「オトコが育児に参加するのが当たり前」の時代に変わりつつある。旬の経営者や学者、プロフェッショナルたちも、自らの育児方針や育休取得についてパブリックに言及することが増えてきた。優秀なリーダーたちは、我が子にどんな教育を与えようとしているのか。また自身はどう育てられたのか。そしてなぜ、育児について語り始めたのか。
連載11回目に登場するのは、アメリカのシリコンバレーで、日米のベンチャー企業の発掘・育成を手がけるWiLの創業経営者である伊佐山元氏。19歳の長女が世界難関の米スタンフォード大学に入学。子どもたちの学習を支えているのは、毎晩にリビングでみんなが集まって学ぶことだと明かす。どのような子育て方針を貫いてきたのか、話を聞いた。今回はその後編。
WiL共同創業者CEO(最高経営責任者)。1973年東京都生まれ。1997年東京大学法学部卒業後、日本興業銀行(当時)に入行。2001年米スタンフォード大学大学院に留学。MBA(経営学修士号)取得後、2003年に退行。同年から米大手ベンチャーキャピタルDCMの本社パートナーとして勤務。2013年日米のベンチャー企業の発掘・育成を手がけるWiLを創業。取材時は45歳。米パロアルト在住。専業主婦の妻と、19歳の長女、15歳の長男、14歳の次男、9歳の三男の6人家族(取材日/2018年7月、インタビュー撮影/鈴木愛子、ほかも同じ)
将来、どのような分野に進むかという点はどのように導いていますか。例えば、スタンフォード大学に入った娘さんは、何を専攻しているのでしょうか。
伊佐山氏(以下、伊佐山):彼女は日米2カ国のバックグラウンドを持っていて、アジア人の友達も多いので、国際関係のテーマを学びたいと入学時の願書を出したようです。けれど、大学に入って1年経った今は、プロダクトデザインとコンピュータサイエンスに夢中です。
文系で入学して理系に転向というと、日本では異端視されそうですよね。けれど僕は、興味や関心を文系と理系で分けることの方がナンセンスだと思っています。自分が心から面白そうだと思えるものに出合えたら、いつでも方向転換していい。
勉強でもスポーツでも、うちは「朝令暮改OK」と言っています。やりたかったらいつでも始めていいし、つまらなくてその理由が明確なら、次のことに挑戦していい。その代わり、一度はちゃんとトライして自分との相性を確認しろよ、と。
忍耐優先で「石の上にも三年」という価値観はありません。それよりも、できるだけ多くの選択肢の中から、本当に自分が好きだと思えることを見付けてほしい。
とはいえ、自分が何を好きなのか見付けられないまま時間が過ぎてしまう人が大半です。僕も「この道でやっていく」と確信できたのは30歳前後でしたから。進む道を決める時期は、早く見付けられたらラッキーだけれど、決して急ぐ必要はないと思っています。
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