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ソフトバンクグループ傘下の英アーム(Arm)は2018年8月2日(英国時間)、ビッグデータ分析のクラウドサービスを提供する米トレジャーデータを買収すると正式に発表した。買収によってIoT(Internet of Things)デバイスとそこから集めたデータを統合管理するIoTプラットフォームを実現するとしている。
アームはトレジャーデータのビッグデータ分析クラウド「Treasure Data Platform」とアームのIoTデバイス管理サービスの「Mbed Cloud」、アームが2018年6月に買収した英ストリームテクノロジーズ(Stream Technologies)のデバイス管理サービスを組み合わせて「Arm Pelion IoT Platform」として顧客に提供する。
アームのビジネスはトレジャーデータの買収によって、半導体チップの設計情報をCPUメーカーにライセンスする従来のビジネスに加えて、デバイス管理からデータ活用までのエンド・ツー・エンドのIoTプラットフォームを提供するソリューションビジネスへと拡大することになった。
トレジャーデータの買収額は非公開だが、アームのジョイス・キム(Joyce Kim)CMO(最高マーケティング責任者)は、同社がIoT分野で実施した企業買収として最も高額になったと説明している。米ブルームバーグは買収額を6億ドルと報じた。
トレジャーデータは2011年に芳川裕誠氏、太田一樹氏、古橋貞之氏の3氏が米シリコンバレーで起業した。トレジャーデータのTreasure Data Platformは325社のユーザーを抱え、主にマーケティングデータやIoTデータの分析に使われている。
トレジャーデータの組織は買収後、アームの「IoTサービスグループ(ISG)」に統合される。ただしクラウドサービスであるTreasure Data Platformは、買収後も独立した形で提供する。