新聞、週刊誌はテレビ朝日の「芸能人格付けチェック」で重要起用されたGACKTと現職大臣とその夫の元暴力団員のカラミや金融庁に彼らが関わった仮想通貨「スピンドル」について圧力をかけた云々を取り上げた。
GACKTについてはこの仮想通貨「スピンドル」の主力広告塔とされているが、広告塔などという外側の位置ではなく、中核的存在と報じたメディアもあった。このスピンドルの通り名は「GACKTコイン」。
この仮想通貨と密接だと報じられた企画会社に野田総務相の夫が資金を投じていたと週刊誌は書いているが、この夫の前身についてもディテールが出ている。京都の広域暴力団会津小鉄会昌山組の所属で京都府警の警察官が組事務所にある彼の名が記された名札を確認、という事なのだが、こういうマターでも現職大臣の夫としての社会的評価は上下するのか。
すでに組員としてのポジションは無く飲食店経営者であった時分に知り合ったのだから何ら問題はない、と言い方をする人と、いやいや政権与党の幹部ならばそれは組織的によろしくない、とする人が対立している。
いずれにしても、スピンドルのあり方について金融庁がネガティブな発信をした、ということで野田氏サイドがスピンドル側と金融庁を同席させる機会を設け、形としてはお役人を問題企業のスタッフのいるところで「質問」のような時間で「圧力」をかけたのではないか、というのが話題とされている。
一般国民からすれば「えっ?」である。
あのGACKTが今年のはじめにスピンドルが「問題」となってヤバイ状況になりそうな時期に、いちはやく高値のついている間に「売り抜けた」となって、ネガティブ視されてきたら現職大臣が金融庁を呼んで、その席にスピンドルのスタッフもいたと。おまけに大臣のダンナさんは元が広域指定組織のメンバーで、スピンドルともかかわっていたなんて、理解は唯ひとつ「みんな同じサイド」と取る。
力(チカラ)とカネの力学なのか。
一般国民には到底マネのできない登場人物が、マネーとパワーの舞台に出ている。これだとおそらくフツーに良い気分でニュースを見る人はいないと考えられる。
有名ITジャーナリストの井上トシユキ氏も「仮想通貨の世界は詐欺まがいが横行しているので金融庁も新しいルールづくりを進めている最中だった。被害が出て仮想通貨をめぐっての様々な事柄が起れば、集団訴訟の想定もある」と発言しているし、専門家の意見も甘くない。
財政や金融の評論をしている人々も口をそろえて「仮想通貨は将来が見えない」「ひとたび悪いニュースが流れれば価格は一気に下降して大損をする人々が出る」「自分自身が仮想通貨に加担するかと問われたらNOと言うほかない」と意見表明。こうなると我々素人は不安をおぼえるので、仮想通貨に対し自分の人生の未来を託すことが果たして可能か、と思ってしまう。
国際的な犯罪集団がつい先頃も仮想通貨「NEM」を580億かっさらって闇に消えた。中国も、表向きは仮想通貨に関ることはネガティブに制限を加えているのに、首相経験者や日本人社長を立して事実上仮想通貨の会社をバックアップしているのは一体どうとらえたら良いのだろう。
仮想通貨の闇は深いのか、コワイのか。我々がそれを知る日がいつ来るのか?考えたくない識者も多くいる。経済を仕事にしている業者や研究者も明確な答えは示していない。
ホリエモンは現行通貨は消えて新しい通貨秩序が生まれる、という事を言っているが、ボディガードとして彼に関ったことのない僕には本当に理解が難しい。資産に余裕がない人口カテゴリーに入るので、仮想通貨に投資したり、上下動に神経を使ったりする必要がない。個人としては状況をただながめるのみ。
仮想通貨よ、人類の欲望よ、どこへ行くのだ?
北芝健(きたしば・けん)
元警視庁刑事、一般社団法人日本安全保障・危機管理学会調査室次長、犯罪アナリスト、作家。
東京・葛飾区出身。祖父・両親が医師の家庭に生まれるが、本人は家事を継がずに文科系の早稲田大学へ進学。在学中1年間、英国居住ののち、中近東・インド・東南アジア・米国…へのバックパッカーとなる。卒業後、貿易会社を経て警視庁入庁。刑事警察。公安外事警察の私服捜査員として事件捜査に従事。現在は大学院講師の傍ら、単行本著作、漫画原作、各メディアでコメンテーターをしつつ、沖縄岡柔流空手も教える。