早速冒険者に絡まれ、吹っ飛ばして解決し、赤毛の女冒険者にお詫びのポーションを渡すが、ナーベになぜなにどうしてと質問され────
◇冒険者モモン────
「ちょっと! 私が食費を切り詰めてまで手に入れたポーション、どうしてくれんのよ!」[ブリ]
「すまん。じゃあ代わりにこれをやろう」
「赤いポーション? …………まあ、いいか」[ブリ]
「モモンさ────ん、どうしてあの女にポーションを与えたのですか?」[ナベ]
「なんか言いづらそうだし、もうモモン様でいいぞ」
「申し訳ありません。ありがとうございます、モモン様」[ナベ]
「で、なぜあの女にポーションを渡したか、だったか?」
「はい、無知な私にどうぞお教えください」[ナベ]
「ふむ…………(特になにも考えてなかったな)」
「モモン様?」[ナベ]
「ナーベよ、そんなことよりもイイコトを教えてやろう(誤魔化してしまえ)」
「いいこと、でございますか? あっ…………モモン様! そんな、そんなこと…………あぁ!」[ナベ]
◇モモン、カルネ村への道中────
「モモンさんとナーベちゃんって凄く仲良さそうだけど…………やっぱりそういう関係なの?」[ルク]
「そういう関係…………! そんなことはない、ことも、ない、ですが! モモン様にはアルベド様という方が…………!」[ナベ]
「ナーベ!(そういう関係のことは人に話したらダメ! 恥ずかしいだろ!)」
「はっ! も、申し訳ありません、モモン様!(しまった! ついアルベド様のお名前を…………!)」[ナベ]
「へ、へー…………ナーベちゃんとそういう関係なうえ、他にもいるんだ…………」[ルク]
「英雄は色を好むものである!」[ダイ]
「モモンさん…………」[ニニャ]
「す、すいませんモモンさん、うちのメンバーが」[ペテ]
「…………いえ、今後は控えて頂ければ…………あと、今耳にしたことはできれば他に漏らさないでいただきたい(女性関係晒されるとか、ものすごく恥ずかしいから)」
「はい、もちろんです! 皆もわかったな! 特にルクルット」[ペテ]
「へーい。…………しっかし、やっぱモテるんだな、モモンさんは。羨ましいぜ」[ルク]
「ルクルット!」[ペテ]
「はいはい、黙ってますよ」[ルク]
◇村に着いた一行────
「モモンさんが、アインズ・ウール・ゴウンなんですね」[ンフィ]
「そうだ」
「即答!?」[ンフィ]
「バレてしまったものを隠しておいてもしょうがないだろう(俺は息抜きに冒険したかっただけだし)」
「モモンさん…………(さすが、本物の英雄は器の大きさが違う)」[ンフィ]
「それで? 私がアインズだとして、君はいったいどうしたいのかね?」
「お礼を、お礼を言わせていただきたかったんです。この村を、エンリを救っていただいて、本当にありがとうございました!」[ンフィ]
「そうか…………なるほど、君はエンリのことを…………(若いっていいね)」
「あ、そ、それは!」[ンフィ]
「ふふふ、私からエンリに何か言ったりはしないさ。その代わり、君も私がアインズだということは黙っていてくれると有難い(もう少し冒険したいし、この世界の通貨も稼がなきゃならないしね)」
「なにか、深い理由があるんですね。はい、もちろん誰にも言ったりしません。モモンさんは、エンリを救ってくれた恩人ですから!」[ンフィ]
「ああ、よろしく頼む」
◇ハムスケ仲間入り────
「降参でござる! この通りお腹も見せるから、殺さないで欲しいでござるよ!」[ハム]
「出会い頭になんだ、このジャンガリアンハムスターは」
「モモン様。モモン様の強大なお力の一端に触れたのですから、この低俗な獣が醜態を晒すのも当然のことかと。お見苦しいのでしたらすぐに始末しますが?」[ナベ]
「ひいー! 勘弁して欲しいでござる!」[ハム]
「いや、それには及ばぬぞ、ナーベ(あっ、そうか。森の賢王とかいう強力なモンスターがいるらしいから、絶望のオーラⅠを常時発動させてたんだっけ)」
「はっ、畏まりましたモモン様」(ナベ)
「こ、殺されないでござるか?」[ハム]
「ああ、特に殺すメリットもないし、ンフィーレアにも出来れば殺さないで欲しいと言われていたからな」
「ありがとうでござる! 拙者、殿に一生懸命お使えするでござるよ!」[ハム]
「獣が、馴れ馴れしくモモン様に近寄るな!」[ナベ]
「ひいーーー!でござるーーー!」[ハム]
「よい、ナーベ。さて…………お前、何か名前はあるのか?」
「森の賢王と呼ばれているでござる」[ハム]
「(お前かよ!)…………そうか、では森の賢王」
「その名は、名も知らぬ人間の戦士が付けたもの。出来れば殿に新たな名前を付けて頂きたいでござるよ」[ハム]
「じゃあハムスケ」
「即答でござるな。それが拙者の名でござるか?」[ハム]
「嫌か?」
「とんでもないでござる! 拙者はハムスケ! 殿に新たな名を頂いた、魔獣ハムスケでござる!」
「モモン様から名を授かるとは…………ギリギリ(羨ましい!)」[ナベ]
「で、ハムスケ、お前は付いてくると言ったが、お前が森からいなくなってもカルネ村が魔獣に襲われたりしないか?」
「カルネ村? ああ、拙者の縄張りに近いところにある、人の住んでいる場所でござるな。今は森の勢力バランスも崩れてきているでござるし、拙者がいようといまいとあまり変わらないと思うでござる」[ハム]
「そうか、なら付いてこい。戦力としては当てにならないが、アウラあたりが喜びそうだしな」
「ありがとうでござる、殿! 一生ついていくでござるよ!」[ハム]
◇エ・ランテル事件────
「で、お前たち二人が今回の事件の首謀者と見ていいんだな?」
「だったらどうだというのだ?」[カジ]
「いや? どうということはない。お前たちが何をしていたのだろうと、後数分で全ては潰える事になるからな。私が聞きたいのは攫われたの少年の行方だ。名前は────言わなくても分かるだろう?」
「へぇー、随分な自信じゃん。しかしどうやってここが分かったのさ?」[クレ]
「そのマントの下に答えはある」
「うわー変態ー、えろすけべー」[クレ]
「それは否定しない」
「あ、否定しないんだー。オープンな変態だねー」[クレ]
「そちらも否定はしないんだな。なら、ンフィーレアは近くに囚われているということか。よし、ナーベラル・ガンマ、男どもは任せる。建物とかはなるべく壊さないように殲滅しろ」
「はっ、畏まりました。〈
「「ぐわぁあああああああっ」」[カジ他]
「えっ、あれ、い、今のって何位階魔法?」[クレ]
「二重最強化した第七位階魔法だ」
「…………う、嘘でしょ?」[クレ]
「いや? 第七位階魔法だ」
「……………………ダッ!(全力で逃走)」[クレ]
「〈
「はっ? な、なんで捕まってるの?」[クレ]
「時間を止めたからだ」
「…………そ、そんな、ありえない」[クレ]
「お前がどう思おうと勝手だが、事実としてお前は私の腕の中にいる。さて、ではこの事件の首謀者として、私の名声を高める踏み台になってもらおうか」
「く、くそっ、ふざけるな!」[クレ]
「サバ折り!」
「ガフッ!」[クレ]
そういえば前話ではガゼフさんにはちらりとも触れなかった。
ニグンさんには一応出番があったにも関わらずだ。
まあ、いいか。