【格闘技】アマ連盟の山根会長「全部がウソ」 告発団体と全面対決へ2018年8月3日 紙面から
助成金の不正流用や不正判定といった疑惑を告発され、入院中とされていた日本ボクシング連盟の山根明会長(78)は2日、岐阜市内で行われた高校総体に姿を見せなかったが、午前中に応じたとされる電話取材の肉声が夕方の民放のニュース番組で流れた。補助金の不正は認めたものの「全部がウソや」と告発した団体との全面対決を強調。一方で、連盟幹部は放送直後に「入院中だと思います」とちぐはぐな対応。会長のワンマンぶりが際立った。 少なくとも、声だけは元気そのものだった。助成金の不正流用など日本ボクシング連盟の疑惑が表面化した7月下旬以降、公の場に姿を現していない山根会長が、フジテレビ系ニュース番組の2日午前とされる電話取材に応じ「全部がウソや。受けて立つ」と語気を強めた。 連盟が1日の高校総体開会式で入院したと発表し、本人もポリープを取ったと説明。7日の閉会式の欠席を明言したものの「大丈夫やで」と回復をアピールした。 日本スポーツ振興センターからリオデジャネイロ五輪代表・成松大介(自衛隊)に交付された助成金240万円が、対象外の2選手に渡された問題は「私自身が『3等分しなさい』と言いました。やっていけないとは知らなかった」と答えた。 神妙だったのは、助成金の件だけ。すぐに口撃に出た。過剰な接待には「カンロあめなんて120円ですよ。ミネラルウオーターなんて、なんぼすんねん。何百円のものが豪勢ですか」と関西弁混じりで持論を展開。奈良県出身選手に有利とされた判定には「それは絶対ありません。面白半分テレビで言っている。怒りを感じるし、黙っていられない」と反論した。 一方で、会長の“独演会”に連盟側はあたふた。放送直前に連盟ホームページで山根会長の生放送を条件としたテレビ出演を告知したが、行き違いとなった様子だ。大会会場で報道陣に対応した吉森照夫副会長兼専務理事は、放送後に「入院中だと思います」ととんちんかんな回答。今後については「分かりません」と突っぱねた。 連盟の慌てぶりをよそに、山根会長は近日中に大阪で記者会見する意向を表明。進退についても「それは俺の腹一つよ」と言い放った。姿を見せずも、独裁者ぶりを浮き彫りにした。 (志村拓)
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