『せんとくん』”無料”に大転換 全盛期の3%にまで落ち込んだライセンス使用料に奈良県が切り札を導入
08/01 20:04
知名度はいまだ健在 大復活なるか
【ファンの女性】
「きゃー。『せんとくん』大好きなんです。家族でファンなんです」
「平城遷都1300年祭」のマスコットキャラクターとして、2008年に奈良県が1000万円の税金を投入して誕生した「せんとくん」。
オリジナルソングでバックダンサーを従えてダンス。コスプレイヤーも現れて。土産物売り場も、ジャック!
「せんとく~ん」
「せんとくん」は10年前、この世の春を謳歌していました。それが今は・・・・。
【記者リポート】
「今は売り場のほとんどが『しかまろくん』で、『せんとくん』の売り場はここしかありません」
奈良市観光協会が5年前に作った「しかまろくん」に追いやられてしまっています。
【土産物店の人】
「『しかまろくん』のほうがやっぱり。『せんとくん』は商品がかなり少なくなっている」
お客さんが手にとるのも、「せんとくん」ではありません。
【子供は】
「『しかまろくん』はおっとりしているから売れると思うけど、『せんとくん』は人間みたいやん。こいつ誰って」
奈良県は業者が「せんとくん」のイラストを商業利用する場合、ライセンス使用料として商品の売り上げや制作費の3パーセントを収めるという条件を設定していました。2010年には4900万円を稼ぎ出していましたが、去年は160万円と全盛期の3%まで急降下。こうした事態に奈良県は、きょう、ある切り札を導入したのです。
<使用料タダ>
【県の担当者】
「無償にしたほうがより多くの方に使ってもらえますので、使ってもらって露出することで活躍してもらおうと」
奈良県への事前の申請と、承認が必要ですが、26種類のデザインなどを無料で使えるようにと大きく舵を切ったのです。
さっそく、奈良県内の企業から問い合わせが。
【奈良県の担当者】
「現物もお持ちいただいて」
【やまと蜂蜜の担当者】
「一応サンプルでこれになります」
これまで通信販売を主におこなっていた「やまと蜂蜜」。奈良県産の蜂蜜に「せんとくん」のイラストを入れて売ることで、新たなビジネスチャンスを掴めると考えました。
【やまと蜂蜜の担当者】
「観光客も増えてきてお土産の新しい販路に進みたいので、ぜひともちょうどよかったと思いながら」
タダならと聞いて、こんな企業も。
刺繍をいれたせんとくんグッズを試作中だそうです。
【Kit-r工房の担当者】
「3%とかものを支払わないといけない中でなかなかコストが合わない。勝手にやってみたんですけど、角。たぶんアウトだとおもうんですけど、この角」
知名度は未だ衰えない、「せんとくん」。
果たして、使用料無償化の効果は?
【奈良公園にいた女性】
「頑張って『せんとくん』。『せんとくん』もいろいろ大変やからな」