eRONDO設立秘話5(その時は突然訪れた)

台東区稲荷町でシコシコと本庄君と一緒に

『らぶらぼheaven』を作っていた11月(だったような?)のある日、

突然1本の電話がかかってくる。

大網剛からだった。

 

取りあえず電話では何だからと近くのファミレスで話を聞くことに

「三ツ矢さんと本庄さん、うちの事務所で作業してくれませんか?」

「は?」

「今オリヒメと揉めてて、うちのスタジオの事務所誰もいなくて寂しいんですよ」

「はぁ」

 

まあ、別にいいか、とワタクシの売りである鈍感力を発揮して、

翌日から機材を移して「スターライトプロ(だったかな?)」

の事務所で開発を続けるワイたち。

電話番もついでに兼ねる。ギャラよこせ。(大網は守銭奴なのでよこさない)

 

そんなある日の晩、大網が誰かと電話をしていて、

僕に代わってくれと突然言い出した。

ってな感じで受話器を取ると、

相手はオリヒメヨゾラのお母さま。

何でも名古屋で「ファミリーワーク」という会社をやっているらしい。

ほ~ん、オリヒメヨゾラは名古屋の会社のご令嬢で、

そんでお遊びで芸能界の真似事やりたいのね、

と何となく得心が行く僕。

 

そしてオリヒメヨゾラのお母さまと僕と言う、

全然関係ない人間同士が電話で話すわけである。

どゆこと?

母上様が仰るには、今、大網剛とオリヒメヨゾラが男女関係で揉めていて、

そっとしておけば元鞘に収まるから大網には動かないで欲しい、

的な事を頼まれた。

 

そんなこと言われてもナァ……

と、思いつつ、そこはお母さまの顔を立ててその旨を大網に伝える僕。

どこまでお人好しなんだ。

 

続く