なんやかんやで、一部『らぶらぼheaven』の収録なんかもしちゃったりして、
一応開発は続けるワイと本庄君。
しかしワイも出来る男。
ひっそりと「新作のキャラデザも作っといて」
と指示を出す。
『らぶらぼ』の頃から、僕と本庄君はフリーランスの立場で、
1作ごとに契約書を交わして仕事する人間だったので、
契約を履行さえしていれば残りの時間で何をやっても許される立場だったからだ。
これだけきな臭いと、保険を掛けざるを得ない。
新しい売れそうな企画書とキャラデザこそが、こういう時に有利なカードになる。
……って書いてたら、そういえばワイら『らぶらぼheaven』の
契約書に判子押してなかったような???
まあそれはどうでもいい。
『らぶらぼ』の版権が有限会社クワイアにある以上、
その続編を勝手にリリースできないのが現状だ。
さて話を戻そう。
地獄の話である。
民安の馬鹿に続いて、某声優さんが揉め事から距離を置きたいので降板したい
旨の連絡が届く。
とても大人な文章だったのでワイも納得。
民安の馬鹿の件をオリヒメに直接
「仕事なんだからちゃんとキャスティング会社の業務として説得しろ」
と伝えたが、
「私も言ったんですけど無理なんですぅ~」
とクソみたいな回答。
あの徹夜の話し合いに付き合ってかつ、お前が感動するようなコメント出したワイの立場が無いやんけ!
まあだが仕方ない。出来ないものを出来るようにさせるには時間が必要だ。
地獄の話をしよう。
なんやかんやで距離を置いたり縮めたりしてる大網とオリヒメ。
その時はたまたま合意に至ったのか、ある歌の収録をしてた。
そこにかかってくる1本の電話!!
事務所には僕と本庄君しかいない(大網はスタジオで収録を監視)。
当然僕が出る。
「はい有限会社ク……」
「そこにヨゾラがいるでしょ! 返して!」
…………( ^ω^)
ファミリーワークの社長のオリヒメヨゾラのお母さまだった。
「いや、僕は部外者なので勝手に止めるわけにはいかないんですよ」
「いいからさっさとその場からオリヒメを解放しなさい!」
「や、オリヒメさんも納得ずくで収録してるみたいですよ」
「いいから(略)」
なんやこのおばさん。
話にならないので、取りあえずスタジオに行って事情を説明し、
その日は一旦収録中止に。
俺のゲームはどこへ行った?!
地獄だ。
続く