今後、関わるのはこの子のためにも私のためにもならない。

 

私の影響を受けたこの『王女様』が何しでかすかわからない。

 

 

『貧乏魔王』の想定外を行く可能性が高い。

 

 

今はまだ許容範囲内だが。…私のせいで全てが狂いかねない。

 

 

「あの三人は何だかんだ言って、永遠に『世界』を存続させることすら可能だろう。

 

 永遠の寿命に耐えられる。そういう『生命体』だから。

 

 ナザリックのNPC達もそうだろう。彼らはそういう生き物だ。

 

 僕は、『世界』を旅したからね。完全に理解したよ」

 

『設定』というのは強い。『白銀』に至ってはもう600年以上は生きている。

 

…あの三人は『永遠』が可能だ。NPC達も同様に。

 

 

『八欲王』がNPC達を『人』と見ていなかったが、ある意味正しくて間違っている。

 

 

あの子達は、完全に自立した『個』だ。

 

『ギルド』を存続させることと、『ギルドメンバー』に忠節を誓う『個体』だ。

 

 

「…私達は『永遠』は無理だと、言うことですか?」

 

…素晴らしい。

 

彼女が元の世界にいれば、きっと『世界』を変えられた。

 

 

彼女も私も『魔王』に救われたという結論まで同じという面で一緒。

 

 

…彼女が、自力で『未来』に来たら、『友達』になろう。

 

 

「それは、わからない。そもそもプレイヤーの僕は違うかもしれない」

 

…おかしいのだ。この『世界』の人類は。

 

おそらく、生存競争の過程で『進化』が変わった。変わっている。

 

 

「フールーダは200歳を超えても、今なお『思考』が続けている。

 

 彼は、理屈上は、呆けていてもおかしくないはずなんだ。…僕の『知識』では」

 

有り得ない。268歳も『思考』ができる人類等。

 

 

『魔法』を用いていることを視野に入れても、だ。

 

リグリットも健在だった。

 

 

それは私の研究者としての『根本』を覆しかねない。

 

 

生物学上有り得ない。脳科学上有り得ない。

 

コンピューターに記憶を保存するのとはわけが違う。転写するのともわけが違う。

 

 

…生きた『人間』がそこまで『思考』できるはずがない。

 

『学者』としては非常に興味深い。

 

 

「凄まじく進んだ『知識』ですね。しかし、それを『今』は生かす気がないと?」

 

ああ、物凄く嫌だが、引きこもるしかない。

 

…『貧乏魔王』もそれが一番安心できるだろう。

 

 

「誰にも望まれていない。理解した。僕が出ると逆に困るだろう。

 

 暗中模索、試行錯誤の遠回りが一番良いと結論した。

 

 僕の最適解は、血が流れ過ぎる」

 

失敗した改革者など、テロリストでしかない。諦める。

 

本筋に関わるのは。

 

 

「一体どうなさるつもりなので?

 

 あなたは私と同程度に賢いですが、『思考』の幅が広すぎます。

 

 私はいずれあなたの域に『到達』できますが、現段階では不明です。

 

 …答えてください」

 

...『王女様』は、『到達』できると、結論づけられた。

 

 

ああ、もう一気にまくし立てて終わりにしよう。

 

これ以上は、私の精神安定的にも大変よろしくない。

 

学長様業務も大変なんだ。やめよう。

 

 

「…愛玩動物(ペット)だからさ。時間はあるんだ。

 

 急ぐ必要もない研究だからね。

 

 地道にコツコツ研究ができる環境を整える。そのように誘導する。

 

 それにナザリックにおいてはペットって羨ましい立ち位置なんだ。

 

 ハムスケ先輩は生かせていないがね。その特別な地位を利用するさ。

 

 誘導は時間さえあれば簡単だ。僕は『教授』だからね」

 

そう言って紅茶をいっきに飲み干して、

 

マナーも守らずに王女様の下を去り、『業務』に戻る。

 

 

何故、休憩で疲れなければならないのか。全く。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

…そもそもそういう研究をしていたからね、あの『世界』では。

 

 

だが、ここではいずれ必ず必要とされる研究だ。

 

 

数百年か数千年か必ず、あの三人は気づく。

 

そのときに、全部解決してやるんだ。

 

…きっと面白いだろなぁ。

 

 

 




何故、『人間』でないか、娘しか生まれないかは、かなり説明が難しくこの話では無理でした。

完全に論文になります。数万字行きます多分。これ。

-追記-
なるべく分かりやすく解説した物を活動報告
『あの二人もうヤダ...(魔王考察-遺伝編-)』
に上げました。
感想のお陰で簡潔にまとまりました。
ありがとうございます!
詳細は無理ですが、何となく伝われば幸いです。







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