【格闘技】田中恒成、9・24名古屋でWBOフライ級王者の木村に挑戦2018年8月1日 紙面から
ボクシングのWBOフライ級1位、田中恒成(23)=畑中=が31日、名古屋市内で記者会見して9月24日に同市の武田テバオーシャンアリーナで、同級王者・木村翔(29)=青木=に挑戦することを発表した。世界最速タイとなる12戦目での世界3階級制覇を目指す日本人対決へ、元WBCスーパーバンタム級王者の畑中清詞会長(51)が現役時代、走って足腰を鍛えた同市内のチャンピオンロードを継承する計画を明かした。 アウェー決戦でこそ力をみなぎらせる王者の姿を、目に焼き付けた。地元名古屋に迎えるからこそ、9・24を最高の日本人対決にしたい。田中は、木村が6回KO勝ちした27日の中国・青島でのV2戦を視察。会見の冒頭、11戦全勝(7KO)の挑戦者は、王者への敬意を言葉にした。 「木村選手は中国でもどこでも、ぶれないメンタルの強さを持っている印象。ベルトを取ってから自信、実力がかなり上がっているし、勢いに乗っている手ごわい相手。半端じゃない。間違いなくきつい試合になる」 20戦17勝(10KO)1敗2分の王者の長所として、真っ先に警戒感を示したのは尽きないスタミナ。終盤までもつれる死闘も想定しつつ、3本目の世界のベルトを奪取するため、田中陣営はとっておきの秘策を準備している。 単調になりがちなロードワーク対策で、目を付けたのが、名古屋市緑区の大高緑地公園のチャンピオンロードだ。畑中会長が現役時代のほぼ毎日、「山です」と表現する高低差の激しい4キロの外周を2周してから、150メートルの坂道ダッシュ10本。WBCスーパーバンタム級王座への土台となった、ピカイチの験の良さを誇る。 プランを聞かされた田中は「最初の1回だけですよ。飽きないのは」と苦笑い。それでも「やらないという事実は、勝負の前に負け」と覚悟を決めた。 すべては、WBAライト級王者ロマチェンコ(ウクライナ)と並ぶ12戦目での世界最速タイの世界3階級制覇のため。「もちろん、倒しに行きます」とKO決着を思い描き、走りまくる。 (志村拓)
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