日大側はこれまで第三者委員会の設置や改善報告書の提出など、処分の早期解除に向けて努力してきた。だが関東学連側の言い分を聞けば、大学全体で危機意識を持ち、改善していく姿勢は見られない。日大の組織自体も問題視されていたのに、いまだに大学運営を司る田中理事長は前に出てきていない。部と大学の連係は希薄で、大学が部に責任や対応を押しつけているようにも思える。
部員たちは、4年間のうち貴重な1シーズンを空白のまま過ごすこととなる。関東学連の柿沢優二理事長は「日大は関東の宝のようなチーム。立ち直ってこれまでの通りの見本となる姿を見せてほしい。また解決に向けた任務を部だけに押しつけた日大に憤りを感じる」と話して涙ぐむ場面もあり、苦渋の判断であったことをうかがわせた。
関東学連の規定では通算4年間公式戦でプレーすることができる。今季が最後のシーズンとなるはずだった4年生は、今季の選手登録を抹消し自ら留年を選べば来年のプレーは可能となるが、現実的とはいえない面もある。今年の1年生も来年以降4シーズンのプレーが可能となる。今後の選手たちのために、大学側には早急の対応が求められる。 (平野梓)