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気付いたらオークになっていたので日記をつけることにした 作者:藤屋順一

第一章 集落と周辺の環境を良くすることにした

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豚日記12

豚歴1年1月22日 晴れ


良い天気だったんで二度寝してから食うもんを探しに調理場へ行ったらなんか面白いことをやっていた。

見に行ってみるとノラとゴリさんが昨日略奪した道具や調理器具で調理場の拡張をしていてマリアがそれを手伝ってるところだった。

ノラは村での出来事にも吹っ切れたようで、家事に使う道具も手に入ってようやく立ち直ったようだ。

それにしてもゴリさん、すっかりノラに顎で使われるようになって……オークの誇りまで捨て去るとは嘆かわしいぞ。

さすがに文句を言ってやろうかと思ったが、それでうまいもんが食えるならまぁ良いか。

俺も調理場の拡張を手伝うことにした。

集落に住む豚畜生は十八匹で人間が三人、全員が腹を満たすには不十分だが毎食一品は温かいもんを食える程度の規模にはなったかと思う。

女どもよここで存分に働くが良い。そして俺にうまい物を食わせろ。と言ってもクララは家事ができないから二人だけだが。

調理場を完成させたノラは今度は農具を持たせたゴリさんの肩に乗って山ん中に消えていった。

おいお前ら、まさかあれをやる気じゃねぇだろうな。



豚歴1年1月23日 晴れ


以前肥溜めは肥料に使わないと約束したな。あれは嘘だ。

と言うよりも、少なくとも俺は使う気はなかったんだ。これは嘘じゃない、信じてくれよ。

朝調理場に行ったらいきなりゴリさんが服を着ていて噴いた。ノラの仕業だ。

この間まで娘を攫って引きずりまわして半殺しにした後バラバラにして食ってたじゃねぇか。畜生。

ちょっと前までオークの中のオークだと思って一目置いてたのに、女一人で何たるザマだ。

飯を食った後ノラを肩に乗せて子分を引き連れて意気揚々と山ん中へ入っていくから後をついて行ったら凄ぇ畑ができてた。

加減を知らん豚畜生のパワーで地面を掘り起こして耕すもんだから効率が半端ないんだろう。

耕した後俺が前に埋め戻した肥溜めから土を持ってきて肥やしにしてた。畜生。それは俺んだ。

なんか凄ぇ悲しくなった。一仕事終えてノラに顎を撫でられてブヒブヒ言ってるゴリさんを見てると更に悲しくなった。大切な何かを奪われた気分だ。

ここのオークは奴隷だったはずの女三人に支配されかけている。

そう思った一日だった。

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