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第1話 発病

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私は必死にもがいた。

しかし、姿勢を変えようが、力の入れ方を変えようが、無駄だった。

スティックを握ってドラムを叩こうとすると、手が蜘蛛になった。

不思議な事に、叩くのをやめてスティックを手放すと、あれだけガチガチに固まっていた手から力が抜け、普通に動かせるようになるのだ。



最初のうち、私は意外と冷静だった。

「多分、寝ている間に手に変な癖がついてしまったのだろう」と思い、ストレッチをしたり、手を揉んでみたりお湯で暖めたりしながら、何度もスティックを握ってみた。

しかし、1時間経っても状態が変わらなかった。

「これは、おかしい」と思いつつも、のん気に冷静さを保っていた、、、と思う。



私は当時、腱鞘炎(ケンショウエン)というものになった事が無く、腱鞘炎に関する知識も無かった。

だから、左手の違和感を感じた瞬間、脳裏をよぎったのは「もしかすると、これがウワサに聞く腱鞘炎か?」という事だった。

腱鞘炎であれば、1~2週間もすれば回復するという印象があったので、それ程心配はしていなかったのだ。

ただその間、メンバーを待たせる事になってしまうので、出来れば1日でも早く治して復帰したいと思った。

どうしたらいいか母親に相談したところ「とにかく医者に行ってみなさい」と言って、行きつけの整骨院を紹介してくれた。

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第1話 発病

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