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東京医科大学の女性差別問題
2018年8月、東京医科大学が女子受験生の一次試験の点数を一律で1割〜2割減点を行っていたというニュースが報道され、大きな社会問題に発展しています。
女性差別があったことも大問題ですが、1割〜2割の減点というのも驚愕です。
東京医科大学の一般入試は400点満点ですので、1割〜2割は40点〜80点になります。1点2点を争う受験であるにもかかわらず、丸々1教科にも相当しかねないほどの減点が女性の受験生は一律で行われていたということになります。
東京医科大学の一般入試
受験者→入学者
男子 1596→71人(4.4%)
女子 1018→14人(1.4%)
なお、本件は賠償責任および刑事罰に発展する可能性も十分あるとの記事もあるようです。
損害について、受験料や不合格後浪人中の予備校費用は、不合格と相当な因果関係があるとして問題なく請求できると思います。また、入学機会を失ったことによる精神的苦痛に関する慰謝料についても、一定程度認められるのが通常です。
また、刑事事件としても、意図的に情報を提供せずに受験者を集めた場合には、理論上、詐欺罪が成立する余地はあるかもしれません」
http://news.livedoor.com/article/detail/15107892/
さて、医学部受験における女性差別は東京医科大学だけではありません。
女性の受験生にとっては非常に重要な情報になりますので可能な限り調査および発信を行いたいと思います。
まずは女性差別がないと思われる医学部の入試データからご説明します。
日本医科大学(女性差別なし)
偏差値67.5
前期試験
一次受験者数→合格者数
男子 1335→129人(9.7%)
女子 761→82人(10.8%)
上記の通り、偏差値が高い医学部である日本医科大学においては同等か、むしろ女性の合格率の方が高くなっています。
大学公式ホームページの入試結果
https://www.nms.ac.jp/college/nyushi/admission/data.html
日本大学医学部(女性差別の可能性あり)
偏差値65
日本大学医学部の一般入試A方式のデータです。
受験者→合格者
男子 2187→139人 (6.4%)
女子 1296→34人 (2.6%)
(なお当塾の卒業生の声として、女性の受験生に対しては面接試験が圧迫気味であったという意見がこれまで複数以上寄せられていましたので以前から懸念はありました。)
(公式ホームページの入試結果資料より抜粋)
http://www.nihon-u.ac.jp/admission_info/application/result/
聖マリアンナ医科大学(女性差別の可能性あり)
偏差値62.5
聖マリアンナ医科大学は下記の通り詳細データを公開しています。
非常に衝撃的なデータですが、
平成30年度、平成29年度の2年間におけるデータです。
平成30年度
2浪以上の男性の入学者数:31人
2浪以上の女性の入学者数:0人
再受験生の男性の入学者数:6人
再受験生の女性の入学者数:0人
平成29年度
2浪以上の男性の入学者数:29人
2浪以上の女性の入学者数:0人
再受験生の男性の入学者数:18人
再受験生の女性の入学者数:0人
さらに、
平成30年度の受験者数→合格者数
男性 1748→100人(5.7%)
女性 1347→30人(2.2%)
平成30年度の
2浪以上の女性の出願者数は489人 →入学者数は0人
再受験生の女性の出願者数は159人 →入学者数は0人
入試結果からは、
2浪以上および再受験生の女性の受験生は聖マリアンナ医科大学は受験しても無駄であった
と結論づけざるを得ません。
また、聖マリアンナ医科大学はすべての試験をあわせた合計の入学者数では女性は115名中45名であり39.1%になり、それほど女性比率が低いようには一見みえません。
しかし上記のとおり、学年別でみると2浪以上や再受験生の女性の入学者数は0人であり、不当に不合格となっていることが予想されます。
重要なのは表向きの女性比率ではなく、女性だからという理由だけで不当に得点調整や不合格の措置がとられていないかだといえますから、他の医学部においても学年別の男女比率までしっかり公開することが求められると思われます。
公式ホームページの入試結果
https://www.marianna-u.ac.jp/univ/ent_info/ent_data.html
昭和大学医学部(詳細データなしだが女性差別の可能性あり)
偏差値67.5
昭和大学医学部も以前から女性不利が強く言われている医学部の一つです。
こちらの医学部は詳細データを公表していませんので当塾の卒業生の検証結果を掲載します。
愛知医科大学(女性差別の可能性あり)
偏差値65
受験者数→合格者数
男子 1198→218人(18.2%)
女子 677→70人(10.3%)
公式ホームページの入試結果データ
http://www.aichi-med-u.ac.jp/su11/su1107/su110706/index.html#FS01
その他の医学部について
残念ながら、ほとんどの医学部において男女別の入試結果を公表しているところはありませんでした。
上記の聖マリアンナ医科大学は非常に詳細なデータを掲載しており女性差別の可能性が疑われる結果となりましたが、男女別のデータをしっかり公表している医学部で上記のような結果となっているので、むしろ公表していない医学部こそ調査が必要であるといえます。
女性の受験生も同じ受験料(私立医学部の一般入試では概ね6万円と高額です)を支払っているにも関わらず説明されることなく差別をされているということは決して許されることではないと言えます。
女性の医学部受験生が増加傾向にあり、すべての医学部における
・男女別の入試結果
・浪人年数や再受験生の入試結果
の公表、公開が行われるべきだと思います。
8/11(土)私立医学部合同入試説明会
8/11(土)に聖マリアンナ医科大学にてほとんどの私立医学部が参加する合同入試説明会があるようです。
各医学部の詳細はこちらで直接入試担当の方に尋ねることが有効かと思われます。
http://www.idaikyo.or.jp/nyushi/30/3.html
国公立医学部もクリーンとはいえない
女性差別があるのは決して私立医学部だけのことではありません。
国公立医学部も多くの医学部で男女別の入試データを公表していません。
公表している大学の中にはやはり女性差別の可能性を疑う医学部を複数以上認めています。
国公立、私立ともにすべての医学部の入学試験の調査を行うことが大切だと考えます。
日本医師会の声明
今回の件をうけて、8/3に日本医師会が下記声明を出しています。
「女性医師は確かに出産、子育てなどによって離職、休職せざるを得ないケースがあるが、入試段階で性別のみを理由に調整することは許されない」と批判。
「医療現場で女性が働きやすい環境整備を進めることが大事だ」と指摘した。
同大による真相究明や、文部科学省による徹底した調査と厳格な対応も求めている。
https://www.asahi.com/articles/ASL8366FNL83ULBJ024.html
女性医師が離職があるというのは事実としてありますが、それは環境が整っていないから言ってしまえば男性より離職が多くなるのは当たり前とも言えます。
女性医師の離職があるからこそ環境整備を行う必要があるのであって、それを「女性医師が悪い」「入試で女性差別をするのもやむを得ない」とするのは決して許されない、ということになります。
日本医師会の声明があったことで、すべての医学部において入試にて女性差別を行っている場合は言い訳は許されないことになります。
また最新情報が入手でき次第更新を行います。
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