eRONDO設立秘話10(『らぶらぼheaven』発売中止)

有限会社クワイアと株式会社ファミリーワークが

泥沼のような訴訟合戦の準備を始めつつある頃、

舞浜美月さんも降板することが確定。

 

もうワイお手上げ。

役者が3人も変わるFDなんてありえないし、

事情の説明のしようがない。

 

大網と協議して

http://studio-bolero.ldblog.jp/
この文章を掲載するに至ったのである。

 

本庄君に謝ると

「いいから、もう次のゲーム作っちゃいましょうよ」

と涙の出るような言葉。

クールだよ、かっこいいよ、プロだよ、あんた。

いい男になったね……

 

とか、感傷に浸ってる場合じゃねえええええ!!

本庄君は絵を描く事しかできないから、

新作をリリースする環境を整えるのが僕の急務になった。

 

この状態では関東圏では結構な噂になっていたので、

僕たちを救おうと色々な人から声をかけてもらった。

もちろん大網も僕らを離そうとしない。

 

だが我々はフリーランスだ。

様々な人と会い、話を聞き、最もアドい条件を選ぶ権利がある。

 

キャラデザと企画書を書き進めつつ、

僕は裏で様々な交渉をした。

 

続く

eRONDO設立秘話9(なにこの地獄)

なんやかんやで、一部『らぶらぼheaven』の収録なんかもしちゃったりして、

一応開発は続けるワイと本庄君。

 

しかしワイも出来る男。

ひっそりと「新作のキャラデザも作っといて」

と指示を出す。

 

『らぶらぼ』の頃から、僕と本庄君はフリーランスの立場で、

1作ごとに契約書を交わして仕事する人間だったので、

契約を履行さえしていれば残りの時間で何をやっても許される立場だったからだ。

 

これだけきな臭いと、保険を掛けざるを得ない。

新しい売れそうな企画書とキャラデザこそが、こういう時に有利なカードになる。

 

……って書いてたら、そういえばワイら『らぶらぼheaven』の

契約書に判子押してなかったような???

 

まあそれはどうでもいい。

『らぶらぼ』の版権が有限会社クワイアにある以上、

その続編を勝手にリリースできないのが現状だ。

 

さて話を戻そう。

地獄の話である。

 

民安の馬鹿に続いて、某声優さんが揉め事から距離を置きたいので降板したい

旨の連絡が届く。

とても大人な文章だったのでワイも納得。

 

民安の馬鹿の件をオリヒメに直接

「仕事なんだからちゃんとキャスティング会社の業務として説得しろ」

と伝えたが、

「私も言ったんですけど無理なんですぅ~」

とクソみたいな回答。

あの徹夜の話し合いに付き合ってかつ、お前が感動するようなコメント出したワイの立場が無いやんけ!

 

まあだが仕方ない。出来ないものを出来るようにさせるには時間が必要だ。

地獄の話をしよう。

 

なんやかんやで距離を置いたり縮めたりしてる大網とオリヒメ。

その時はたまたま合意に至ったのか、ある歌の収録をしてた。

そこにかかってくる1本の電話!!

 

事務所には僕と本庄君しかいない(大網はスタジオで収録を監視)。

当然僕が出る。

「はい有限会社ク……」

「そこにヨゾラがいるでしょ! 返して!」

 

…………( ^ω^)

 

ファミリーワークの社長のオリヒメヨゾラのお母さまだった。

「いや、僕は部外者なので勝手に止めるわけにはいかないんですよ」

「いいからさっさとその場からオリヒメを解放しなさい!」

「や、オリヒメさんも納得ずくで収録してるみたいですよ」

「いいから(略)」

 

なんやこのおばさん。

 

話にならないので、取りあえずスタジオに行って事情を説明し、

その日は一旦収録中止に。

俺のゲームはどこへ行った?!

地獄だ。

 

続く

eRONDO設立秘話8(三鷹より服部登場! ニンニン!)

かなりこじれたところで、

有限会社クワイアと長い事(?)付き合いがあったような

lightの服部社長がお出ましになった。

 

実はこの期間の前後、やる事が無くなった僕は

『しろのぴかぴかお星さま』

スクリプトの手伝いとかもやっていたのだ。

 

大網剛は長い者には巻かれろと言うか、

虎の威を借りる狐そのものだったので、

大物を味方につけて、その威勢を借りてパワハラ的な

ネゴシエイトをするタイプの人間だった。

そんなに自分に自信がないのかねぇ……哀れ。

 

で、大網と服部社長と僕で密談。

まずは僕の意見を聞かれて

「取りあえずはユーザーが第一なので、ユーザーが損をしない形で納めるのが一番だと思います。大網さんも細かいところには拘らず、引くべきところでは引くべきでしょう」

と言った。

そうすると、服部社長はキョトンとした顔で

「いや、三ツ矢君が僕と同じ考えだとは思わなかった」

と妙に感心されてしまった。

 

恐らく服部社長の脳内で僕は「大網の腹心、側近」とでも思っていたのだろう。

残念!

僕の中では大網やクワイアは僕のゲームをリリースするためのただのパーツなのだ。

 

カッコよく言えば「ゲームファースト」「ユーザーファースト」が信条なんである。

カッコ悪く言えば「俺様ファースト」で、俺に都合が良ければなんだっていいし、妥協も変節もする男だ。

 

そんなこんなで服部社長に説得された大網は、

涙ながらに「僕が引きますから、絶対見捨てないで下さいね」

と服部社長に懇願するのだった。

クソだっせえwww

 

その場はそれで収まったが、

当然(?)事態はさらに悪くなる一方であった。

 

続く

eRONDO設立秘話7(仁義なき戦い)

一晩明かした徹夜での話し合いにもかかわらず、

どうも事態は悪化の一方らしく、

スターライトプロにファミリーワークの顧問弁護士からのお手紙が届くなど、

様相は会社同士のガチ戦になっていった。

 

ワイは「知らんがな知らんがなゲームには関係ない」

と思いながら相も変わらずシコシコ『らぶらぼheaven』の作業をしていると、

突然民安ともえからワタクシの携帯に電話が!

 

何だろうと思って出てみると

「申し訳ないですが、『らぶらぼheaven』には出られません」

とのこと。トノイケダイスケ

なんですとーーーー! と、理由を聞くと

「大網さんのヨゾラちゃんに対する仕打ちが酷すぎる」

とのこと。ととのとのこの。

「いやいやいやいや、でもあんた『らぶらぼ』の時普通に楽しそうに仕事しとったやん? しかもそれゲームと関係ないやん?」

とワイは説得、

その後忘れもしないこの言葉がやってくる。

「だって大網さんヨゾラちゃんと付き合い始めた時奥さんいたんですよ? 不倫ですよ。しかも大網さん、ヨゾラちゃんレイプしたじゃないですか!」

 

…………( ^ω^)

 

付き合い始めの経緯なんてワイ知らんし、不倫もゲームと関係ねーし、レイプとかお前それ見たんかい?

と呆れ果てて説得をあきらめるワイ。

直情的で理屈の分からない馬鹿はもうプロではなくアマチュアだ。

仕事とプライベートをきっちり分けてこそプロフェッショナルというもんだろう。

 

そんなこんなで、様相は、

「三ツ矢さん、大網派なのかオリヒメ派なのかどっちなの!?」

的な事を各方面から言われる始末。

 

俺はユーザーとゲームに罪はないから『らぶらぼheaven』リリースさせろ派だよ!!

馬鹿かてめーら!!

 

しかしそんな1ディレクターの叫びは、

色んな人を巻き込んだ会社同士の仁義なき戦いの前には、

虚しくかき消されるのだった。

 

その後駄目もとで仏のけんせいさんに連絡して、

民安の馬鹿の誤解をどうか解いて欲しいと懇願するも

「いやー、僕ではどうにもなりません……何とかしたいんですけど」

と仰る。

いや、分かる。

けんせいさんは超いい人だし、揉め事に付き合いたくないのもわかる。

でもあなたのバンドのボーカルじゃん? しかも柳君も絡んでるじゃん?

バンド内の規律統制はどうなってるの?

 

 

徐々にリリースが怪しくなり、そろそろ僕も動いてなんとか

待ってるユーザーさん方を裏切らない方に纏めたい、と思ったところで、

巨魁、lightの服部氏がやってきたのだった。

 

続く

eRONDO設立秘話6(見知らぬ所で燃え上がり、気が付けばガチの戦に)

その後、なんか色々あったようだけど、

僕は僕で開発者なんで「知らんがな」って感じで

本庄君と一緒にシコシコ『らぶらぼheaven』の開発を続けておりました。

 

その間、どうも大網の馬鹿がお母さまの言いつけを破って

オリヒメヨゾラをストーキングまがいに追い回してたらしく、

自体は水面下で悪化。

 

いったん両者落ち着いたのか何なのか、

突然大網から

「オリヒメとサシで話がしたいので審判役をしてくれ」

と頼まれる。

「はぁ……」

と相変わらずのお人好し+鈍感力を発揮したワイは取りあえず付き合うことに。

 

深夜のガチ別れトーク開始いいいいい!!!

大網は何とかオリヒメと寄りを戻そうとあの手この手で必死。

オリヒメは柳君とどうしても付き合いたいらしく、

大網の口車に乗りそうになりながらも何とか踏みとどまってる感じ。

 

僕は僕で

「大網さんの説得のしかた下っ手やなぁ~……」

「オリヒメもオリヒメで柳みたなチャラ男選ぶ時点でアホやで、こんなええ男を前にしてワイの魅力に気づかんとは……」

と思いながら数時間にも及ぶ話し合いを聞いておりました。

 

当然折り合いはつかず、審判である僕の意見を両者から求められ、

僕は素直に

「う~ん、人が誰を好きになってもそれはいいんじゃないの?」

みたいな事を言ったら、オリヒメはなぜか感動。

「三ツ矢さんにその言葉を言ってもらって嬉しい」

とかウルウルし始める始末。

いや、いいから俺を早くここから解放してくれ。

 

善意の第三者の気持ちなどお構いなく延々に水掛け論が続き、

その場は結論先延ばしで明け方終了。

クタクタのワイ。

ゲームはどうなったゲームは!!

俺の仕事はエロゲーを作る事なんだよ!!!

 

この時点でそれを分かってくれる人、ゼロ。

なんやねん。

 

続く

 

eRONDO設立秘話5(その時は突然訪れた)

台東区稲荷町でシコシコと本庄君と一緒に

『らぶらぼheaven』を作っていた11月(だったような?)のある日、

突然1本の電話がかかってくる。

大網剛からだった。

 

取りあえず電話では何だからと近くのファミレスで話を聞くことに

「三ツ矢さんと本庄さん、うちの事務所で作業してくれませんか?」

「は?」

「今オリヒメと揉めてて、うちのスタジオの事務所誰もいなくて寂しいんですよ」

「はぁ」

 

まあ、別にいいか、とワタクシの売りである鈍感力を発揮して、

翌日から機材を移して「スターライトプロ(だったかな?)」

の事務所で開発を続けるワイたち。

電話番もついでに兼ねる。ギャラよこせ。(大網は守銭奴なのでよこさない)

 

そんなある日の晩、大網が誰かと電話をしていて、

僕に代わってくれと突然言い出した。

ってな感じで受話器を取ると、

相手はオリヒメヨゾラのお母さま。

何でも名古屋で「ファミリーワーク」という会社をやっているらしい。

ほ~ん、オリヒメヨゾラは名古屋の会社のご令嬢で、

そんでお遊びで芸能界の真似事やりたいのね、

と何となく得心が行く僕。

 

そしてオリヒメヨゾラのお母さまと僕と言う、

全然関係ない人間同士が電話で話すわけである。

どゆこと?

母上様が仰るには、今、大網剛とオリヒメヨゾラが男女関係で揉めていて、

そっとしておけば元鞘に収まるから大網には動かないで欲しい、

的な事を頼まれた。

 

そんなこと言われてもナァ……

と、思いつつ、そこはお母さまの顔を立ててその旨を大網に伝える僕。

どこまでお人好しなんだ。

 

続く

eRONDO設立秘話4(取りあえず『らぶらぼ』はリリースされた!)

まあそんなこんなきな臭いかほりを残しつつ、

エロゲー開発の万難辛苦を乗り越え、

無事『らぶらぼ』はリリースされたのである。

 

初回版には致命的なバグがあって大変ユーザーには申し訳ないのですが、

あれを言い訳と言うか釈明させてもらうと、

マスター前の一か月間はほぼ不眠不休で(その辺は収録した役者さんにでも聞いてみれば僕の状態は分かるかと思います)、

マスター焼く直前に修正したと思った箇所が、

遠い場所のフラグ管理で延バグを引きおきしたのが理由です。

 

やはり休養は大事だ。

フラフラになりながら開発をしてもロクなことはない。

しかし、有限会社クワイアの大網はブラックな守銭奴なので、

そんなことはこれっぽっちも考慮に入れない。

eRONDOが現在ホワイティにしようと僕が努力しているのは、

こういう伏線があるからだ。

 

で、『らぶらぼ』は不完全ながらも、本庄君の絵と、

駒井先生の筆力その他のおかげでプレイしたユーザー様からの

受けもそこそこよく、取りあえず黒にはなった。

 

そんなわけで本編でやり残した事をやりたい!

ということで当初お詫びDLC的な企画だった追加版を

ボリュームアップしてちゃんとした製品で出そう、

という流れで『らぶらぼheaven』の企画がスタートしたのだった。

 

まだこの辺りでは大網とオリヒメは傍目では大変仲良くしておりました。

 

続く